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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
突撃!売却!バンサ伯爵邸

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236/562

肖像がスカスカですわね

「最後のバンサ伯爵一家としての肖像画がないのも買われたのですね。どこにあったのかまではわかりませんけど……変な空白もありませんし……」

「見てわかるもんやないんか?」

「家によりますわ、ねぇキャス?」

「そうですね、玄関に飾るか客間に飾るか……まぁ大きさはともかく玄関には一枚くらいおいておくものです。先代の頃で刷新してないにせよ何にせよ、当主が変わればそれくらいは……。オドニー・バンサ伯爵は婚姻は?」

「先代バンサ伯爵に妻がいたとは聞いていませんし……。いたのならば実家に戻って相続を放棄したのではないでしょうか?」

「いや、子どもがいない以上は謀殺で財産をかすめ取る可能性もあるから……ゴホッゴホッ……元の家の家族が優先だな」


 またジーナが出し慣れない声量で話してたからすぐに咳き込んでますわね。まぁ後でゆっくり休んでくださいまし。


「オドニー・バンサ先代伯爵の婚姻に対しては?」

「ないと思うっす」

「わからない……貴族からは聞いていない……少なくとも醜聞関係で聞いた覚えはない……」

「申し訳ありませんがそもそも知りません……」


 じゃあ未婚ですわね、あるいは孤児院で適当な人間に手を付けて隠し続けてる可能性もありますけど……。通るか通らないかで言えば通らないでしょうねぇ……。

 言ったもの勝ちになりますわ、本人が名乗り出ても意味はないし、お墨付きをもらったところで証明のしようもない。

 仮にオドニー・バンサと孤児院で手をつけた娘とその子どもが揃って出てきたところで生きていたのなら職務不履行で存在しないも同然、今までなにをしていたのかという話ですわ。これで本当の当主と継承者がでてきたから継承するということもないですし、これで空位のバンサ伯爵家の家督をオドニー・バンサに復位させても、その子どもに継承しても、本来継承する筋道を立てたピアを省いて王家のバンサ伯爵家の影響力を行使しようとするならやはり失敗は確実。

 いてもいなくても同じですわね。


「ではどちらにせよ問題はないでしょう、グウィネス女史の嫁いだキンゼー家は全滅、オドニー系列も本人が生きていようが断絶、ジャック系列も……後継はいませんわよね?ここで隠し子出てくると厄介ですけども……ピア、どうですの?」

「隠し子はわかりませんが、ジャックさんはご嫡男死後は独身ですので……」

「さすがに妾にもしてない相手を後継にはできませんわね……。嫡男死後なら隠してても仕方ないですし、周りも仕方ないとは思うでしょう」

「妾でも生まれた子どもが後継に出来るわけではないと思うが……。だが嫡男もいないのなら……うーん、難しいところだな」

「そこまで気にされない準貴族とか腕さえあればどうでもいい騎士家とは違うしね~」

「ん?断絶するくらいなら残せるんやないの?」

「小説のようには……いかない……家で意見がまとまっても……家次第では……王が横槍を入れることもある……」

「キッチリ血筋で残す家だと厳しいと思うぞ、没落具合ではまぁいいやと判断が下るだろうが……(小声)」

「そこのところどうですの?ワタクシはリッパー男爵家のこの情勢なら十分妾との間の子供でも後継に出来ると思いますけど?」

「流石にリッパー男爵家では現状でも無理だと思うっす。妾との子どもを次期筆頭医師にするのは周りがうるさいから……できても次代は仕事を割り振れられず名ばかり貴族になって婚姻も難しく断絶となるだけだと思うっす。よほどの能力があるのならいいっすけど……。それなら尚更もう顔を売っていたほうがいいし、当家の養子にするとか適当な家の出身の人間を養子にしたということにしておくくらいはしてるはずっす。こんな感じで養子という手段で凌ぐことはできると思うっすけど……」

「けど?」

「出来るなら結局今言った通りにもっと手を回して新しい子どもとして教育して見せつけるか、養子に早く取ってるから断絶するつもりだと思うっす。あるいは爵位の返上か……」

「もしくは取り潰されにいくか?」

「だとしたらもう色々終わってるからないと思うっす、消極的なだけ……っすかねぇ……?」


 やる気がないのかしらね?ピアの後見だけやって全部つなぐ予定とか?

 なに考えてるのか分かりづらいけど率先して復権したり家を残そうという気概は見えませんわね。

 愛想を尽かした?のかしら……。


「そういえばオズワルド・バンサ伯爵の家族肖像がないとしても子どもたちの肖像くらいはあるんではないですの?」

「確かに、姉弟三人の肖像があってもおかしくはないですね。というかオドニー・バンサ伯爵としての肖像は玄関にありませんの?」

「ないですね……。玄関正面のほかより数倍大きな高祖父のノーバール、だいぶ小さい肖像画のオズワルド様、あとは適度に肖像画以外の風景画などの雑多な絵画くらいです。おそらくマリーナ夫人との肖像が多かったのではないでしょうか?」

「としか考えられませんわね」

「最後のバンサ伯爵の絵がすべて母親と一緒なワケはないだろう。まさか当主就任で母と並んで描いたとでも言うのか?実際道化師の肖像はあったのだろう?」

「応接室はそればっかだったっすね」

「応接できんの?」

「「ノーコメントです(っす)」」

道化師の格好で伯爵肖像を描いてもらおうとするオドニー「……」

拳で止めたマリーナ「……」

男爵家当主になったが実家の肖像に入るよう呼ばれたジャック「……」

下描きを確認して帰るグウィネス「……」

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