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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
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ジーナのお仕事

「以上、問題は?」


 俺の問いに大臣執務室勤務の皆は「ありません」とだけ簡潔に答えた。

 今日の業務は終わりだ。

 登庁1時間足らずででもう仕事は終わりか。


『王太女任命書』


 はい、承認。

 もっともこれでポカやって推薦されなかったら流石にひっぱたくかも……。


 それにしてもこの作成権限が典礼にないのは愚かだな。

 あるいは王家にないことか、いや法的なものだ。

 あるいは歴代の司法大臣や宰相たちは王家というものを全く信用していなかったのかもな。

 あるいは……選択肢がないということがなかったのか。

 不測の事態くらい考えておくものだ。


 エリーみたいに、いざとなったら蛮族で攻め落とせばいいと言うほど過激ではないが。

 せめて何らかの抑止は必要だったと思うがな。

 司法はエリーの手の内にあると普通ならもう少し慌てるところじゃないか?

 まぁ、法を曲げてまで押し通さないと思ってるのかも知れないが、法には穴があるからな。


 確かに違法なことはできないが、違法を合法にする方法はある。

 それは地位とか、法的な問題が重なったものとか。

 まぁ、法の穴を突いたほうが良いな。面倒くさいだろう。

 なにかとな。


 バンサ伯爵の継承承認。

 はい、おしまい。提出するとしよう。


「俺は会議に出てくる」


 俺はスケッチブックを……あ、今日なにも書いてなかった。

 どうも話しかけてこないと思った。


「今日中に俺に伝えることはあるか?戻ってくるかわからないが」

「ありません」

「では、バンサ伯爵の継承は問題がないな。確かに伝達するように」


 どうも本当になかったようだな。

 ではとっとと会議に向かうとしよう。




「スペンサー農林大臣、会議ですか?」

「これはスペンサー司法大臣、会議ですよ」


 朝は顔も合わせなかったしな。

 んー……俺は仕事があったしな、今の親父はそんな忙しくもあるまい。


「大まかな流れは?(小声)」

「いつも通りだろう(小声)」

「そう、重畳重畳……(小声)」

「何かあるのか?」

「あるさ、いろいろな」


 一緒にいても仕方あるまい、ベスはどこだ?


「これはスペンサー両大臣ではございませんか、何かございましたか?」

「…………」

「……誰だったかな?」

「先日より仕事を任されております、シャディでございます。御用がございましたら言い付けくださいませ」


 エリーか?こいつ?

 うさんくさ……。

 いや、エリーがやるか?この大事なときにメイドを?

 やるわ、あいつ。


「私は大丈夫だ、そうかメイドか……。苦労するな……。仕事がなければ紹介はできるが?」

「そうですね、雇用期間が終わったらぜひお願いします」


 騙されるな、そいつ今日王太女になるぞ。


「スペンサー司法大臣?」

「私も特にない」

「ジュースもっすか?(小声)」

「!?」


 お前クラウか!?え、そうだっけ?

 お前そんな感じだったっけ?


「気がついてなかったんすか(小声)」

「あぁ……(小声)」

「…………ジュースは不要のようですね」

「ああ、大丈夫だ」


 なんでその格好で?普通に登城すればいいだろう?

 ピアの護衛か?お前がわざわざ?嘘だろ?

 そんな手間かけるタイプか?

 いや、趣味か?


「気がついてると思ったっすよ(小声)」

「わかるわけないだろ(小声)」

「会議まで時間はございますが?」

「大臣同士の会話もあるからな、控室で使える場所はあるかな?」

「清掃してないっす(小声)」

「…………もうそこでいい(小声)」

「ではご案内いたします」

「ジーナ?」

「お……私は少し控室で話し合いをしてからにします。時間がありますので」

「そうか、ではな」


 父と別れ、掃除されてない控室に通される。

 まぁ、言うほど汚くもないな。最低限ではあるが、まぁ毎日掃除してるということはない。


「それで?(小声)」

「どうせなら特等席で見たいじゃないっすか」

「わざわざメイドの格好して?(小声)」

「やる必要があるからやっただけっすよ、エリーじゃあるまいし」

「ピアの護衛か?(小声)」


 そう聞くとふふふと乙女のように笑ったクラウは一礼して。


「レズリー伯爵が寝返ってるって知ったら驚くでしょう?」


 スイッチが切り替わるようにいつもの口調を捨てた。


「今更だろう?(小声)」

「レズリー伯爵令嬢がエリー派であることとレズリー伯爵家がエリー派であることは全く別ですよ、ジーナ?」

「そりゃそうだが……(小声)」

「お父様は公言します。レズリー伯爵家はエリーゼ・ライヒベルクの王太女に賛成すると、次期当主の私もその場で賛同しますわ」


 なんかすごい違和感があるなこの口調。

 元はこっちだったはずなんだけど。


「では……(小声)」

「シャーリーも来ます。債権を持ってね」


 ああ、そういうことか。


「ベスは?(小声)」

「王宮図書館で仕事中、まだ呼べないですね。アレクサンダー女伯爵はギリギリ、かしら?」


 ふーん、そうなると全員集合は流石にないか?


「今日は騎士団も出席するそうです」

「聞いてないな(小声)」

「独自判断ですね、私も先程掴みました」

「……有力者ではあるな(小声)」

「全権委任の方針が暗黙の了解ではありますけど、法的には?」

「ないな、ない(小声)」


 つまり無駄に参加者を増やすわけか。


「ルーデンドルフ侯爵も有力者だよな?(小声)」

「そう言うと思って声をかけておいたっすよ。公爵もまだ屋敷をでてなかったから、めんどくさがり屋のエリーには伝わったっすよ」

「有力者の名前は?全員答えてくれ(小声)」


 司法省から王太子選定会議呼び出したことにするため、簡易な書状を作り上げることにしようか。


「全員こちらの部屋に来ていただけますよ」


 だからメイドのフリに戻ったのか。で?誰が案内するんだ?

 まぁエリーでもピアでもどちらでも良いか……。

エリー「へー……なるほどねぇ……」

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