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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
勝利の葬列ですわー

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へぇーこんなに普通の声量で長時間話せるんですのね……

あの世のアーデルハイド「知らんかった」

「まず第一に前司法大臣からの推薦状があります、よほどのことがない限りは推薦状通り推薦された人物が就任するはずです、理由はいかに?法的根拠も持ったものをお願いします」

「ならば本人が来るのが筋であろう」

「推薦状があるのに呼ぶ理由がありませんが?法的根拠はありませんね」

「その推薦状も本物かどうかわからないな、そもそも国王の私が許していないのに……」

「推薦状を却下する理由ではありませんね、本物かどうかは確かめればいいのでは?その位置から分かるのですか?声は聞こえど扉を挟んでおりますが……さすが国王陛下はよく見通す目をお持ちのようで……次代も安泰であると確信しております」


 次代はワタクシですものね。安泰待ったなしですわー!

 いや途絶えるから違うのかしら?痛烈な皮肉ですわね、節穴のくせに何が分かるんだ、第2王子の行動は何もわからず読みきれないくせにと罵ってますわね。


「もってこい!」

「どうぞ(小声)」


 推薦状を差し出すジーナ、受け取りそれを持ち中に入る騎士。

 無駄なやり取り……ありもしない権威にすがりついた愚物。

 宰相も呆れてますわね、肩を落として扉を見つめてますわ。

 中に入らないんですの?嫌ですわよねぇ?この状況をどうにかしろと無茶を言われるのは……。


「これが司法大臣が健在で書いたものか疑わしい!今日の日付ではないか!ではなぜ本人がいない?」

「そもそも当人はこの度の超法規的措置の事件に関して幽閉状態にありました。ほか大臣や参加メンバーも一部を除き釈放直後の方々が多い様子だと思われますが、彼らの疲弊は無視ですか?ああ、国王陛下は超法規的措置を出したかもしれないですが特に何もなく無為に日々を押し越しになられたようで臣としては陛下の周りでは平穏が守られて何よりです」

「……先ほど釈放された宰相がそこにいるのにか?前司法大臣はそんなにやわな人物ではあるまい」


 嫌味には触れませんでしたわね、まぁギリギリのラインでの嫌味ですし触れたらめんどうですものねぇ……。


「お耳がお早いことで、超法規的措置に関して今取り調べられてる人間で無実が確定したものは前司法大臣の最後の指示で直ちに釈放されました。その間の補填は王家が負うことも」

「何故王家が?」

「前例がありますので、そもそも悪用された原因は王家にありますが?まさか誰も彼もが超法規的措置を発言しただけで理解しましたと黙るとでも?大臣たちの署名がなければ発動もしない権利でそれを見せずに?現物がないのに?無罪での拘束中の損害は王家が負担するのが今までの慣例ですから、それにこのような状況になったのでは王家が負担してしかるべきだと」

「……これほどの国家規模の案件だ、無罪とはいえ……」

「いえ、王家が負担してしかるべきです。だからこそ国王陛下自らがこの事件に関して警察庁を挟まず調査させたのではないですか。超法規的措置を唆した容疑者の捜査も終わっているようで何よりです、頭の回らぬ使いっ走りの小物は処刑されましたが超法規的措置をそそのかした誰かはわかりましたか?王家に関係が深い人間だと思われますが?国王陛下が自ら調べられたのですからそれを考えていたと貴族は考えています。それでそれは誰でしたか?まさか国王陛下が超法規的措置で公爵家を陥れるために出したのではないと荒唐無稽な話が真実ということはありませんよね?現時点で出せそうなものは……」

「調査中だ!釈放されたものは無罪!今捕らえられていないものもだ!」

「それを決めるのは司法大臣の私です、調査は続行されねばなりませんので。法的に問題がないので任命されずとも私は働けます。これは前例でも国王陛下が判断できない状況になった場合、王太子が不在の場合にも通った前例があります。よって私は新司法大臣として調査に全力で当たります。捜査対象が増えるだけです、国王陛下は国王陛下で、私は私で。前任者は当事者に近かっためできませんでしたが私は無罪であり関係がないので法的責務に乗っ取り調査いたします」

「……無用だ!」

「では公爵家に対する陰謀をなかったことにすると?内務大臣?いらっしゃるのでしょう?よろしいのですか?公爵家を嵌めた人間を処断なさらなくて?舐められますよ?」

「…………我々としては調査は望んでいるがな、国王陛下が止めておられるのでな」


 ふーん……取引済だけど微妙な利益って感じですわね、これほど弱みを握ってボロ儲けできないなんてお父様も宮中バランスが面倒なのかしら?それとも宰相の小物共の粛清あたりで手を打ったのかしら?


「まぁ、内務大臣の権限と司法大臣の権限は違うので内務大臣の協力はなくても捜査はできますが。任命されなくても出来ることは前例があるので推薦状を法的根拠として進めます。国王陛下はこれほどの大問題に対して自らが動けば国家が破滅を迎えるほどの問題であるので具体的な指示を出せないと判断します。何より……任命状に対しての法的根拠の無効を示しておりませんし、私の新司法大臣の任命を拒絶する法的根拠を示されておりませんので」

「脅迫して書かされたかもしれない」

「たかだか脅迫された程度でそのような大事な物を書く方ではないから司法大臣に任命されたのでは?」

「余は疑っておる、これも国王の仕事だ。信用ができん、接点もない人間が急に新司法大臣だと伝えてもな、法的根拠がなかろうとそれは仕方あるまい。国政を司るものは……」

「法に則って行動しなければならない、気に入らないでアレコレできるのであれば内務大臣は今生きて横に立ってはおられないでしょう、もちろん好き勝手やって邪悪が天衣無縫をまとったようなやっかいな娘の方も、いや……それでも生きて立ってるか、しぶといし逆に殺しにくるタイプだな」


 めちゃくちゃ刺してきますわね!脇腹血まみれになりましたわよ!頭までかち割られた気分ですわ!どっちが敵かわからないこといいましたわね!

 あとでワタクシという人間の天衣無縫な人柄について話し合いが必要ですわね……。


「…………法的に問題はない。それは認めよう、だが前財務大臣や宰相もいるのに彼がいない理由は何故なのか、彼を連れてくるまで私は信用しない」

「では理由だけでは聞き入れる気はないと?説明はできますが」

「彼とて国家を天秤にかけて脅されれば折れるだろう」

「………………そこで折れるような人物が息子が大罪人になった上で遺族からの信望を得られるか(小声)」


 しかたありませんわね、いつの次代も言葉だけでどうにか出来るのは同じ冷静さと知性があるときだけ。

 下等な動物に人間の言葉は届きませんわ、あるいは息子のやらかしが続いてもう判断ができないのかしら?親にも差があるということか、単なる能力差か。


「いいですわ、続きをやりましょう。ジーナ任せましたわよ。皆様方、力に自信上がる方はご一緒に」


 勝利の葬列ですわ!

ジーナ「ふんっ!(滅多打ち)」

エリー「痛い痛い!なんでですの!」

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