表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
久々のお茶会の気がしますけどなんででしょうね

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

222/560

王太子決定の裏側

「エリーが婚約者だったら……多少は揉めたのは確かだと思う……。王宮部署の解体を始め……問題は多かった……いくら……当然の見せしめだとしても……」

「それでも、第1王子ならエリーを制御できるとの結論には達していたでしょうね」

「むしろアーデルハイドをどうするかで揉めるんやないか?」

「それはそうですわね、あの娘は嫉妬深いですし。その場合は側室にしてましたけどね。ワタクシはしばらくお飾り、ある程度うまくいったらワタクシが皇帝になり、2人は公爵とその夫人に押し込めて王国滅亡。はい、おしまい。そんな感じですわ」


 どっちに転んでも良いようにするのが貴族というものですわ。せっかく手数が多い地位なんですもの、それくらいやっておいても罰は当たらないでしょう?

 まぁ、長い年月をかけた計画ですからね、去年に主要人物喪失という根本的に計画そのものが破綻してしまったとはいえども。


「王宮部署解体がフリードリヒ第1王子に王家の失った信望を取り戻すための政務参加に繋がり、貴族の信頼を得ていったということですね」

「そうっすね、同時に国王派でも問題児の力を失わせて、他派閥でも利益にならないのに自他派閥に不利益を振りまく輩を処分したりして……。王太子選定会議の参加者をまともな人間に変えていったっす。有力者の枠の方を」

「そうして王太子になった、と……」

「なるべくしてなってますね」

「まぁ……弟が期待できないとなると……」

「実績も上げて、貴族たちからの信望もある、これ以上は無理だな。そうはいないだろう」

「実際、商人からの信頼も厚かったからなぁ。結構フリードリヒ第1王子個人に金貸してたの多いで?」

「……それ返ってきましたの?」

「知らんな、ウチらは貸しとらん。国の運営に使う金を個人が借りてきたときに貸すとろくなことにならんしな」

「踏み倒すわな(小声)」

「マッセマー商会ごと貸してませんの?」

「担保無しで貸さん、個人やしな。それにアーデルハイドとつながりがあるから無駄金を使ってもしゃーないわ」


 まぁ、ワタクシたちの計画がうまくいったら貸し倒れ確定ですしね。

 ワタクシが払うわけもなし、なんで王家の尻拭いを個人の借金でもしなければなりませんの?

 公爵家が納税拒否したから?違いますわよね?個人で借りた金額なんて知りませんわ、それに滅亡した国の王族の負債なんて知ったことではないですわ。

 王家で借りた金銭がお受けじゃなくなったら?もちろん踏み倒しますわよね?なんで潰した側がそれを払わなければなりませんの?そんなこといってきたら大商会だとしても潰しますわ。

 国家借財でも不仲な国や承認しない国なら踏み倒すのが普通なのに?相手も滅亡で踏み倒してくるのに?

 滅亡させた側なら払うわけ無いでしょう?今まで聞いたことがありますの?ワタクシは蛮族の村の借金も蛮族個人なんて払った覚えはありませんわ。

 借金を返せるようにはしましたけどね。


「お金は大事だかんね……。ないと騎士団だって動けねーし……」

「ちなみに貸した商会は今どうなってるんだ?」

「いまマッセマー商会で働いてるで」

「やっぱり返ってきてないじゃないか(小声)」

「借用書はあるで」


 知らんなとか言いながら知ってるじゃないですの。返ってきてないこと。

 ああ、まだ残ってる商会ですのね。


「総額いくら位ですの?」

「エリーのセーター100枚くらい」

「どの?」

「ウッキウッキでお披露目してたの」

「ああ、あれか」

「確かにお見事でしたね」

「筆致に表せない……素晴らしい出来……」

「あのパーティーの間ずっとテンション高かったっすね」

「ということは金貨1万枚……?」

「えっ?そんなお高いセーターを?」

「みればわかりますわ、着てきましょうか?」

「エリー、後にしろ」

「見せたかったですわー……」

「見たかったですね」

「あ、じゃあ後で着てきますわ」

「まぁ、すごい手が込んでたしな(小声)」


 新しいのは今作ってもらってますからね、あれもエリーゼ・ライヒベルク名義で金貨をドサッと乗せて注文しましょう。

 お古はキサルピナにあげればいいですわね。誰が名実ともにワタクシの代理か、誰が蛮族をまとめているのか、敵の蛮族やアホな他国の貴族にもよく分かるでしょう。


「金貨1万枚をなにに使っていたのやら……」

「なんにせよ、焼け石に水やろな。正直把握できてへんが、国家間の借財の返済かなんかやろうな。市場の動きで該当するもんが逆算してもない。貿易で個人でなんか宝石買ったとかそんなとこかもな」

「まさか、そこまでして金を借りて私腹を肥やしたとでも?」

「どうせエリーの計画はアーデルハイドが話したやろ、滅亡後に向けて隠し財産でも持ってたかもしれんで」

「まさか、そんな……第1王子に限って……」

「いや、あり得るっすね。アレはアーデルハイドが絡まなければ現実主義者だから立ち行かないことに確信を持っていたらゆっくりと資金を移動させるくらいはしてるっす」

「現実主義者なのにアーデルハイドを取ったのですか……?エリーと婚約したほうが明らかに……」

「現実主義者だからエリーを選ばなかったのかもしれないぞ(小声)」

「どういうことっすか?」

「どっちを婚約者にするかを考えたらエリーは苦労するのが目に見えるだろう」

「これは私が負けたっすね」

「頑張りなさい!クラウ!」

「…………ちょっと厳しい戦いっすね」


 そんな戦場で死を覚悟したみたいい方はやめなさい!

クラウ「(エリーで国家の安定を取って精神疲労するか、アーデルハイドを取って国家の安定と心の平穏を獲得するか)」

クラウ「(エリーを選べばすべての問題は解決できるからやっぱ自分が苦労したくなくて楽な道をいったクズか、国家より愛を取ったダメ男にしかならないっすね)」

クラウ「これは(王子がバカだから)私が負けたっすね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ