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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
ロバツ王国

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攻勢の結果

「全軍突撃せよ!」


 エセルの号令のもと再編をおえた軍は再度の攻勢を開始した。短い間で再編をおえてまた攻撃を開始できるのはエセルという人間の手腕の賜物なのだろう。

 無論各将軍もそれに合わせた実力を持っているが。


「ボクらはここまでだね、半数を失ったら流石に無理だしね」


 マルバッハ男爵軍は500名を失い敗退。クラーク軍も300人を失いながら前進を止めずにバルカレス男爵軍へ襲いかかった。


「数の差はね~。撤退、隙を見せたら攻撃。基本は後退するよ」


 バルカレス男爵軍も緩やかに後退。


「このままアルベマーを討つ!」


「斉射を……」


 斉射により削れていくクラーク軍は足を止めずにあるべマー軍へ突入していった。


「我が軍、犠牲大!」

「アルベマー軍をひきつけろ」

「前衛騎兵部隊壊滅!」

「2000がか!?相当な弓兵の比率だな……!かまわん!突っ込め!」

「ハォ男爵戦死!」

「引き続き前進するように命じろ!奴らは弓兵メインだ、あたりどころが悪ければいくらでも死ぬが陣地を突破すれば勝利が見える!我々が奴らを引き付ければ勝利の可能性は上がり続けるぞ!」

「ガゾーク団長戦死とのこと!」

「騎士にとっては弓兵は天敵よ、落馬と同時に死がやってくる、その上鎧によっては起き上がれんときたものだ」

「かといって歩兵隊を使えば結局弓の餌食ですな……。まだ届かぬか、ブースは?」

「膠着しています」

「そうか、スペンサー軍はもう我々に注意を払う必要もないからな……。もう一息だ、矢だって尽きるぞ、とにかく相手に使わせろ!」


 完全な囮になていくクラーク将軍は精鋭を失いながらもアルベマーに対して圧力をかけ続けていた。




「中央突破か、まぁいいさ。これで注力できようものだ」

「ほんまか?」

「一応事前のとおりだ、少し遅かったと言ってもいい。我々の頑張りすぎだ」

「頑張ってもええやろ」

「エリーが活躍したいからだろう」

「部下には功績を譲るもんやで?まぁ……ここで売らなきゃしゃーないか」

「エセル撃破の評価が欲しいだろうしな」

「今回の活躍でもう十分やろ」

「勝ちにこだわりたいのさ、なにせ相手に先読みされたとも言えるからな。スペンサー軍と協力して挟み込め!」


 ここは押し切れるか?


「アレクサンダー軍を前進させろ!」




「ブース将軍、アレクサンダー軍が前進を開始しました!」

「…………虎の子を出せ」

「よろしいのですか?」

「クラーク将軍が突破した今となってはそれでいい」

「はい」


 ブース軍の攻勢は失敗に終わり、マッセマー商会護衛、スペンサー軍、アレクサンダーの三軍から攻撃を受け、軍の精鋭5000を失った。

 マッセマーも1300、スペンサー軍も800、アレクサンダー軍も600名を失い疲弊した。


「アレクサンダー軍は戦闘できるんか?」

「まだ2000を切っただけだ、一応軍人貴族だぞ?まだいける」


「中央突破か……」

「我が軍はどういたしましょうか?」

「5000を切ったしな。ここはベスに任せよう」


 スペンサー家も活躍できたしな。

 これだけやれば上等だろう。




「クラークは中央突破、アルベマーとぶつかるだろうな。それにしてもブランケットを抜けるとは不甲斐ない」


 エセルは本陣で部隊を繰り出しながらぼやいた。

 各部隊はここが好機と奮戦し、後方部隊ですら予備戦力として指揮官が本陣を離れていた。一部の伝令などがいる中でエセルは戦況を眺めている。


「それにしても随分と手強い。ブランケットにそこまで優秀な指揮官がいたとはな」


 ぼやきながらも右を見ればこちらに向かってくる公爵軍が見える。


「ブランケットを蹴散らして全力で殴りかかりたかったがな……」


 だがブランケット侯爵軍は防御戦には強いが攻勢はない。こちらの撤退に追撃もしないところを見ると防御のみを徹底的に鍛え上げたのだろう。


「今回の攻勢ですでに1000名近い犠牲が出ております、相手はせいぜい700名ほどしか打ち取れていないかと」

「なんとまぁ……もうそれだけ死んだのか?公爵軍の位置は?どれほどでこちらにつくか?」

「45分ほどです」

「それまでにブランケット軍を抜ければ良いのだがな」


 おおよそ30分、停滞した戦線は双方にじわじわとダメージを与えていく。


「無理攻めはするな、この後がある」


 30分で200名を失ったエセルと、100名を失ったブランケット軍。

 迫る公爵軍を尻目にただただ凡戦を繰り広げていた。


「公爵家、進軍停止。おそらく陣形を整えるための停止かと思われます」

「この距離でか?舐められたものだな……」


 そういいながらも笑顔になったエセルは号令を降した。


「14家をブランケット侯爵軍にあてよ!これより我が軍は王太女エリーゼ・ライヒベルクへ突撃する、予備部隊、先鋒の準備は整っているなら出立せよ!次鋒は左翼のヘージン、そして後ろは私だ!あとは国境14家といれかわったら着いてこい!」


 この賭けに勝てればたとえ援軍が到着したとてどうにもなるまい!


「クラーク将軍、アルベマー伯爵軍に攻撃を開始!」

「届いたか!」

「ただ弓兵の数の差はいかんともしがたく6000名を失ったとのこと!後方の補給部隊を含めて突撃を敢行しています!」


 それでは勝っても負けても軍は大打撃だな。

 だがよくやってくれた!


「アルベマーの弓を気にしなくていいぞ!さぁ!急げ!」

ベス「弓こそがすべてを制する」

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