表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
久々のお茶会の気がしますけどなんででしょうね

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

227/562

つまり勝つということですわ

 連中もこれ以上失うわけには行かないでしょう。

 希望である第1王子の死、アーデルハイドの死で次期王太子妃、王妃として婚約内定1年で作り上げた貴族関係も利益関係も破綻した。バカ王子にはなにもない、本来であれば接近するべきものもいない。

 もはや誰も止められる人間はいなくなった。


 破綻はすぐそこにある、内部から防げる人材はいなくなった。

 この国は民の怒りに飲まれる。

 それは大陸に波及するでしょう、行き着く先は長い地獄か。国によっては貴族がなんとか舵を取っても……破綻するのか、あるいは舵取りを任された人間を殺して破綻するのか。

 それは全くわかりません。

 ワタクシが出来ることは力技でも無理やり爆発する焙烙玉を制御して爆発させるか、相手に投げつけることで爆発させ知ったことではないと制御しながら崩壊を眺めるか、あるいは誰かに導火線を切り落とさせるか。


 外と中でバランスを取りながらこの危険物の着地点を探す。

 だからこそ二人で手を合わせて、皆で支え合い、危険物の処理をしていたのに。

 いきなり、いきなりいなくなってしまったら落としてしまいますわ。

 もう……強硬手段しかないんですわ。それでも、こうも迂遠な方法を取ったのは……。

 ほんのちょっとだけ、信じてみたくなっただけですわ。友人以外の皆さまを。

 ワタクシが強硬手段をとっても、時間をかけて支持を集めても、上が変わったとしてもどうでもいいと思ってるでしょうけど……。

 本来その座に座るだろう2人を祝福するように、祝福してるんじゃないかって……。

 まぁ、こんな女々しいこと皆様には言えませんけどね。

 そうすれば少しは溜飲が下がると思っただけ、ワタクシは貴女みたいなものですものね。ワタクシが称賛されるならきっと貴女だって称賛されたと思いますわ。

 強硬策はいつでも出来るからこそ……。言い訳はしてきたけどせめてものわがままね。


 もしも、もしもアーデルハイドが亡くなってこの国が良い方向に向かっていったら……。

 ワタクシ、強硬策を取れたかしら?穏健策も取れたかしら?

 勝手に独立して勝手にやって……北の国々を潰しにかかったのかしら?


「もはやこれ以上失うものがない、それでも失ってしまえば終わり」


 これ以上失えば、王家から忠臣すら消え去る。失う選択をすればですかね。


「失うものはごまんとあります、数少ない派閥、忠臣、直接関係しない官僚たちの信頼……。それでもなおもピアのバンサ伯爵家当主就任に反対するのであれば……」

「国王を裁判にかける」

「先代国王のように罪を認めて器の大きさを示すことが出来るか、出来たとしても国王の落ち度で当主就任も爵位継承も認めない失態に対して裁判をちらつかせて屈する国王に国民達が、貴族たちがなにを思うか……」

「宰相派閥も大手を振るって離れられますね」

「騎士団はどっちももう離れてんね」

「商人も損切りの時期やな」

「軍はすでに時代に見切りをつけている、この上で当代に見切りをつけるのであれば決定的だ」

「多くの貴族は……すでに見切り始めている……」

「帰領してから領地から動かない貴族も1年で増えてきたっす」

「司法省は法を守らぬ国王は不要であるとの意見だ、息子に至っては論外、支持派の筆頭は今日死んだからな」


 まさか、王家にとどめを刺す最後のピースが王家の親戚でワタクシが王宮部署解体をしたせいで苦境にあるとは思いませんでしたわね。

 世の中はわからないものですわ。

 今日知ったことの殆どが本来の計画であれば知る価値すらなかったことを思えば……。

 やはりやり方が変わると難しくなるものですわね。


 明日終わらせて、シュライヒャーを呼び戻して事情を聞いて、貴族を固める。まぁせいぜい役に立ってもらいますわ。

 家名を残す程度か、引き立てるか。ロバツ相手に見せてもらいましょうか。

 あるいはバカ王子を神輿にして反乱を起こすか。

 最後の賭けですわね、まぁ勝ったところでバカ王子を制御できないでしょうけど。

 そもそもワタクシが負けるとも思えませんが。


 蛮族を率いていることを開示していないからこそ相手が舐めた態度を取ってくる。

 だからこそ、潰せる。

 舐めた相手を殺すことは貴族的には何の間違いでもないですからね。

 蛮族の士気も上がるし一石二鳥。

 今更屈したところで舐めた相手だけはどうにもで料理できる、家名を残さないことも、功績を上げるか死かの二択を迫ることもできる。

 うまくいきすぎて案外舐めてきませんでしたけどね。


 本来は王太子妃アーデルハイドと第2王子婚約者にならされるかどうかでギリギリされそうなワタクシの対立を煽る哀れな道化がいたはずなんですけど。

 それをすべてが終わった際に掃除して終わる予定だったのに……。

 勝ちすぎてしまったから予想より遥かに数が少ないですわね。


 まったく、ままならないものですわ。

 国家の健全化は貴族の粛清も兼ねていたというのに。

 ロバツの頑張りに任せる他ないとは……。

 本来であれば蛮族を率いてその貴族を襲撃させることもあったのですがね。

 まぁうまく着地したら、できたのなら……奇跡が起きたのなら良かったんですけどね。

ゲーム版どこかのルートのアーデルハイド「婚約者がいるのに堂々と平民と浮気して正妻にしようとしてるけど?」

ゲーム版どこかのルートのエリー「知ってますわ、これで下位貴族や他国から高位貴族はろくでなしが多いと思われるし、平民が調子に乗って出来の悪い貴族と平民とでぶつかるでしょう?まともな貴族が仲裁してアホな貴族を殺して取り潰して平民の溜飲を下げつつ、危険人物は正当な理由で罰してしまえば平民とて怒りませんわ。その人物が英雄化する前に罰すれば成功ですわ、はい!いらない貴族が減って領地が浮きましたわね」

控えるキサルピナ「王都の新聞社と蛮族を動かして殺される理由を作らせたり殺さざるを得ない理由を作るのですね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ