ぶっちゃけ面倒くさいからですわ
「疑惑さえあればそれで良し……と?」
「証明しようと思えばたしかにすべてをひっくり返して確率を高めることは可能だと思いますわ。でも……こんなこと髪色だけで十分でしょう?当時のアリバイでも調べようと思えば確かにできるでしょう?記録はあるのですし。まぁ深夜に暗殺者のごとく廊下を走り抜けるよりは隠し部屋や通路がある方がよっぽどそれらしいと思いますけどね、それで?どうします?何なら隠し部屋を探してみるのもありですわね。いかが?」
ぶっちゃけ疑惑さえあればもう詰んでるからどうでもいいですわ。
確かに限りなく黒に見せればより強固になりますけど付け入る隙を与えますからね、たとえば継承権がないはずのオーランデルクのクソバカ共とかが正当なる血筋とかなんとか行って介入してくることは目に見えてますもの。
あのバカどもは潰すとして、ワタクシの計画では今すぐやるにはちょっと面倒くさいんですの。まずはロバツを叩く、そしてその後ロバツとつながる証拠を持って正当に滅ぼす。
まずバカ王子ではなくワタクシが王位継承の筆頭になった時点で介入のしようもないから文句をいうほどの覚悟はないでしょうけど、バカ王子が不義の子として継承権が剥奪された場合は現国王との関係上絶対に口を出す。実際リッパー男爵家にも王家の血は入ってはいますけど直接だとだいぶ遡るはずですし、バンサ伯爵家基準でもそこそこ遡るから血筋的に王族は名乗れないでしょう、さすがに。
公爵家はそもそも王家が絶えれば継ぐ家、何の問題もありませんわ。候補者が精神病とか乱心してるとかは大昔はよくありましたしね、近親婚はダメですわね。
そこから王位を譲らなかったので子どもさえ作れればどうとでもなるとも言えますわ、精神に問題があっても女官にお手つきはできるんですのね。
まぁそれで他の公爵家が欲目を出したせいで我が家以外の公爵家は消え去っていったんですけど。
まぁ、あくまで血筋上有力な候補者2人から選んだという事実。この事実は欠点があった、そもそも候補者ですらなかったから一人しか選べずそうなったとは大きな違いがありますわ。
何と言っても選ばれたのですから、選択肢が一つしかないから繰り上がったわけでもない。たとえ選ばざるを得なかっただけだとしても選ぶまでもなかった繰り上がりとは違うのです。
デルスク共和国風に言うのであれば血筋でのさばる偉大な人物の子孫でしかない人物より選挙で選ばれる優秀な存在の方が良いということですわね。
ま、ロバツの王女相手に負け越してるのを見ると貴族と同じで結局は金と政治的妥協に親、親戚が政治家かどうかであって肩書を変えただけの王国ごっこに過ぎないと思いますけどね。
国民の意見や選ばれたことを盾に腐っているのなら貴族政治よりなお悪いかしら?まぁ、あそこも滅ぼしますわ。ロバツに負けたばかりだから密約はありそうですけど。
せいぜい王国との戦争時に中立、いや……叩きのめしっぷりから見ると援軍になるか物資援助を全面的にさせるかでしょうね。
デルスクの敗戦状況と伝え聞く民意に戦死率を考えると援軍が来たとしても小規模、観戦武官と含めて100人くらいかしら?
一番気をつけないといけないのはあの国王がヤケクソで外患誘致する可能性ですわね、ワタクシが『選ばれた』のであればその対応に取る手段は一つ。外患誘致者の最後はいつだって同じ、貴賤なく同じ道を辿らせて差し上げましょう。
そっちのほうが処理が早いですしね。
仮にオーランデルクが何をしようとある程度は向こうも時間も必要ですし、こちらにもその対応する時間が同じように必要ですからね、せいぜい……滅ぶその瞬間まで手のひらで踊っていただくだけですわ。
むしろロバツより先に攻めてきた場合は陽動だからなお面倒くさいですけども。
「…………詰めるおつもりはないのですね?」
「え?めんどくさい」
「……エリー?」
だって……。もうこれ勝ったでしょう?次の手を考えていたほうが有意義ですわ。
ここからバカ王子の血筋を確定させる手段でもありますの?占いとか?ジキル子息の子どもかどうか占った結果そうですと言ってるからジキル子息の子f共ですわ!って言われたらなるほどってなりますの?
疑惑で勝利、状況的に黒確定、反応的にもう真っ黒じゃありませんこと?
ここから負けることがあるとしたら実は私の子ですとかいい始めないと無理ですわよ?まぁそれでも結局血筋的に終わりだと思いますけど。
実はリッパー男爵家は公爵家だったのですって言われたらちょっと厳しいかもしれませんけども、まぁ一応王家を支える三家だから実は……と言われたらワタクシには証明のしようがないのでクラウに任せますわ。
その場合不義密通の方をつくからどっちに転んでもいいんですけど。
「ではなぜこの話を持ってきたのですか?」
「え?確認ですわ?」
「疑惑の?それとも2王子がジキルの不義密通で生まれたということの?」
「疑惑ですわ、まぁ別にここに来る必要はなく直接会議でいってもよかったんですけどね」
「…………私に何をさせるつもりですか?暗殺?レズリー家のクラウディア嬢の手は汚せませんかな?」
「いや、小物はともかく大物はそれが必要な措置なら最悪ワタクシが殺しに行くから別にそこはいいですわ」
「…………ええと?」
「どうせなら御三家の推薦があったほうがいいじゃないですの。王太女就任には」
IFルート
エリー「ワタクシは石橋を叩いて壊して新しい橋をかけたうえでわたる女!絶対黒確定させてやりますわ!証拠証拠証拠!オラァ!ぐうの音も出ないでしょう」
ジャック「絶対に黒にしようというのなら刺し違えてやるわ!かかってこい!」
クラウ「じゃ、私も参戦するっす」
エリー「これは決闘みたいなものだから介入不要!」
クラウ「…………」
エリー「勝ちましたわ!鉄扇がなければ負けたかもしれませんわね」
ジャック「(鉄扇で頭を砕かれた姿)」
クラウ「えぇ……?医務室でリッパー男爵殺してこの後どうするんっすか?その血まみれの姿で」
エリー「…………細かいところは置いといていきましょう」
帝国皇帝「サミュエル王国でエリーゼが武力革命で女王に??アイツどういう育て方してるんだ」
オーランデルク「正当なる王位を奪還するため東部は連合を組む!帝国にはご協力をお願いしたい」
帝国皇帝「(面倒事増やしやがって)」




