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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
ロバツ王国

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ベジャハン早朝戦

「敵影変わらず!繰り返します!敵影変わらず!」

「陛下!」


 どうやら勝利がこっちに向いてきたな。

 振り向かぬなら無理やり振り向かせてやればよいのだ、勝利と興奮の女神は前が意味しかないのであれば振り向いて掴めばいい。

 これほどの絶望的な状況であってもまだ勝利が見える。

 ハッキリと。


「陛下!下知を!」

「うむ、作戦を開始する。ここには少数を残しハーン将軍が来るようなことがあれば直ちに戦場に来るように伝えさせる。いざ、かかるべし」






「エセルが動いた?」

「はっ!クラウディア様からそう伝えるようにと」

「…………ふ,ふふふ……」

「王太女殿下?」

「ふふふふふ……はははははは、あははははは!」


 そう、エセルあなたはそうするでしょうね。

 忌々しい。読みどおりでもこうも腹ただしい。朝から攻めてくるのなんて……本当に流石ですわ!


「全軍に通達。昨日の指示通りに迎撃を。それぞれ好きにやりなさい。さて……かかるかしら?釣りというものは待つのも駆け引き、糸を引くのも駆け引き。撒き餌にかかるといいんですけど」






 早朝4時前に始まったベジャハン会戦はエリーゼ王太女の対応も早く奇襲とはならず対峙、ありきたりな戦闘が開始されていた。


「ブランケット侯爵軍は硬いな、よく守っている」


 エセルの冷静な言葉に周りは少しだけ焦りを見せる。

 それに気がついたエセルは問題ないといい戦場を見続けていた。


「昨日のは適当な人間に任せたのだろうよ、あるいは不穏分子だったやもな。ブランケット侯爵の息子。何といったか?」

「ドゥエイン・ブランケットです」

「あの女が後見して教え込んだのだろう。なかなかやるではないか。何、押しきれぬのであればやり方を変えればいい」


 互いに500人を失ったところでエセルは緩やかに後退。

 3000を抽出し、エリーゼ王太女本陣である公爵軍に部隊を突撃させる。

 ブランケット侯爵軍は見送り、迎撃した公爵軍は盛況でありこの部隊の指揮官は直ちに撤退。エセル軍は300を失い、公爵軍は100名足らずの犠牲であった。


「ブランケット軍に動揺も焦りも見えん。なかなか鍛えているではないか。さて、前進をして牽制をしよう。ブース軍は攻撃を開始したな」

「はっ!」

「ブースが撃破するようなら合わせていく。スペンサー軍ならまだ勝機もあろうよ。これなら逆に……いや、公爵家を視界に収めておかねばならんな。まずは好機が訪れるまで待つとしようか」





「ブース軍!我が軍前衛と衝突!」

「突破を狙うか?」

「いえ、探り探りのようです」

「よし、シャーリーに動くように伝令を、いやもう動いてるだろうが……」


 さて、俺達の仕事はとにかく粘ることだ。ブランケットが抜かれなかった時点で安定したようなものだ。

 相手は圧制者ブース、占領地で過酷な統治をする男だ。政務官として重用されていたがデルスクとの戦争で急に軍人としての才能が開花したタイプ。

 ハッキリ言うが数で負けているし、盗賊と獣狩りの私と比べると差は大きい。

 6000でどこまで耐えられるかだな。


「ブース軍!半包囲にでます!我が軍右翼を包むように移動中!」

「慌てさせるな、もし半包囲が成功したらシャーリーかアンが背後から敵を突くだけだ。冷静に対応すれば引く」


 と言っても受け流して黙っているわけにはいかないのが先生というものだ。

 やれやれだな。エリーのやつはうまくやっているじゃないか。






「クラーク将軍、こちらを挑発しています」

「ダンスの誘いがヘタだね。ボクはそんな誘いは嫌いだな」


 スペンサー軍が攻撃されているがあれは膠着だろうね。300人ぐらい犠牲が出たら撤退だろうなぁ。マッセマー商会護衛部隊が移動を開始してるとこを見ても。

 ここで攻めてくるということはやっぱりそういうことなんだろうなぁ。


「ブース軍をつくように見せて、見せるだけ決して前から目をそらさずにいること。いいね?」

「はっ!かしこまりました!」




 ブース軍とスペンサー軍は多少の戦闘をしたもののマッセマー商会護衛部隊が周辺まで来たことにより撤退。互いにスペンサー軍は300、ブース軍は200の犠牲を出した。


 クラーク軍はマルバッハ軍に攻めることはなかったが互いに牽制をしつつ隙を伺い続けた。布陣は少し変わりスペンサー軍とマッセマー商会護衛の間の後ろにアレクサンダー軍が布陣して隙を伺う。


「厄介なことだな。ここから公爵軍を狙えばアルベマー弓兵隊の餌食になる。さてどうなるか?ブランケットの守りは硬い、マルバッハを押せば後ろからレズリーの斬首戦術とバルカレス重装歩兵がくるな。そして公爵軍は座して動かない。あちらが遊撃か……」

「そう甘くはありませんでした」

「だが攻めて来ないということはそう言うことではないかと……」


 …………注力すべきだ。増援到着で手に負えなくなるのであればここで全力で攻めるべきだ。もとよりそれだが……。


「犠牲は大きいがブース将軍はアレクサンダー軍を、マッセマーとスペンサーに挟まれるがあれは後方で指揮していると見える。少しでいいから動揺を」

「精鋭を選抜して送りましょう」

「同じくクラーク将軍はレズリーがどちらに動くかで決めて欲しい。マルバッハとブランケットの後方にいるバルカレスを突くか、レズリーを突くかを」

「どちらにせよその2家なら名誉なことですな」


 それだけ手強いと言うのによく言える。頼もしい。

ローズ「左翼前進、右翼前進、隙あらば食いつく」

クラーク「誘っているな?隙を見せれば食いついてやるぞ」


ジーナ「あっちは牽制、こっちはシャーリーの増援待ち」

クラーク「兵力差はあるが強襲撃破をするまで墓はまだわからんな、後ろのアレクサンダー女伯爵軍が不気味だ」

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