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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王太女就任ですわー!

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やーってやりますわー!

「もっと早くできますか?」

「馬車を……いえ馬を一頭お借りしたい、外で名義を」

「レズリーの名前を出して置けばいいでしょう。後はなんとでもします」

「では……パドを待ちましょうか」


 ワタクシの存在忘れられてませんか?ここにいますわよ?おーい、ここ!ここですわ!


 ワタクシの心情も存在も忘れたのかパド家令が帰ってくるまでの僅かな間2人は見つめあっていましたわ。静まり返ったみたいですわね。

 眼と眼があっても恋でもなんでもないのはそれはそれで面白くもないですわね。


「終わったのか……?」


 戻ってきたパド家令の第一声はそれ。


「ああ、終わったよ」


 返答はこれ。通じ合ってる感がすごいですわね。意味通じるのか疑問ですけど。


「それで?」

「王家は終わりだ。私はライヒベルク公爵家に……レズリー伯爵家に降った。君が戦うのなら私は一番最初に立ちはだかるだろう」

「お前もか……!?」

「そうだとも、私は心の底から納得してこちらにつく。庇護に下ると言ったほうが良かろう。私はその証を立てねばならないのだ、少し外す。30分ほどな」

「まさか!国王陛下を……」

「無用だ、わざわざそんなことしなくてもどうせ終わる。こちらにおわすのは王太女エリーゼ・ライヒベルク殿下だ。諦めよ」

「王太女……だと……?」

「御三家はエリーゼ・ライヒベルク公爵令嬢の王太女就任を認め推薦する」

「…………それはお前の本心か?」

「本心だ、友人を殺させてくれるな」

「………………本当にダメなのだな?」

「本当にダメだ」

「ここまでか……」

「自裁するか?見届けよう」

「残念だがそこまでの恩はない。無職になるのが寂しいだけだ」

「ワタクシに敵対しなければ据え置きですわ。王家家令はワタクシがその地位につくのですからもちろんかありますけど。お給料は上げて差し上げますわ」

「それはそれは……下り甲斐がありますな」


 嬉しそうではないあたりは複雑な心境なのでしょうね。かといって交渉するものはなにもない。


「ではリッパー男爵、30分で狩ってきなさい」

「はい、クラウディア嬢」

「パド家令、ピア様を大広間にご案内して差し上げて」

「はい……クラウディア嬢……」


 ワタクシ消えました?あら?おかしいですわね?ワタクシが実はクラウのおまけだったりします?ワタクシはサブキャラでしたっけ?

 おーい、お元気ですか?ワタクシはここにいますわよ?ヘーイ!パス!何をパスするかわからないですけどパス!


「さ、エリー。大広間で集まった人に演説してほしいっす」

「あなた、ワタクシが見えますの?」

「何いってんすか?」

「ワタクシ、存在ごと消えたと思ってました」

「エリーが消える?エリーは消そうと思って消せるものじゃないっすよ」

「……たとえば?」

「頑固な油汚れみたいな、いやこうオーラというか……アレ、ほらアレ……偉大な人物は輝いて見えるじゃないっすか」

「たしかに油汚れも頑固で輝いてますしね……」

「敵にとっては偉大すぎて油汚れと区別つかないんっすよ。向こうは芽が腐ってるから偉大さと油汚れの違いがわからないっす」


 なるほど、たしかに連中はセンスがないですからね。

 そんな連中にも偉大な人物と見せてこその一流、ワタクシの努力が足りませんでしたわね。


「問題ありませんわ、あまねく人々全てにワタクシの偉大さを見せつけて差し上げましょう!これが貴族としての責務、人々を救うと決めたのなら敵以外はすべて救う気持ちでやらないと帰ってくたびれてしまいますわ!」

「よっ!公爵令嬢」


 ふふん、ワタクシの腕を見せて差し上げますわ。


「二人もほら早くして」

「「え?」」

「早く!時間がないんだから!」

「す、素晴らしいです」

「偉大なる我らが王太女様、素晴らしいです」

「そうでしょう!これからの新たな王国見せて差し上げますわ。手始めに反公爵派閥は全員追放、ロバツ懲罰戦争、どーんとやってやりますわ!」

「え?ロバツと戦争?」

「反公爵派閥追放?」

「お二方も活躍次第ではどーんどん取り立てますわ、見せてくださいまし!」

「私もう上がりなんですが……」

「家を残してくれればそれで」


 なんですの、覇気も野望もない。ちょっとワタクシのお祖父様より上かな?くらいの年でしょうに。

 お祖父様なんて今でも前向きに向上心を持って行きてますわよ!この前はどこぞの公国で決闘をして相手の男爵を斬り殺して慰謝料と利権をもぎ取ってきてましたわ!

 老いてなおというでしょう?


「偉大なる一歩に立ち会えることを光栄に思うがいいですわー!」

「はい、復唱。流石ですエリー!」

「流石ですエリーゼ王太女!」

「流石です王太女殿下!」


 なんか気分が良くなってきましたわ!よし派手にやりますわよ!


「騎士団は!」

「配置警備全て近衛騎士団と協力の元で封鎖閉鎖完了済みっす」

「アンの軍は!」

「制圧済み、手すきです」

「もう皆様集まっていますの?」

「いいえ、それぞれが別の場所で待機中です」

「派手にやりますわよ!王城広場に変更!平民を招きなさい!一度あることは二度ありますわ!」

「え?王城広場っすか?」

「バルコニーを抑えなさい!」

「抑えてはあるっすけど」

「いざゆかん、栄光の道へと!さ、バルコニーへ!皆さまを広場へ!」


 気分がいいから派手にやりますわよー!

クラウ「しらね」

ジャック・パド「……」

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