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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
突撃!売却!バンサ伯爵邸

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じゃ、預かっておきますわね

「それでは、玄関とこちらの絵の他には?」

「あとはベスが買い取らなかった書籍すべて、あと各応接室の調度品もすべて売ります。ただ動かしてでてきたものは一度確認をお願いいたしますね?たとえば隠し金庫とか隠し部屋とか(隠し金庫と隠し部屋探しといて)」

「ええ、もちろん。そちらも買い取りは?(いいけど色付けてくれる)」

「もちろんお願いします。ベスやキャスが興味を持った場合は別ですが(いいけど売れるかわからないよ?私じゃなくてこいつらの問題で)」

「私も気になるっす!」

「ワタクシも気になるものがあったらですわ」

「……エリーとクラウも興味を持った場合は別ですが(もう、こいつらに聞いて)」

「あーしは興味ないからへーき」

「私はせいぜい武具だな。あればなぁくらいだが武家とも思えぬ伯爵家に名品があるとは思えないし」

「アン(小声)」

「いや、あったら買うかもしれない!」


 フォローヘタクソ!まぁ心の声を考えないだけマシですわ、ストレートに言ってるだけだし。


「では、お嬢様方が興味を持たれないものはこちらで引き取りますが、よろしいですね?(興味なさそうなものはいいんですよね?多分欲しいのは裏帳簿とかですよね?ね?)」

「宝石とかは興味ないからいいですわ、いろいろな資料と怪しげな絵画、ベス用の書籍……日記でもいいですわ」

「日記はもとより買い取れるか怪しいですから結構です(そんなのこっちもいらねぇ)」

「ピアが個人で持っておくべきものはありますの?」

「なにもございません、当主の指輪はエリーに預けましょうか?」

「いらないですわ、いえ……一応預かっておきましょう」


 明日次第で指輪を抑えにかかられる可能性もありますしね。


「ではこちらをどうぞ」


 さっとポケットから取り出した質素ながら純銀らしい指輪を渡してきたピア。

 どうしましょう、まさかこんな雑に渡されるとは……。

 キャスもローレンスも引いてますわね。

 いや、思い切りがいいと言うことですわ、そうですわ。


 思えば蛮族がそのまま献上品を手ずから渡すこともありましたし、似たようなものですわね。

 いや、貴族令嬢が同じようなものでは……。

 いや、貴族も蛮族も同じでしたわ、よく考えたらワタクシも似たようなものですわね。なーんだ対して変わんないじゃないですの。


「ありがとう、時が来るまで預かっておきますわ。明日には返します」

「早いな……」

「王太女になったら多分安全ですし返しますわ、護衛は付けておきますけど」

「別に使わないのでそのまま預かっていただいても構いませんよ?流石に売ると面倒だからしませんけど」


 すごいこと言いますわね……。


「あー……では特にないでよろしいですね?」

「一室づつ見ていくけどそれはそれでいいでしょう」

「まぁ絵だけで大変ですからね、おい!それは金貨300枚だとさっき言っただろう!書き直せ!……失礼」

「いえいえ、鉄火場らしくていいですわ、うーんこの分だと応接室は別になさそうですわね」

「では次は執務室にしましょうか、大してありませんし」

「では資料の精査は私が」

「頼みましたわ、キャス」

「この絵をすべて見て応接間のものを買い取れ、いいな。では執務室へ行きましょうか」

「ピア、一応引っ越しあとも使うものは……」

「がらんどうな家なら必要かもしれませんが……流石に最低限のものはあると思いますしいいのではないでしょうか?」

「いえ、家もこちらが用意させていただきます。最低限取り繕えるものはサービスで用意いたしますとも。ところで応接室のあの机ですが金貨300枚でどうでしょう?300年代の一品でして……本来はもう少しあるのですが(とりあえず伯爵家の家格に合わせたものを用意するけど手数料であれ使っていい?)」

「ええ、いいですよ。私が買う家の調度品は本当の最低限でお願いしますね?私には過ぎたものですから(いいよ、本当に伯爵家の家格ぎりぎり最低限にしてね?ぶっちゃけいらんから)」

「ええ、もちろんです。あの机の利益だけでなんとかなるでしょう(わかりました、そこまでギリギリ狙いならあれだけで十分です)」


 多分こんな感じですわね、ローレンスの目線の会話だと。

 他愛ないやり取りを眺めながら2階の執務室へ向かう、階段に飾られる絵画もすべて売ることを指示するのを眺めながら絵画無駄に多いなと思いつつ。


「あの奥が執務室です」

「大体執務室って角ですわね」

「エリーの家はどこに執務室があるんや?」

「ワタクシがいるところはどこでも執務室ですわ」

「公爵様の執務室は?」

「角部屋でしたけど」

「どの口で言うてるんや」

「分が悪いから辞めておけ」

「エリーの執務室は角部屋ではないということだから間違いではない(小声)」


 執務室を開けると、結構整頓された物寂しい執務室。

 絵画はバンサ伯爵初代、まぁそんなものですわね。


「ではこの絵画をすべて売却です」

「わ、かりました」


 流石に初代バンサ伯爵の絵画を売ることには狼狽しましたわね。

 即座に運び出し鑑定を始める皆様方。800年くらい前の絵画だしまぁまぁ価値はあるでしょう。


「こちらの書籍はどうしましょう?」

「一般で売ってる書籍ですわね、建国史やら何やら……なんでそんなものを執務室に?」

「一応、契約などの書類以外のものはベスに見せてそのまま買い取らせましょうか?」

「ええ、では……どうせベスは図書室で本でも読んでるしどちらにせよ売ることは決まってるしいいんじゃないかしら?本自体はベスが見てるはずだから絵画は置いといて判断はベスに任せてもいいのかしら?」

「私はそれでかまいません、ベスにお任せしておけばいいと思います」

「ではこちらは図書室へ運びましょう、エリザベス嬢が買い取らないのであればそのまま買い取らせていただきます。図書室は……」

「先程の応接間の横ですわ、家の絵の横の」

「ありがとうございます、おい!急いで運べ!書籍の専門家はそのまま図書室で買い取り作業を運び出せ!」


 大変ですわねぇ……重いものを持つだなんて。

エリー「この鎧本物だから重いですわねぇ……(ガチャンガチャン)」

アーデルハイド「……劇に使うの?」

エリー「本物を使うと舞台が映えるからですわ(ガチャンガチャン)」

アーデルハイド「もう鎧着たほうが早くない?」

エリー「ただの飾りだから良いんですわよ、着たら脱ぐのがめんどくさいし(ガチャンガチャン)」

アーデルハイド「(あれ30キロくらいあるのに……)」

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