表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王太女就任ですわー!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

378/561

結果良ければすべてよし!

 さすがに庭園もうるさくなりますわね、眼の前で暗殺未遂じゃ。

 まぁうまく逃げるでしょ……。


 と思ったけどそもそもグルですしね。

 ああ、これを利用してオーランデルクと繋がってる貴族をぶっ潰すのね。そうよねクラウ?


「…………」


 どっちだよ。


「王太女殿下、こちらが王家の短剣ですご精査ください」


 リューネブルク典礼大臣が短剣を持ってきましたけど……。

 いや、見てもわかんないんですけどね。紋章は入ってますわね。


「言い淀んでいたところを見るに……元グリンド侯爵子息はこの短剣で王太女殿下暗殺を命じられたのではないでしょうか?」


 まぁ多分ないですわね。その覚悟があるならもっと方法があったでしょうし。

 そもそもそんな失敗前提のこと命じられて従うようなやつがまだ生きてられるわけ無いですわ。

 そもそも婚約自体があの事件より前に破談になっていたでしょう。

 ギリギリセーフより少し上だから残っていただけなんですから。


「可能性はありますわね、後で詳しく聞かねばならないでしょう」


 まぁ多分頭に血が上ったかドン引きしたクラウが何持ってても対処できるからどうでもいいと思って流したんでしょうけど。

 普通は持たせませんものね、こんなものは。

 普通じゃない相手ですけども。


「皆様落ち着いてください!彼は暗殺に無力であっただけのこと。貴族というものは自分の身を守れて始めてその地位にふさわしいというものでしょう」


 よく考えたらいまのこいつは平民でしたわね……。

 ま、まぁ元貴族なんだし通るでしょ。


「今回のことは私達、このバルコニーにいる貴族の思いが、現状が真実であるからこそ!このような暴挙に出たのは確かに王家がこの事実を肯定したことにほかなりません。何度でも言いましょうサミュエル王国は滅びるべきであると!真実に対し暗殺を働くのが王家のやり方であると平民の皆さまも知っていただけたことでしょう!」


 まぁ別に王家の専売特許じゃないですけど。

 なんならワタクシもやってましたし、そもそもそこでジョンを治療してるのが稀代の暗殺者ですしね。

 というかそもそも先程公爵家が先代国王を暗殺したって言いましたけど。

 まぁこれだけ混乱してれば押し切れるでしょう。いちばん大事なのは平民を納得させること。


「私は王太女になりこの国を正す!皆様に見ていただきたい、私を信任してください!私は最も偉大な王となり、この国を今より良き国家にしてみせましょう!たとえ簒奪と罵られても腐る国を私利私欲で見守るような連中とは違うと!」


 平民意見力をもたせることはできない、だが声が届くと思わせることができれば爆発は、暴発は送らせることができる。

 その間にすべて片付ける。

 ワタクシが国内改革をするのは想定外であっても蛮族でつ使ったものはまだ応用が効く。

 新聞網をせめて国内に、新聞投書で不正を密告させる。

 主要新聞に公爵家の息がかかった人間を配置する。

 少なくとも嘘であれば罰してしまえばどうとでもなる。


 ワタクシが作った新聞社たちですわよ!いくらでも制御が効く!

 言ったではありませんの!暗殺は日常茶飯事だと!

 どれだけ秘密を暴いても国益に反すれば死ぬことくらいは覚えてくれればいいんですわ。

 秘密協定の暴露とかしようものなら殺すくらいはわかってくれればそれでいいんですの。


「ワタクシは必ずこのバルコニーに正式な王太女として戻ってきましょう!そしてその時こそ!このサミュエル王国がライヒベルク王国として、そしていずれは……」


 あ、もう一人いましたわね。あんなところに暗殺者が。

 いや、暗殺未遂者が。


 東屋は流石にガバガバじゃありません?いくらなんでも……。

 いや、別にいいんですけど……。

 どうせ死なないしそこまでこだわらくていいやっての一番萎えますわよ。

 見てる側も萎えますわよ?


「いずれはこの私が!この私がすべての頂点、いいえ!トップに立ちましょう!平和を!繁栄を!すべての厄災を跳ね除けて……」


 決定的な一言を言わせまいかとするように暗殺未遂者が矢を放つ。

 その程度なら楽勝で躱せますわね。

 え、ア”ア”ー!立ち位置が変わってるから避けたらララに当たる!この場で平民のララにあたったらまずい!平民を盾にしたと思われる!


 ああ!もう!

 短剣を引き抜き矢を折り落とす。

 全く面倒なことさせますわね!クラウ!


「…………」


 何引いてるんですの!この程度あなただってできるでしょう!


「これが王家の答えです!口を封じ、なかったことにする!許されざる行為です。このように人前であっても平気で暴挙に出るからこそ信を失ったのです!私が新たな王朝を立てます!これより始まる王太子選定会議のち、ワタクシがトップに立つのですわ!」


 流石に茶番暗殺すぎて厳しいか?厳しいか……?


「王太女殿下万歳!」


 よし!平民は乗ってくれましたわね!


「王太女殿下万歳!」


 えっ?ララも?なんで?平民だから?


「王太女殿下万歳!レズリー伯爵家クラウディアがこの後の王太女就任をお祝いいたします!」

「リッパー男爵家当主ジャック!同じくお祝い申し上げます!」

「バンサ伯爵当主ピア!同じく御礼申し上げます!」


 なんかゴールが同じだからいいか、うん。決して問題があったわけではないんですわ、そうですよねクラウ?

 目をそらすな!クラウ!


「ありがとうございます!今日は歴史書に新たな記録が載るでしょう。我々の勝利が!」


 そっとララから渡される何か。

 なんですのこれ?


「ご注文の御品です」

「あら、ありがとう。ララさん」


 さーてどれどれ……。

 ああ、なんと素晴らしい……。

 これ以上の芸術品は存在しえませんわね。

平民「(矢を短剣で落とした……?)」

貴族「(矢を短剣で落とした……?)」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ