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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王太女就任ですわー!

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ワタクシが王太女ですわー!

 さて、処理に困ったゴミを引き取ってくれる業者も見つかったことですし前向きにいきましょうか!


「あ、第2王子もこの始末だともう詰んでますしいります?」

「確かに顔も何も気にしないけどそれにしても心が汚すぎるねぇ、それに下手くそだって娼館で有名だよ」


 ボロクソじゃないですの……。

 ブタン子爵夫人から拒否される男なんていましたの?貧民だってお構いなしなのに。


「地位が高くて下手くそな生意気な人を導いてみたいと思いませんの?」

「いや、でも結婚するからね。あたしは浮気はしたことないよ」


 ……そう言えばそうでしたわね。ただ単にすぐ死んでるだけで。


「じゃ、次の旦那候補でいかがですの?」

「人の旦那殺すんじゃないよ!まぁ候補はリスト化してるから別にいいけどね」


 もう結婚してしまいましたわ。


「今……籍は空いてますのよね?」

「だから来たんだろ?いたらこんな辛気臭い場所来ないよ。……昨日亡くなったばかりでね、朝起きたら心筋梗塞だかなんだか」

「あら?たしかご結婚されたのは5月くらい……」

「そいつは3日で死んだよ」

「……ご愁傷さまですわ」

「いや、何人か狙ってたんだけどね。まぁ新しい旦那さまは変わり者らしいから頑張るさ」

「頑張ってくださいまし」


 知りませんわワタクシは……。

 さて、バルコニーに行きましょうか。


「独身貴族狙ってたんだけどまぁいいか、ジャックの小僧とか」


 めちゃくちゃ危ないじゃないですの……。




 そんなこんなでバルコニーですわ。

 何人かブタン子爵夫人の夫候補を見繕いましたけど……たぶん大丈夫ですわ。

 というか本人ですらどうせ持たないと思ってるじゃないですの。


 庭園に集まった……増えてますわね。

 ま、いいか……。平民が多いですわね……。

 またスパイが一発ぶっ放してくれないかしら?いやあれは身内のヤラセですけども。


「皆様……私は帰ってまいりました!」


 そう言えば拍手喝采、何しても盛り上がるみたいに感じますわね。


「王太女、エリーゼ・ライヒベルクとして!」

「「「「「万歳!」」」」」

「新たな国家に!」


 まだですわよ!?新国家に今すぐなる気満々じゃないですの!


「まともな王太女に!」

「偉大な新国王陛下に!」


 平民のサクラ……?流石にサクラですわよね?


「踏み倒された馬鹿王子のお金を返してください!」

「お願いいたします!」


 あの馬鹿踏み倒してるじゃないですの!払ったんじゃないですの!別行動の時に踏み倒したの!本当にあいつの側近たちは揃いも揃って使えない……!


「馬鹿王子に支払わせます!」

「助かった……」

「エリーゼ王太女万歳!」


 出だしでコケてますわよ就任演説……。どこまでも足を引っ張りますわね……。

 やっぱりとっとと殺すか……?


「今より停滞した国家は再び動き始めましょう!踏み倒された金銭が返ってくるように!民衆が疲弊し、悪徳貴族が蔓延ったこの王国を1年でここまで持ってきました、私は続けます!止まらず国家の悪を駆逐します!」


 まぁ具体的にやることは減税くらいなんですけどね。

 中央集権化もそうですけど、とにかく減税一択……まず減税が人気取りではなく本当に必須なんだと聞けばどれほど状況が危険なことか。

 シャーリーに言わせればこらアカンってやつですわ。


「重税を課すことは国家の危機のみ!しかるに今の国家の危機はサミュエル王家にある!よって重税の必要はないのです!適切な税をかけている領地貴族ではなく私利私欲と、王家への歓心を買うためだけに重税にした貴族を残らず駆逐しましょう!」


 まぁ大体王家派閥だからとっとと取潰してしまえばそれでいいでしょう。

 中央集権化の邪魔なのは……仲違いさせようとしている王家そのものなのですからね。実際今の王国の税収を考えると結構ヒドイもんですわ。

 小さい貴族ほどカツカツ。領兵すらまともに維持できないほど苦境にある貴族もいる始末。

 王家が定める以外の税と税率は廃止。これで首根っこ掴んでおきましょう。


「連中は国家を売り飛ばした!東部国境貴族は特に醜悪で……ロバツを引き入れた!そう!今まさにロバツは王国東部を侵攻中です!」


 困惑してますわね、まぁそれはそうでしょう。


「宣戦布告はない!これはロバツが法を遵守する気がないことに他なりません!よってワタクシはロバツ、及び同盟国オーランデルクの人民を財産没収の上追放処分とします!抵抗するもの、及び売国奴とつながりのある場合は容赦なく処断します!裁判無しで動かねばこの国際的な取り決めすら無視した侵略には対抗できません!各大使館には通達を行っていますのでいささか騒がしいですがご安心を!敵を殺しているだけです!敵なのです!」


 平民であろうが武装している軍人であろうが貴族であろうが敵だと刷り込めば案外あっさりと人というものは犠牲を許容するものですわ。

 さて、今頃ロバツ大使館も攻撃されている最中でしょう。

 交渉の余地はなくていい、どうせ叩き潰す予定でしたもの。降伏併合以外の選択肢はありませんわ。


「私はここに宣言いたします!ロバツを、オーランデルクに鉄槌を下します!先の戦争では王家が足を引っ張り、完全勝利を逃しました!新しき王朝が、先の戦争で勝利を収めた唯一の軍が!あなた達の敬意と王位を抱くにふさわしいか!とくとご覧ください!」


 ふう、そこそこ盛り上がりましたわね。

 あ、結婚式忘れてた。


「それと、今日この日に婚姻を結ぶ夫婦を王太女として認めます。戦争で成果が出る前ですのでこれが初公務ですね。2人の未来に幸多からんことを!」


 ジョン?早くでてきなさい。なに誰だみたいな顔してますのこの怪我人?

 誰も説明してないんですの?


「新婦、ブタン子爵夫人。あなたは夫へ愛を誓いますか?」

「誓います。王太女殿下」

「新郎、平民ジョン。あなたは妻へ愛を誓いますか?」

「…………えっ?」

「誓いますか?」

「もちろん誓うよな、旦那様?」


 おお、すごい圧ですわ。ワタクシですらこれで迫られたらハイといいますわね。


「え、えー……?」

「ん、そうか……俺の旦那になるよなぁ!結婚する……にゃん!」


 あ、そっちで歩み寄るんですのね……。


「は、はい……」


 押し切りましたわね。さて帰ってきた時には葬儀終わってる可能性のほうが高いですわね。

クラウ・ベス「(よっしゃぁ!勝手に死んだ!)」

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