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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
ロバツ王国

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エセルの悩み

「ブース、クラーク軍一時後退。再編後再度攻撃に移るとのこと!」

「敵は動くか!?」

「中央部に関しては優勢のまま!バルカレス重装歩兵の攻撃による撤退であり致命的ではないとのことです!」

「左翼は!ブース将軍はどうか!」

「痛手を負いましたがマッセマー商会護衛部隊にそれなりに痛手を与えたとのこと!」


 ブース軍が左翼として敵軍を粉砕すれば包囲もできるが……。中央突破をすれば……いや、中央突破は罠だ。

 アルベマーが狙っている。

 むしろ左翼中央を突破して包囲に映らせるのが目的ではないか?

 薄いが硬い、しかし動揺がない。


 公爵軍がどちらにせよ前に出るか後ろで控えるか……。

 中央突破はアルべマー領軍の餌食だ。

 撃破はしても突破までしたら即座にアルベマー攻撃に移らねば厳しい。

 1万5000で万全の弓兵隊がいるのはまずい。


 できればブランケットを突破したうえで中央を突破、その上で2方向からアルベマーを叩かねばならん、そこで釣りだした公爵軍を攻撃してエリーゼ・ライヒエルクを討ち取る。

 これしかない。


 左翼は引き付けに注力してもらうし、できればレズリーとぶつかって欲しい。

 何もさせないことが肝要なのだ。

 だが連中は硬い!腹ただしいほどに!


「騎兵をぶつけろ!」

「今ですか!?」

「かまわん、思いっきりいけ!右翼騎兵をぶつけろ!」


 右翼騎兵隊が全力でぶつかる。

 それでもブランケット側に動揺が走るようにも見えるがいなされる。

 クソが!


「退かせろ!中央部進め!」

「はっ!」


 私が出るか?


「アルベマー軍!前進開始」

「何……?」


 今か?

 …………エリーゼを守るためか?まだ余裕があるはずだ。

 優勢であっても勝ちきったわけではない。


「どちらだ!?中央部か!?」

「いいえ!公爵軍との間に入るように進軍をしているように見えます!」


 どっちだ?盾か?鉾か?敵左翼にこうも兵力を固める理由はなんだ?

 なぜエリーゼ・ライヒベルクが前に出ない?

 高みの見物?あの女が?圧倒的優勢というほどの状況か?

 アルべマーより先に動いて叱るべきだろう!


「ブランケットの突破は叶うか?」

「もう一度ぶつければ敵左翼を突破できるやも知れません、ですが先程跳ね返されたばかりですので……」

「中央部を敵左翼にぶつけろ!突破したらそのまま移動中のアルベマーを襲撃せよ!弓射は弱いはずだ!」


 ここで突破する!




「ブランケット侯爵軍、左翼を突破された模様。ロバツ軍はこちらに向かってきます」

「移動弓射三連……しかるのち歩兵隊を出す……」

「はっ!」


 ようやく食いついたか、だが遅い。


「斉射……」


 アルベマー伯爵領軍の弓射によりエセル軍騎兵隊が打撃を受け、後退を余儀なくされる。

 追撃の歩兵隊が騎兵隊の後方にいたエセル軍の部隊を撃破し、エセル軍は後退を余儀なくされた。


 ブランケット侯爵軍とアルベマー伯爵軍との連戦でエセル軍は6000を失い、ブランケット侯爵軍は3400名、アルベマー伯爵軍が500名を失った。

 アルベマーの移動弓射により打撃を受けた右翼ロバツ騎兵隊は継戦能力を失い中央部に回されることとなった。


「アルベマーの弓射でこのザマか!進軍しながらあの命中率だと!隠し玉か!」

「右翼主力騎兵隊がほぼ壊滅です、馬を失った騎兵は敵歩兵に狩られて終わりです」

「欲張ったからここまで減らされたが数の上ではまだ互角、再度攻勢をかければ同時突破は叶う!再編後に同時攻撃を掛ける!」





「と、思うでしょう。公爵軍を動かしますわ。せいぜい突っ込んできていただきましょう。この首が取れるか、それとも敗北するか楽しみですわね」


 まぁまぁいい布陣ですわね。適当にしては。

 突破されるかと思ったんですけど意外と耐えられましたわね。さすがにローズは限界でしょう。


「クラウディア様からの伝令です!確実なのは騎士15、上級騎士8、貴族らしき人物3、現場隊長級27とのこと」

「あらまぁ大戦果」


 レズリーとしては各軍にレズリー家の暗殺者を配置して偉い人間をとにかく狙い撃ちしてたんですけどね。累計にしては出来すぎですわね。


「これで次の攻勢はともかくその次はもう持たないでしょうね。あなたたちが殺した人間だけが戦果ではありませんから」


 うーん、1.5倍くらい?貴族は流石に死んでないでしょうけど。騎士はそこそこ殺せたはずですわ、ベスが斉射で処分してましたし。

 数的にはどっこいですけど相手の継戦能力は徐々に減っているはずですわ。

 まぁ、あの攻勢ではぎりぎり気が付かないレベルに放ってるでしょうけど。右翼では一部部隊を殲滅、中央部でも本陣近くまで強襲、左翼でも一斉射で騎兵隊を葬る。

 まぁ気が付かない程度の犠牲ですわ、許容範囲、ありえる程度の犠牲。


「さ、次ですわ。再度の突撃に合わせて公爵軍を前進させます。動揺するかどうかは見ものですわね」


 あなた達の本気で殺しにくる態度を見たくてたまりませんわ。

 いつまでも手のひらの上だと思わないことですわ、此処から先は攻守交代。

 あなたたちの息が切れたら終わり、それを理解したうえで殺しに来なさい?


「規定通りに動くこと、突破と撤退は敗北ではありませんわ。ワタクシたちを葬れる機会は今日だけなのですから、逆を言えば今日をすぎればロバツは墜ちる、いえ墜とす。再編を急ぎなさい」

クラウ「狙撃に特化した兵を各軍に配置して相手の指揮官クラスを狙い続ける」

ベス「私の軍でも……出来たと思うけど…」

クラウ「流れ屋や先陣で戦死ではなく狙撃がバレバレだからダメっす」

ベス「そう……」

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