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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王太女就任ですわー!

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なんでそんなことやってるの……

「ご推察の通りです。去年のあの事故からあの馬鹿者が王太子候補になった際に色々ありましてね」

「色々、ですか……?」


 私の声は、一瞬おや?という空気をまとったが霧散した。

 それは知っていて当然の話を知らないのか?というようなものであったが、知らなかいだろうとすぐに得心がいったような……糸を張ったと思ったらすぐに撓んだような、そんな感じだった。


「ええ、色々と……婚約の顔合わせで。これ以上早めておきましょうか。口に出すのもおぞましい」

「女性をバカにしている。我が家がアレを見限るきっかけの一つですわね」

「ええと…………上に立つにはふさわしいとは思えませんね。立件されたら私でも勝てると思いますが……まぁ……そんな感じです」


 歯切れ悪っ!


 え?なんかやらかしてたの?いや、評判は悪いとは聞いてたけど……。

 たしかに食事や買物の後で王宮に請求しろとか、私を知っているだろう?とかその場で支払わないこともあったけど。お付きの人がよく支払ってたしね。

 あ、王宮に平民が請求できないとか?ゲームでも身分うるさかったしね。

 リーゼロッテも身分で公爵令嬢一派に入れられてなんかあって殺されたか、退校にされたか、追放されたかで消えてるし。その御蔭で断罪で勝ったんだけど。

 なんでいないんだろう?リーゼロッテ。近衛騎士団が粛清されたとかの影響かしら?なんか繋がりあったのかな?近衛騎士の家の従士とか使用人とかの娘だったとか。そうだとしたら幸運なのかしら?それとも悲惨なのかしら?

 リーゼロッテは公爵派閥で何の仕事してたんだっけ?情報収集?


 ……じゃあ高感度チェックやらなにやら万能できるローズいるならそりゃいなくても困らないわね。

 むしろ、上位互換じゃない?平民のリーゼロッテより貴族のほうがいろいろやりようがあるでしょ。

 あれ?じゃあ……強くない?


 つまり……エリーゼはゲームの主人公状態ってこと……?

 はい終わった!納品して屈する一択!やっぱこれ以外に方法ないわね!私のときめかないメモリアルはここで終了!

 爆弾どころか出会いもないなんて想定外もいいとこよね。むしろ私が爆弾だったまであるわ。とんでもないガールズサイドもあったものよね。


 うーん、でも流石に王子がたかだか下町の食堂の食事代金踏み倒さないでしょ、王家からしたら端金どころか3時のお茶会のお菓子より安いでしょ。

 いやよ、そんなけちくさいの。有名人が小切手の裏にサイン書いて使わせず飾らせるみたいなほうがよっぽどスマートね。

 その後色紙にサインお願いして結局引き落とされるまでのオチ含めれば完璧よね。


「ララさんは一緒に行動してたからそこまで細かい話は入ってきてませんよ、そうでしょう。キャス」

「…………そこで言う勇気がある人間はいないでしょう。いいたくはありませんが平民に平民が王子の悪口を言ってもしそれを密告でもされたら……ねぇ?」


 あ、そこは封建国家的で絶対君主的なんだ。

 貴族にはこんなに愚弄されてるのに。ご都合主義的なもんだと持ってたけど平民が舐めたら殺すって八つ当たりみたいな……。

 いや、本人の耳に入る言い方の時点で相手もアホだわね。


「そ、そうですか……」

「それに……ね?」

「とてもいえませんわ。淑女があのようなこと。私は……」


 すっごくまずいのは確かね。うん、泥舟から抜け出せるかどうかは私のセーター次第か。

 芸は身を助けるとはよく言ったものね。


「ま、良いでしょう。一応聞いていますがララ、あなた王子の子は身ごもっていませんよね?」

「え?はい。清い体ですけど」


 婚前交渉は流石にまずいでしょ。まぁ迫られなかったけど。

 まぁ別にそうなったらそうなったで良かったけど関係持ったら危なかったわね。


「え?本当に、本当ですか!?ララさん」

「え、ええ……」

「え?体を許さなかったということですのよね?」

「他になにかあるのでしょうか?」

「接吻も?」

「はい、抱擁とかはありましたけど」


 まぁそれくらいゲームでもやってたしね。完全フラグが立つ前にキスとかしたら好感度下がりそうだし。

 公爵令嬢断罪決定後とかじゃないと流石に無理だろうなぁって……。

 それに最初っから確定したらハーレムルートいけないし。これが主な理由だけどさ。


「…………そういうものですの?」

「……さぁ?エリーに聞いてください」

「恐れ多くて聞けませんし、そもそもなぜ王太女殿下に?」


 それはそう……。聞けないでしょ。


「平民の事情に精通してるところがありますからねご存知でしょう?ほら、劇場の……」

「あ、ああ平民の劇場での無料劇は王太女殿下の発案ですね」

「正確にはエリー個人が平民からいい役者を求めるために身銭を切って……」

「あ、それ王子とお出かけした際に見ました。書き下ろし脚本の『友との日々』って劇を見ましたよ。主人公の親友役の女優さんがとっても綺麗でした」

「ああ、エリーですね」

「「「「え?」」」」


 なんで公爵令嬢が平民の劇で重要な役をやってるの?


「舞台に立ちたがる性分なんですよ。あの役をできるのは自分だけだと言ってたから全部の公演でエリーがやってますよ。私も数公演だけ友人の一人役ででてましたよ」

「どの友人ですか?」

「…………融通の効かない」

「ああ、あの棒読みの」

「…………ということは私が舞台に立ってたときですね。私以外は演技が上手い方が担当してるので」

「あっ……あの……すみません……」

「良いんですよ、私の演技が下手なのはみんなが言ってるのでわかっています、わかっていますとも」


 地雷踏んじゃった……。

ゲーム版

エリー「なんでこんなにこちらの動きを把握されてるのかしらね?」

アーデルハイド「さぁ?(まぁうまいとこ落とし所があればなぁなぁにできるでしょ)」


ローズ「ふーん……この人はレズリー伯爵家の人間でこの事の担当だから公爵派閥はそっちで動くのかな?」


クラウ「(読まれている?しかし行動に出ない、確認だけ?介入がないのならいけるんじゃないか)」


ハーレムエンド

アーデルハイド「畜生!」

ローズ「えっ?ああ……まぁ……うん……」

クラウ「(本当に介入はしてこなかったな……)」

エリー「はい勝ち!ワタクシの勝ち1」

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