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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
ロバツ王国

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第2戦

 昼を過ぎたころロバツ軍は全軍で王太女軍に向かい攻撃を開始した。


「進め、蹴散らせ!数の差で押し切れ!」


「マルバッハを包囲せよ!」


「ブランケットを押し切れ!後退はせずに進み続けよ!」


 ロバツ側の同時攻撃に対して王太女軍は計画通りだと動き始めた。


「ここをしのげば勝利の鍵はこちらに転がりますわ!防御!防御!防御ですわー!」


「三軍への攻撃!?ジーナの軍は耐えられないぞ!アレクサンダー女伯爵軍にも攻撃が来たか!左翼、スペンサー男爵軍は左翼が動かせないことを踏まえたうえで横を突け!」


「抑えろ!俺達は緩やかに後退して敵を疲弊させろ!マッセマー商会護衛兵が横を突くことを信じろ!」


「耐えられるかな……?ダメそうなら後退するよ」


「よく狙うっす、どれだけの猛者でも指揮官が死ねば多少は浮足立つ。我々の得意とするところを見せる。各軍に潜ませたものに積極的に指揮官を狙うように伝令。攻勢であれば狙われたか激戦で死んだからわからないから油断するはずっす」


「これはどう対応するべきだろうか?王太女殿下次第か?」


「んー……これは突っ込んだほうがいいかもねー」


「全軍……進軍開始……ロバツ本陣に弓を打つ」




 ブース将軍はアレクサンダー女伯爵軍に精鋭をぶつけ、500名を討ち取ることに成功したが、マッセマー商会護衛軍に退路を塞がれ1300名が全滅。

 そして同じくマッセマー商会護衛軍に軍の横を突かれブース軍は2000名近くを失う。マッセマー側の被害は3000。

 スペンサー男爵軍は初撃を後退でいなしながら反撃、マッセマーの横撃に呼応するも数の差があるため200名の犠牲で400名を討ち取るのがやっとであった。


「不甲斐ないな、隙をついてもこの程度とは」

「我がスペンサー男爵領軍は先程の戦いで無理しても勝てないとわかりましたので、受け流しが大事ですな」

「引き続き最前線は任せる」

「はっ!」


「やはり護衛が本懐と言ったところだな、攻めは厳しい」

「まぁ、そんなもんやろな……」

「正面はまずいな……公爵軍を動かしたほうがいいかもしれん」

「困ったわな……」




 中央部のクラーク将軍はマルバッハ男爵領軍に猛然と襲いかかり、後退中のマルバッハ軍を食い破った。


「あーやっぱ3000もない状況ではこうなるか、じゃ挟んで、撤退した中央部はボクらが戦ってる間に再編して」


 食い破った部分を挟み潰しつつ後退。

 バルカレス重装歩兵が援護のため突撃し、クラーク将軍の右翼を撤退させる。


「んー、精鋭とはいえ流石に少ないね。もう1000人いれば本陣まで迫れたんだけど……。ま、しょうがないよねー、監視は必要だしねー」

「お嬢、ギャル伯爵軍ではいけませんでしたか?」

「重しは必要だしねー、政治的にそれがいいなら良いんじゃね?」


「勝てると思ったがそう甘くはないな、我軍は後退する。ブースも厳しい結果だな」


 クラーク将軍は約3000を失い、マルバッハ領軍は600名を失った。

 バルカレス男爵軍は100名の重装歩兵を大きく失った。


「これは無闇矢鱈に突っ込めなくなったね」

「5分の1が消えましたからね、通常であれば継戦能力にも問題があります」

「補給はエリーが引き受けてるから全部攻撃に回せるけどこれは厳しいね、かといって無理とはいえないよね~」


 軽口を叩きながらももう少しいればなぁと改めて思うマーグはローズのマルバッハ軍を見て中央部はもう抑えられないことを確信した。


「ま、中央突破にでてくれればそれはそれで楽になるんだけどね。あえて薄くした海があるんだけどブランケット領軍へのこの感じだと……」

「やはり王太女殿下目当てですか」

「だろうね、だってここまで中央が薄いなら食い破れば良くない?エリーをフリーにしたくないんにしても距離はあるし、実際少数を送り込んだだけだったしね、これはブランケットを潰して向こうの右翼に比重を強めてベスを撃破する方針だね、あとはエリーと一騎打ちって感じのこと考えてるんじゃね?」

「が、ブランケット侯爵軍を抜けないと」

「ま、数もあるしね。やっぱ最適な布陣だったね」

「単に移動が間に合わず、このような布陣になっただけでは?」

「だからそれらしく少数のあーしらが動いたでしょ?ローズもあーしらの中に入るには目見える功績が必要だったしね。ま大丈夫でしょ、戦いなれてるしね。敵の突破を見越して本陣を中央に置かないのはセンスあるよ」


 その後の動きもね、あれはやっぱ賊相手とはいえ戦いなれてるね。

 弱小男爵家の悲運って感じはするね、ましゃーなしだね。


「さて、あとはブランケットがどうなるかだね~」




「押せ!押せ!押せ!第一命令突撃せよ!第二命令突撃せよ!第三命令突撃せよ!」


 エセルの号令のもとロバツ軍はブランケット侯爵領軍へ全力で殴りかかっていた。数の暴力で殴る。

 1万の差はいかんともしがたいだろうと殴り続ける。


「せめてここは潰しきらねばならん」


 やつらは8万足らず、もう10万が迫ってる可能性が高い。

 どれだけ誤差があろうと、有象無象の貴族であろうとこちらの増援が到着しようとひっくり返せるとは思えない。

 その上でバルカレスの兵が少ないことが気がかりであり、先程の突撃を見れば指揮しているのは間違いなくマーガレット・バルカレスだ。

 当主でもないし、ギャル伯爵軍ではないから夫人のほうでもない。

 治安維持任務での出兵などを元にした話であれば戦い方がにている。


 つまりあれは王太女護衛部隊の精鋭なのだろう。

 本体はどこかに迫っている、おそらく大軍が。東以外の場所からこちらに向かっているのだ。


「左翼、後退するな!マルバッハはまだ再編できていない!構わず突き進め!」

シャーリー「(弔問金考えたくないわ)」

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