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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王太女就任ですわー!

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配役を決めましょう

「さーてと、パド家令?お客様をご案内して差し上げてくださるかしら?」

「え?」

「物理的に不可能っす……です」


 もう取り繕わなくてもいいと思いますけど?先程もその口調でしたし。

 気を抜いていますわね。いや?逆かしら?気を引き締めているからこそかもしれないわね。


「ピアを働かせるわけにはいかず、パド家令一人では仕事ができません」

「おお、ひどい。廃墟の離宮でももう少し管理人以外の人材はいますわよ」

「エリーが掃除したのが原因ですね」

「ではアンの軍に案内をさせましょう、どうせ皆様いる場所は決まっているのでしょう?」

「ジーナとシャーリーがうまくやっています」

「ではパド家令は入口でさもワタクシについたように挨拶でもしておけばいいですわ」

「かしこまりました……王太女殿下」


 さて、と……とりあえずバルコニーは有力者で固める必要がありますわね。

 ワタクシ達全員に……ジーナ……間に合うのかしら?会議始まらない?


「会議いつでしたっけ?もうやってますの?」

「1時間後っすね、まだ来てない人もいるっすよ。めんどくさいから」

「じゃ、バルコニーに……国王は?」

「部屋にいるっすよ」

「広場は?」

「国王の部屋は逆側だから見えないっすよ、人が見える場所に部屋を置かないのが王っす」

「人も見ないから己を顧みることも出来ないんでしょうね」

「ちなみにエリーは部屋からは人が見えるんっすか?」

「人は部屋で見るものではありませんわ、外でお茶しながら自然な姿を見るものです」

「いやらしい特権階級っぽさがでてるっすね」


 人間観察は縁者にとって必須の技能ですわよ?

 貴族でも必要でしょ?人を見る目は養ってなんぼですわ。生の演技も見れるし、サンドイッチのハムの少なさにキレるおじさまたちも舞台に立った時に非常に役に立ちますからね。


「さて、バカ王子は?」

「出れないっすよ」


 問題なし、監視もしっかりやってますわね。


「暴発しそうな連中は?」

「近衛が処理する予定っす。広場から遠ざけさせますか?」

「むしろ見せしめに殺してもいいですわね、罪状は?」

「あるっすよ、むしろない人間が出たときのほうが困るっす」


 と言ってもそこまで愚かであるとは思えない。仕込むか?

 いや、演技もわざとらしければわざとらしいほど興が冷めるもの。

 誰か……。


「男装令嬢語尾フェチ巨乳好きは?」

「殺すっすか?」


 判断が早いですわね。どれだけ殺したいんですの?そりゃ気持ち悪いですけど、キモイですけど、正直ドン引きですけど。


「むしろバルコニーで目立つ登場させてやったほうが良いでしょう。一度敵対した人間が平民になってなお頭を垂れるのは劇的だと思いませんこと?」

「もう少し優秀な人材だったらそうっすね」

「モレル伯爵は立たせるべきかしら?」

「知名度的にもいらないでしょう。必要なのはレズリー家、リッパー家、バンサ家。あとはいつものメンバーで十分だと思うっすけど」


 うーんなんか足りませんわね。


「モレル伯爵って平民から評判が良かったのですのよね?」

「良いっすね、貴族医者としては……むしろエリーに入ってないんすか?」

「蛮族の治療なら情報として入ってますわよ、本人が言ってましたし裏取りで確認はしましたわよ?」

「蛮族の支持はそもそもエリーには不要でしょう?もうあるという意味で」

「貴族医者で平民の支持ならそれこそリッパー男爵がいるっすよ」


 うーん、そうですわねぇ……。


「そもそもエリーも平民の支持は高いじゃないっすか。モレル伯爵の貴族としての重用ならべつにそこまでする必要はないっす」


 そうですわね、地位で十分ではありますし。大臣にするには能力が難しい。補佐なら出来そうですけども


「ま、そうですわね。さて、では誰を立たせますか」

「ルーデンドルフ侯爵令嬢、ゲルラッハ伯爵令嬢、シュテッチ子爵令嬢は呼んだほうが良いっすね。シュテッチ子爵令嬢を呼べば2人の心象もいいでしょうし」

「アレクシアもロゼリーもエローズも皆様ワタクシのお友達ですわ。あとローズは必須」

「それはもちろんっすね、下級貴族の取りまとめに尽力してたので呼ばない選択肢はないっす。ウチにくれないっすか?」

「人身売買はやってなくってよ?」

「ま、手放さないとは思ってたっすよ。我が家でも手放さないっす」

「あそこまで情報を仕入れるのが上手い貴族がいるとは思わなかったですわね、マルバッハ男爵家は別に名家に連なるわけでもなんでもないのですわよね?」

「前調べた通りっす。普通の領地貴族っすよ」

「宮廷貴族の能力を持ち領地貴族で数に優る盗賊刈りもできる、なかなか優秀な方がいたものですわね」

「上が腐ったら下も一蓮托生っすからね、一緒に腐るより爪を研いで備えていた方が良いに決まってるっす」

「どっちにしろ優秀ですわね」

「あるいは……」

「あるいは?」

「領民に近いからきな臭いものを感じていたんだと思うっすけどね。なんとなくだとしても……エリーと同じ判断ができるってことっす」

「そうだとしたら世の中はやはり広いですわね。敵を倒すのに弓も剣もいらぬ、ただ言葉一つあれば良いとよく言いますけど。その前段階のほうが大変ですからね、そうでしょう?クラウ」


 壊れる場所に近い人間のほうが現状をよく知るというものですわね。


「男爵家に負けたと見るべきかローズに負けたと見るべきか」

「下級貴族の噂の精査なんてレズリーの得意分野かと言われるとどうなんですの?」

「地位が高いと難しいっすね、羽振りの良い男爵家とかならともかく」

「実に適任ですわね、リッパー男爵家も元はそのことのために低い地位だったのかも知れませんけどね」

「なら王宮部署監督官なんてでかい看板いらないっすよ」

「なら判断ミスかその力を王家が恐れたんでしょう」


 制御できる器がないのでしょうけど。

ローズ「くしゅん!」

キャス「風邪?今は寒暖差がありますからね」

ローズ「いえ、ゴミでも入ったのでしょう」

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