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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
ロバツ王国

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次の備え

「とりあえずは凌いだな」


 最も近づいたら撤退したのでなんとも言えんが。それぞれ大きな犠牲がでたようには見えない。小手調べ、あるいは旗を信用せずハリボテだと思ったかだな。

 エリーだしな、そりゃそうだろう。

 我々の旗を交換しろというくらいはするだろうしな。


「ウチの代わりに指揮してくれてありがとうな、アン」


 シャーリーにこの大軍を指揮するのは難しい、だから私が家のものに指揮を委ねこちらで指揮を取った。持っとも行軍ぐらいなものだったがな。


「なに、1万を指揮できるのだ。嬉しいくらいだとも。すこし布陣が離れていたがこうして移動もできたしな。アレクサンダー女伯爵家としての軍は後方で構えるのが仕事だ、いわゆる見せというわけだ。意外とマッセマーの護衛もやるな、動きが良い」

「そうは言うけどな、あくまで護衛であって防衛やらはええけど本当の軍隊並の活躍は無理やで」

「わかっているとも、だから基本は支援攻撃にする。支援攻撃なら防衛の範疇であろうからできるだろう?」

「そらまぁな、ただ攻めることに関しては追撃が精一杯や」

「構わん、そもそも追撃であれば身軽の方が良い、それこそ我が軍の出番だ」


 防衛戦ならできるのなら適当に重用した兵よりも遥かにいい。数はやはり互角といったところだろうか。まだ始まったばかりだ。






「小手調べだったね」


 マルバッハ領軍も数の差があれどよく耐えられた。

 うん、万全に戦える。次が本格的な戦闘だね!


「そのようですね」

「次はもう少し変えてくると思う。マルバッハ領軍は次の攻撃に備えて。突撃が来ると思うから鶴翼で受け入れて凌いで、数は圧倒的に少ないけど構わない。ただ薄くなばさないで。現場にそれは徹底させて。レズリー伯爵軍とバルカレス男爵軍が動けるように短く陣を作って」

「敵は右翼マッセマー商会護衛隊を突く可能性は高いのでその場合はスペンサー男爵軍にも協力を要請いたしましょう」

「ブランケット侯爵軍は間違いなく押されるから増援はないからね。ボクとしては打ち破ってやりたいところだけど数の差が大きいところだね」

「公爵軍が動けばそちらに注力しますからね」

「隙あらば奇襲してくる、あの感じを見るにやっぱり一点突破も計画のうちだね。うんうん、でも配置が悪いから全軍で叩きに行くことは出来ない。アルベマー領軍の弓兵隊と数の多いブランケット領軍、そして公爵軍で包囲攻撃できる。実際迂回して公爵家を叩きに行く羽目になったからまずは前衛のボクらを倒さないと犠牲は増える一方……。まぁやる時はやると思うけど」


 マルバッハ領軍が全力で相手と戦えば負けることは織り込み済み。

 いくら精鋭でも数の差はどうにもならないからね、蛮族ならまだしも……。いや、ロバツも蛮族との戦闘経験が多いからそこまででもないかな。

 まぁ次かなぁ……。






 ま、俺にしてはよくやったほうだろう。

 森林地帯での戦いならもう少しやれたと思うが平地の軍の指揮では俺に光るものはなさそうだ。

 次の攻撃は本腰だな。エリーの予測では。


「崩れてもいい、死なぬようにな」

「よろしいのですか?」

「ここは抜かれてもいい、むしろ向いたとどこに行くかだ、マッセマーか?アレキサンダー女伯爵軍か?それともレズリー伯爵軍か?火消し役をどう対応するかでかわるさ」

「では基本的には……」

「ああ、おそらくマッセマーを殴るだろう。ブランケット領軍を崩せなかった時点で数を減らす方に舵を切る。撒き餌の公爵軍を殴りに行くかも知れないが……あの布陣を崩すにはブランケット領軍、アルベマー領軍をどうにかせねば公爵軍を殴る頃には疲弊して終わりだ。それでも新女王様は公爵家にちょっかいを掛けねばならない。戦力の逐次投入だとしてもだ。俺でも最もフリーハンドにしたくないのはエリーだからな。次にクラウ、アンだろう」

「しかし王太女殿下を討ち取るのであれば動いてもらったほうがロバツとしてはいいのでは?」

「向こうからしたら兵を分けた際どっちにいるかわからないだろう、この気心知れた人間のほうが多い中で自分の旗印をわざわざ持ち歩くタマか?分離された部隊にいた場合必死で公爵家を攻撃して1万人殺しても不安が常に追い回すぞ、エリーゼ・ライヒベルクはどこに行ったのかと。連中は掴めはしない、だからこそロバツは手のひらで踊る。そして次の戦闘の要は……ゴホッゴホッ」


 しゃべり疲れた。

 指揮はやるからいいだろう。事前予測通りなら命じてあったことで事足りる。






「歯ごたえのないことですわ」


 まぁブランケット侯爵軍がどこまでやれるかを見たかったんでしょうけど。

 ちょっとした凡戦で互角だから向こうも嫌でしょうね。

 ワタクシの公爵軍が撒き餌として機能している今はいいですわ、この1日凌ぐか勝つか。

 その二択に過ぎませんもの。


「ベスに敵の攻勢次第で陣を左斜めに進軍して射程内に収めるように伝えて」

「はっ!大族長の仰せのまま!」


 同数であっても単純に数の殴り合いで決まるものでもなし、お手並み拝見ですわね。






「よし、ここで一挙に突く。頼むぞ」

「「はっ!」」


 多少でも混乱すれば儲けものよ。

 結果的に戦場の同様は大きく勘違いされることが多い。

 そうなってくればしめたものだ。

 敵軍の右翼……こちらから見ての公爵軍とアルベマー軍、ブランケット軍が多少でも混乱すればしめたものだ。

 そこから一気に攻める。

キサルピナ「早めろ」


ハーン「1日でも早く突けば戦略の幅が広がるぞ、いけ」

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