今後やることが多いですわね
しりませんし、わかりませんが、なにか理由はありそうですわねぇ……。
一応見たほうが早いですわね
「とりあえず応接間を見てもよろしくて?」
「ええ、ご案内します」
「各絵画は全室に?肖像画を特に重点的に見たいのですが……」
「初代バンサ伯爵の肖像だけ執務室に、後の歴代伯爵謎の肖像は倉庫に送られているそうですが……処分されたか売られたかまでは」
「まぁそんなものですわね、よほどの当主でなければ古いものは飾りませんし……。よほどの画家が書いていなければ処分することもありますしね」
「悪名高い画家に描かれたり……後々当主の不祥事が出てきたりすると……処分されたりもする……」
「それを集めてる人間が買い取ることもありますけどね」
「悪趣味だな」
「貴族の趣味は千差万別多種多様やしな、変なもん買い付けに生かされることもあるで」
「いうなれば人間の趣味というものがそうなのでしょう、今に平民が下級貴族並の家を買い財産を作れば同じようなことが広がっていくでしょう」
そこまで行けばワタクシの仕事はないも同然なんですけど。難しいでしょうね、現状成り上がるには武力か学か運が必要。商人にもすべて揃っている。
武力は戦争で活躍すれば……芽が出るにしろ花開くにせよどうにかなるでしょう。ちょっと偉い兵士になるか額があればだいぶ偉い兵士になるか、それとも騎士にでもなるか。
学はもう手が出ない、公爵領の教育システムはそれでもなお足りていない、数はカバーできても質が追いついているかは……。最低限よりちょっと上程度の教育ができてるだけましね。
他の貴族がそんなことに手を出せるはずもなく、ブランケット侯爵領ですらアーデルハイドの死後は拡大できなくなった。未来への王妃への投資であって未来の王国や国民への投資で援助してたわけではありませんものね。致し方ないと言えば致し方ない。ブランケット侯爵が国外で働かされている今となっては維持させているだけ流石というべきでしょう。ドゥエインくんもよく侯爵代行していますしね。問題発生時のワタクシ達への連絡も早い。これはいい侯爵になりますわ。
姉と違って問題も起こしませんし、責任も押し付けませんし……。
運はもう運でしかないですわね、あればよし、なければ他で補えばよし。運って詰む方法あるのかしら?生まれながらにしてなんおかしら?まぁ友人に出会えたことを考えればワタクシの運はあると言えますがね。
ワタクシはこれをぶち壊さなければならない。
今はせいぜいできても軍の小さな隊の隊長や村長と納品担当でしか国政に関われない平民にほんのちょっとだけ門戸を開放して溜飲を下げさせる。いずれは貴族学院のような身分と推薦ではなく学力で入れるような学院に改革する必要がある。
あるいは作り直すか……。
農民反乱や領民大反乱で国が潰れてしまえば待つのは地獄でしかないのですから。
蝗害のごとく全てを無くすか、自分が賢いと思っている簒奪者が彼らを煽りいいとこ取りをするにせよ制御ができるわけがない。
武装した騎士と言えど100人の農民・平民が襲いかかれば最後には力尽きる。
国軍は最下層の兵は国民で成り立っている。どうして自分の家族親兄弟を殺すために戦えましょうか?たとえ村を追い出されたにせよ全員が全員追い出されたわけでも恨んでるわけでもない。
必ず、大規模な国民の反乱に発展すればどの国であっても滅びる。
帝国ですら一撃では持つかもしれませんがそのうち滅びるでしょう。
だからこそ下が富むのはゆっくりとでも爆発前にスカッとするようなことをして溜飲を下げなければなりませんの。
戦争で勝つとかでもいいですけど、王国では勝てないし結果的にワタクシ達が勝つだけ、それで王国に延命されるのも癪なだけですしね。
だからワタクシが立つ。未来なきバカ王子を貴族の手で引き釣り降ろし改革を断行することにより第1王子次代のような希望をもたせる。
まぁ真っ先にやることは減税一択なんですけど……。だって今はわかりやすい政策しかないですもの、時間かける製作やってたらいつ爆発するかわからないですし……。
しばらく公爵家が自腹切り続けるという苦肉の策。正式に継承したら新王朝、まぁ最初っから帝国を出すわけにはいきませんからね。それとして新王朝はサミュエル王国と別として借金を踏み倒して、王家への養女にもならずに王家の借金も踏み倒してマッセマーを御用商人として起用して既存御用商人の罪を暴いて一掃する。プチエリーゼ帝国案を採用していくしかないですわね。
あっちと違ってまず揚げ足取りと粛清なのが面倒この上ないですけど。
まさか第1王子の死がここまで影響力が大きいとは……。
大きいとは思ってましたけどこうも貴族も富裕市民層のバランスも崩壊してしまうとは……。
あの男、そこら中に介入してましたわね。
第1王子が死後にはすべてなかったことになるようなものばかり結んでいたからこんなことになるんですわよ。
あるいはワタクシが第1王子殺すとでも思っていたのか、アーデルハイドがやったのか、王家として結ぶと国王がひっくり返すし、信用もされないからダメだったのか。
どっちでしょうね。
第1王子「私とアーデルハイドの婚姻がうまくいけば結果的にエリーゼ嬢を抑えることができるでしょう」
パウエル子爵「(無理だろ)」
リューネブルク女侯爵「(無理だろ)」
ルーデンドルフ侯爵「(賭けるか)」
レズリー伯爵「(娘の言う通り従う姿勢は見せておくか)」




