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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王太女就任ですわー!

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王太子選定会議本戦開始

「無用である!帝国が何だというのか!怨敵はロバツである!デルスク共和国がロバツに負けたところで帝国が何ができるのか!」

「帝国に何もさせないということができます。帝国の継承権を持っているのですから」


 急に激昂した国王にそこまでのことだろうかと思う宰相であったが内情を知るものは少なく。詳しい事情を知るとなれば皆無に近くレズリー経済・財務大臣だけが少しだけ深く知ってる分鼻で笑うだけだった。

 もっとも詳しい事情を知ればレズリー大臣ですらお労しいものを見るようになるだろうが……。


「王太子は!王太子はその地位にふさわしい人間が付かねばならぬ!」

「血筋も功績もエリーゼ・ライヒベルク大公女殿下は万全です。蛮族を降した経験もありますし、若くして取り立てた人材がキサルピナ騎士長です。平民たちも」

「平民がなんというか!知ったことではない!」


 国王が問題発言をしつつも宰相は流して続けた。


「昨今相次ぐ政治的失態の多さに平民が不安を覚えています。このままで無事かと。もう少し言うのであればヴィルヘルム第2王子殿下で大丈夫かということです」

「なんの問題があるのだ!」


 もはや誰もが周知の事実であることすら忘れたらしい国王は叫んでいた。


「王都でここ数年における事件、紹介の出入り禁止、その他の騒ぎ、はっきり言って人望は付きました」

「それがどうした!貴族が支えれば!お前たちが支えればどうにかなる!」

「私ではダメでした、ルーデンドルフ侯爵もダメでした、次は誰が可能なのでしょうか?」

「王家を支えるのが貴族ではないか!」

「支えようがありません」


 まるでこれまでの鬱憤を晴らすかのように宰相はきつい言葉をいい続けた。

 王家の被害当事者であるライヒベルク内務大臣ですらあっけにとられるような言葉の応酬を続け、大臣たちは驚き、あるいは呆れ、観劇を見るかのごとく眺めた。


「多くの貴族は支えるだろう!貴様らは私欲によって王位を簒奪し!いや、売り渡すのか!」

「お聞きしたいのですが……私がエリーゼ・ライヒベルク大公女殿下に国を売ると本当にお考えなのですか?私が?」

「……っ!」


 反公爵派筆頭と目される宰相が国を売るなど一番信じがたいだろうということを匂わせて国王に対してそういうと流石に黙り込んでしまう。


「私はこの国のためになる選択は今やエリーゼ・ライヒベルク大公女殿下しかいないと判断してのことです。私の娘と親しいからと言って私が手加減したことがありましょうか?」


 その問いには当事者の父すら沈黙を守っていた。


「……ないでしょう?」

「貴族は!貴族は支持しない!あのような……頭のおかしい公爵令嬢を誰が支持するというのか!」

「それはヴィルヘルム第2王子にも言えることですが」

「まだ兄が死んで乱心しておるのだ!」

「やらかしはそれ以前からですがね、フリードリヒ殿下が亡くなって乱心したのであれば良い方になると思われますが?」

「とにかく!ありえない!貴族が許さぬ!」

「さようですか……」


 レズリー大臣が立ち上がり発言する。

 ようやくこのくだらん茶番を終わらせられるかと言ったふうに。


「では増やしましょう。有力貴族も参加権があります。一応有力な平民も参加できますが、一致は難しいでしょう」

「おお、アウグスト……」

「法的に問題はありません」


 この時点でライヒベルク内務大臣はこの会議を今後開催させない方にしたのだと思った。

 時間の無駄であり、わざわざ娘を王太女に祭り上げようとしたのも馬鹿な王子と無能な国王を黙らせるための判断だと。


「ではお呼びしましょう」

「いや、次回で良い!」

「いえ、それは国王陛下が決めることではありません。宰相閣下?」

「呼んでくれ」

「どれだけ時間がかかるか、そのような……いないものだっているだろう!」


 国王の叫びを無視したように宰相は扉を開けた。


「ルーデンドルフ侯爵、皆様がお待ちです」

「ありがとう、宰相閣下」


 教育係のことがあって以降、不仲な二人が相まみえたことに国王はどう思ったのだろうか?

 ハメられたと思うか、それほどまでにまずい状況になっていたと思うか。

 少なくともそこまで無能であるなら自分の子供だろうと思ったのは確かであった。

 すがるものがないのは不幸であった。


「ゲルラッハ伯爵、どうぞ。シュテッチ子爵もどうぞ中に……椅子が足りませんが」

「いや、結構。普段は座っているのでこれくらい立たねば……ダイエットにもなるしな」

「ええ、書類仕事の分だけ座る時間も増えますから」


 次々と部屋に入る貴族を見て事情を知らぬ大臣たちも慌て始めた。

 エリーゼ嬢と宰相はどこまでやるつもりだ?と。


「お久しぶりですブタン子爵夫人」

「あんたも偉くなったね、ロサス。若い内にもっとかわいがってあげればよかった」


 舌なめずりする120キロの巨大な女性を見て一部は震え、目を逸らし、付き合いのある貴族は平然としていた。

 余談だがその巨体のせいで庭園の集合に間に合わず、貴族が会議に招かれるのを待つ部屋に直通できたため待っていた人間を恐怖させていた。

 一部においては苦い思い出を蘇らせる人物でもある。ちなみにリッパー男爵は気配を消して端にいた。

ゲーム版ブタン子爵夫人

個別のグッドエンド以外で中のいい男は夫にされる。

場合によってはヴィルヘルムも婚約破棄後夫にされる。

確定で夫になると死ぬ。

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