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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
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絶望のジョン

「それでロバツからどの王女と婚姻をなさるのですか?第1王女のエセル殿下ですか?」

「あっはっはっは!お前にそんな冗談のセンスが有るとはな。もっと早く会っていれば重用してやったぞ」


 あなたに近づかなければ詰むと思ったからですよ。

 安泰だったらわざわざ近寄りませんからね。

 結果的に自分で自分お首を絞めるどころか父や弟の首まで絞めてしまったわけですが。

 最もあの状況で静観を選ぶほど貴族として無能でhないんですが、結果的に無能でしたね。

 せめて公爵家が北方組合をきちんと監督していればあの証拠で少しはダメージを与えられたものを……。


「それではどなたが?第2王女の……」

「違う、余が添い遂げるのはララだ」


 いただろうか?まだお目見えしてない王女?5歳とか?そういう趣味が?


「ララをロバツ王家の養女にして、その後婚姻するのだ」

「ああ、なるほど。公表はされてませんがエセル殿下も婚約者は決まってるかも知れませんしね」

「そもそも余はあのような女は好かん」

「私は人となりは知らないのですが……」


 王族の婚姻を好き嫌いで決められてもな。

 まぁ、野心家だったりすると困るからそのへんはあるのか。

 かなりの武闘派だという噂だが。


「上から目線で気に入らん」


 自己紹介ですかね。

 そもそも敵国が下手にはでないと思いますが……。


「ララとは大違いだ」

「それでそのララ嬢はどなたなのでしょうか?ロバツの貴族ですか?」

「違う、ロバツのような下賤な血は入っておらん」


 そんな事を堂々と言ったらダメでしょうに……。


「ララは我が国の国民だ」

「なるほど」

「毛糸職人の平民だ、学院の生徒でもある」


 は?


 は?


「平民ですか」

「不満か?」

「いいえ、ただあまり知りませんね」


 不満に決まってるだろ!

 ララ?そんな生徒いたか?全く思い出せない?成績優良者は覚えているが……。

 平民がそもそもいたのか?しまった……全く興味を持っていなかった。

 もしくは歯牙にもかけないほど、忘れてしまうほど大したことがなかった。


「美しく、そして優しいのだ……。毛糸職人としての腕は忌々しいがあの公爵令嬢が買い付けるほどだ」


 それエリーゼ嬢のハニートラップなんじゃ……。

 あっ!思い出した!王子が平民街で遊んでたとかいう女!あいつか!

 王都の人間は王子が支払いを踏み倒したり金払いも悪いから側室だって狙ってないのに……よくいるから金で側近貴族から雇われたとか言われてたあいつか!

 いや、どう考えてもハニートラップじゃないですか。

 え、エリーゼ嬢の息がかかった平民の女をロバツの王家の養女にしてそれを娶る?


 なるほど、もう負けていますね。

 どちらに転んでも終わりです、自国の平民を敵国の養女にして婚姻する。

 意味がわかりません、ロバツにはなんの得もない。恩を売っても売り甲斐がないことくらいはわかるでしょうに。

 なんでロバツはこんな馬鹿げた話を受け入れたのか……。

 おそらくララとかいう平民にロバツから女官をつけてスパイし放題にしたり、時を見てララを暗殺して王子が癇癪で殺したなどでっち上げて戦争でもするのか、王子を殺して混乱したところをつくのかでしょう。

 はたしてでっち上げる必要があるのかは疑問ですがね。

 あるいは公爵家が先代国王陛下のように王子を暗殺して、もしくはララにさせてロバツが策謀を働いたと王の地位についてロバツを併呑するか。

 おそらく王子を暗殺したら公爵家に王朝が変わるから殺さない可能性のほうが高いですかね。

 そうなるとロバツが王子の護衛をして公爵家が王子の暗殺を図り合うのですかね。

 馬鹿らしい……。


 ただの第2王子時代なら平民を側室にするくらいならまぁ、許容範囲でしょうが。

 王太子候補になって正室を平民、しかも敵国に養女にした後婚姻するなど……。

 しかも、レズリー伯爵令嬢を側室にするなど国内が混乱することばかりです。

 平民ですよ?王家の養女になっても平民です。

 自ら王太子の座を捨てるような計画を立てたのですか?

 ポート伯爵子息とマルスン子息は……その程度のこともわからないのか?


 貴族の子息として何も足りていない。

 あれと同じ穴の狢になるのか、ノーマンこの計画は君が立てたのか?

 いや、そんなに愚かではない。

 君がいればこの計画の修正もできたはずだ、なぜだ?

 どうして……。


「ノーマンの計画に修正を加えた甲斐があった。生きていればもっと余の役に立てたであろうに。もったいないことをしたわ」

「どのように修正を加えたのですか?」

「蛮族に公爵領を襲わせてロバツ挟み撃ちにするのは変わらん。ただその場合王国軍は少しばかり出遅れて様子を見ることになっていたがな。元々はロバツの王女を娶る計画でな、そこから公爵家を圧迫する予定だったのだ。だがララと婚姻するために国境領土と公爵領の割譲を許してやった。ついでに公爵家が蛮族相手に敗戦したら公爵家の責任追求もしようと思いついてな」


 よくもまぁ……そこまで自分本位で計画を建てられるものだ。

 この男は国家の領土より平民の女を優先したのか……。

 まったく……これならとっとと公爵家に頭を垂れておくべきだった。

 父の判断は正しかった、私は対抗するのに器ではない相手に頼ってしまった。


「良き修正かと」

「ふふふ、そうだろう」


 なんの勝ち目もないではないですか、今から逃げられないものか。

 平民であるし、いっそどこかへ逃走するのもありかも知れない。

ララ「王子とお近づきになれたわ!」

モレル伯爵「かわいそうに」

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