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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
突撃!売却!バンサ伯爵邸

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239/560

ピエロフォビアになりそうですわ

「いや、家といっても……伯爵家規模の家は……なぁ?」

「え?ワタクシ?なくはないですけど……売りに出されてるかなんて聞かれると……」

「ここは一等地だから高く売れると思うんですけど、最低限の伯爵規模で治安に問題なく維持費が安い家はありませんか?別に伯爵以下の規模でも構いませんけど治安がいい場所だと難しくなるんじゃないかと……」

「まぁ、適当に潰れた家の……ちょっと羽振りがいい男爵家の家が伯爵家規模の邸宅ギリギリくらいですからそこまで絞ったらわからないですけど。治安優先でいいんですのね?」

「はい、正直落ち目の家なら客もいないので寝室と執務室と厨房食堂に応接間があれば一応私室は夫子供用に2つくらいあったほうがいいですかね?でも嫁に行ったら売るからいいのか、あとを継がせるのかは微妙ですね」


 なんか思い切りが良すぎて正直引いてますけど。

 ミニマリスト貴族なんて自称ではごろごろいますけど、これは限度がありますわ。


「一応、一応ですわ。聞いておきますけどピア個人の借金やバンサ伯爵家、ライエン侯爵家自体に借金はございませんのよね?」

「あらためて私個人の借金は存在しません。家に関してはあると言われたことはありませんが、支出で借金返済がないので問題ないかと」

「シャーリー?」

「御者に言ってくる」

「あーしのほうが足速いから言ってくんね」


 大忙しですわねぇ……。


「あと親父に目利き今すぐバンサ伯爵邸によこせ言うて!貴族の家に詳しいやつも!」

「あーい」


 あら?お手上げですの?


「なんや?」

「早い決断だと思っただけですわ」

「家ごとやぞ?そら手に負えんわ。地価含めた計算なんかウチにはできんわ。戦いの前に関係なく降った相手買い叩いたら商会にもウチらに傷がつくわ。それに貴族の邸宅はそこまでくわしくない。親父に頼るしかないわ」

「では、一応絵画の紹介に戻りましょうか?」

「マーグは気配でわかるから移動しても平気でしょう、扉を開けておけばいいでしょう」

「犬じゃあるまいし……」

「騎士とはそんなものってマーグなら言いますわ、近衛でもないですしね」


 負けた騎士なんて美談がなければただの雑魚に過ぎませんしね。

 身ぐるみ剥がして焼き捨てて終わりですわ。埋めるような名誉もないでしょう。


「では、応接間へご案内します」

「案内されますわ」

「ありがとうございます」

「お招き……感謝……」

「ここで……?」

「どっちでもいいですわ」


 扉を開けると精神がおかしくなりそうな光景が飛び込んできた。

 道化師絵画、道化師、道化師、クラウ、ピエロ、なんでもいいですけどそこら中にそんな絵……。なんですのこれは?


「なんですのこれは?」

「あ、やっぱりそう言う反応になりますよね」

「普通はそうだと思うっす」

「クラウは平然としてたから貴族って案外そう言うものなのかなって」

「一応貴族だったのになにを言ってるんっすか?」

「ライエン侯爵家時代に応接間なんて使ったことがなかったから威圧するためかなって思ってました」

「威圧にもほどがあるな」

「頭が痛くなってきました」

「ふーん、こんなもんか(小声)」

「なんやこれ……ほんまなんやこれ」


 あら、シャリーもドン引きですわね。


「好事家にぎょうさん売れるでこれは……!」


 そっち!?

 ま、まぁいいですわ。前向きになってくださって。


「いってきたよー」


 早いですわね。


「なにこれキモ……」

「まぁそうなりますわね」

「インスピレーションが……湧いてきた……!」

「え?」


 まともなのはワタクシとキャスとアンとマーグだけ……?ジーナもなんか平然としてますけど。


「ジーナは平気ですの?」

「殺人現場の精巧なスケッチに比べれば生きてるだけマシだろう(小声)」

「そ、そういう問題ですの?」

「元は森林関係だしな、食いちぎられた人間とか獣見てる分だけマシだな……。俺が処理するわけでもない(小声)」

「そうですの……」

「それに……たかだか道化師の肖像画が壁一面にあるだけだろう?(小声)」

「いや気味が悪いですわ」

「いいから早くオートリカスかどうか確認しろよ(小声)」


 えぇ……?なんか見てると頭が痛くなるんですけど……。


「目が疲れたから持ち出してくださる?」

「…………わかったっす」

「今後エリーを止めるのにこの部屋作って見せればいいのか」

「作る時点で挫折するだろ(小声)」

「つれてこなければいけないのも……マイナスポイント……」

「いいたい放題ですわね」


 そんな事を言っているとクラウが丁寧に運んできた絵画をそっとおいた。


「どうっすか?」

「うーん…………どうかしら?」

「ちょっと若く見えるっすね」

「トリンクスやな、宮廷画家だから死後の人気はまだ保てとる、ただ小さいし題材が……金貨50枚くらいやと思うけど。詳しくは親父たちが判断するで。それより安かったらウチが言い出しっぺとして金貨50枚で買い取るわ」


 もうちょい、いきそうですけどね。


「次はこれっす」

「子どもが多いですわね」

「これは王都孤児院ですね、この近くです」

「こっちはどこの孤児院ですの?」

「貴族街では見かけませんね……」

「あ、これ平民街の孤児院だよー。見回り場所にあったよここ」

「孤児院ばっかですわね」

「慰問が趣味だったレベルで……」

「慰問が仕事になってますわね、わざわざ絵画にしてるのも変ですけど。しかも宮廷画家……」


 何がしたかったのかしら?

オドニー「俺の肖像だけ描くとうるさいから俺と子どもたちで」

トリンクス「はいはい、はい下描き終わりもういいですよ頭に入ってるんで」

オドニー「また頼むよ」

トリンクス「一番仕事くれるからいくらでもやりますよ」

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