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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王太女就任ですわー!

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なんか地雷に触れたかもしれませんわね

「子供でもですか……つまり王城に上がったときですか。たしか卒業前でしたわよね?」

「ええ、卒業前ですね。在学中もよく髪色を変えてはいましたが」

「それは15より前も染めていたのですわね?クラウ?あなたの知ってる話ではそうだったかしら?」

「いえ、聞いた覚えはありません」

「レズリー家と関係の深いジキル・リッパーはレズリー伯爵ともそれなりの仲だったそうですわ。たしかに髪は染めていたとまぁどうでもいい話ではありましたわね。それで?元の髪色を忘れたらしいですけど染めた時期は覚えていますか?」


 レズリーは知っていると牽制したうえで嘘をつけるか。髪色を変える、カツラにせよ何にせよそこを変えるのは真っ先にやることですからね。

 人は髪色が変わるだけで別人だと思うものですから。

 まぁそもそもレズリー伯爵もジキル・リッパーのことは大して知らないんですけどね。

 どこまでリッパー男爵家の連携が取れてるか、ワタクシの読みではそのへんの細かいやり取りや人間関係は把握してないはずですわ。公爵家のように……。

 仮に言ってるとしてもそれを把握してるのはおそらくリッパー男爵の奥様だけ。

 暗殺者は情報が漏れることを最も恐れるはず。もし否定できるなら人間関係は報告するのにグリゼルダ妃のことは報告しないのかと突ける。

 家と私事は別というのであれば両者の関係は私事ではないと突く、なにせ本当は個人的な付き合いなど存在しないから。

 クラウが乗ってくれて助かりましたわね、さすがですわ。

 問題は仕事で付き合いはあるが絶対に顔を合わせないようにしていたとか行き過ぎた対策を取ってる場合ですけど流石にそれでは目立ちすぎる。もう少し……やりようがあるでしょう。


「15……になったかならないかでしたかね」

「それは現国王陛下の学院卒業後ですわね?たしか……葬儀の後だったかしら?いや前でしたわね」

「葬儀?ああ私の両親ですか。思い出したくもないですね」

「思い出したくもない?」

「母がなくなったら父があっさり死んだのですよ。いや、死を選んだのです。それだけです」


 本当に忌々しそうにぼやくリッパー男爵。

 なんでしょうね?この感じ……。うーん?


「母がいない……妻がいないこの世に未練はないということです。まったく……度し難い、本当に度し難い」


 無責任ですわね……。ある意味純愛かしら?ワタクシの伴侶がそんなことしたらあの世から蹴落として地獄へ落としますけど。そりゃあ腹が立ちますわよね。

 アーデルハイドでも第1王子を蹴落とすんじゃないかしら?いや、一緒に落ちるかしら?読めるようで読めませんわね。喜ぶし怒るのはわかりますけど……。

 まぁあの2人はいいですわ。あの世で仲良くやってくださいまし。


「そんな無責任な人間が派閥調整をやっていたほうがよっぽど恐怖っすよ」

「ええ、まったく……無責任ですよ……。まったく……本当に……」


 どこか羨ましそうに聞こえるのは自分は妻が死んでも投げ出せなかったからか、それともそんな無責任なことはできないからこそ苦しんだからか。どちらでしょうね?


「葬儀の……後だったと思います。兄上も忙しくなって……。ああ、そうでした……翌年に亡くなりましたから」

「ああ、葬儀の後に染めたのですね、そうですか……」


 なるほどね、じゃ……勝ちましたかしら?


「大道芸人オートリカスになった後は楽しそうに王政批判をしてるじゃありませんの」

「……?」

「ワタクシ、アーデルハイドと彼の劇を見ましたの。バンサ伯爵家にあった肖像画と同じですわね。アレはどこだったかしら?ブランケット侯爵領だったかしら?王都だったかしら?いや公爵領だったかもしれませんわね。本当に素晴らしい劇でした。スタンダップも炎の輪くぐりも、アレほど多才な道化師はいないでしょうね」

「それは……」

「ああ、結構ですわ、生きてることは知ってますから」

「そう……ですか……」


 随分とまぁがっかりしてますわね。最後の一手だったのかしら?死んだはずの貴族が秘密を握りしめて復活。これほど恐ろしいことはありませんわ。

 バンサ伯爵生存と長年調停調整役としてって掴んだ各貴族の秘密が最後の一手だったのかしら?まぁその情報も全部ワタクシたちの手の内ですけどね。

 どっちも秘密を握った状態でどちらにつくか、これは大変興味深いですわね。

 利益をばらまくか、それとも人望か、それとも別の何か……王家への忠誠?

 どれをとっても愉快なことになりますわね。

 まず退路を断てたかしら?


「ですが当主復帰はないでしょうね、ええワタクシはピアをバンサ伯爵に推しますから。長年当主の座を放りだした人間磯の刺客はない、たとえリッパー男爵が前バンサ伯爵の指示で動いていたとしても、その指示書があろうとも……別にバンサ伯爵自体がなにかしたわけではないでしょう?その証拠に各貴族は公爵家に降っていったではないですか」


 まぁ降ったのが罠である可能性も十分把握してますけどね。

 オートリカスとして興行を行う傍ら貴族と接触する、これはいい手ですわね。

 ワタクシも使いましょう。

 だから大事な情報は内に秘めて、漏らしていい情報は積極的に刻んでばら撒いているのですわ。どこから漏れたかわかるように。

 まぁ、バンサ伯爵が動いていたのならそこも撹乱するのかもしれませんけどね。


「それに、聞きたいことは聞けましたわ」


 さて、どう出るかしら?

ジャック「(染めたことなんか多分ないはずけど適当に言っておこう)」

エリー「ふーん……」

ジャック「(通った……?)」

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