まとめましたわね、よし！
ララ「ちなみに私は学院で話す人はいないわ、ヴィリー謹慎中は同級生と会話した記憶がないわ」
「……ま、とりあえず大まかな話は終わったっすか？」
なに他人事みたいに言ってるんですの？
「それはエリーに聞いてくれ」
え？ワタクシ？……まぁ主催はワタクシだからそうですわね。
なんかお腹空いて頭が回りませんわね。
「え？えーとアルベルド司法大臣が亡くなった時にリッパー男爵が旅行で遠出しててはたぶん周知の事実ですわよね？」
「いまさらか？」
「知らんし容疑者だったんか？」
「結局モレルってのでしょ？どうでもよくね」
「それは……そう……」
「ああ、なるほど。そういうことですわね」
「だから周知の事実を挟まなければならないんだ、何のための説明会だ」
「あとはジャック・リッパー男爵とマルゴー・ライエン侯爵が幼馴染でパド家令も同じような関係とか？」
「今更言うことではないやろ！」
「ああ、確かに知らない人は知らないですね」
「まぁ、一族の括りに入る関係だしな、年も近いのか」
「うん……。人間関係でも死後関係が途絶えるとどうしても……弱くなる……」
「その縁もあってか検死を担当したみたいですわね、まぁ倒れて呼ばれて死んだのを確認したくらいらしいですけど」
「ああ、その程度では報告しなくてもそうなるか、どうせ先代のモレル王宮医師統括の毒だろう」
「お茶に飲む薬でも添えてもらったのか？」
「でもヤブだと知って当然の時期だと思うんすけど」
「王命で暗殺してるような人間が自分を殺す可能性なんてないでしょう？まさか殺す気もないのに殺してるとは思わないでしょうし」
「暗殺者はだいたいその気分で殺してるっすよ」
「そっちじゃないやろ」
「理由もなく殺してると思わない……殺される理由もない……実際国王は暗殺事件の捜査をしていたが見つからないから謀反をでっち上げた……本人も国王も覚えがないなら……当然の反応……」
「自分を殺す理由がないのならそりゃ安心するわな」
「善意の処方で人殺してると顔もないっすね」
「軌道の読めない剣戟みたいなもんじゃね？」
「助けるために味方を射殺する弓兵みたいだな」
「陰謀で自滅する貴族ですね」
文字にするとクソですわね。ろくでもなさ過ぎませんこと？ろくでなしか。
「整理すると……。リッパー男爵家がアストレア王妃から王宮部署から追放される、現国王生誕後に先代国王が国王の地位についたところアストレア妃が亡くなる。ジョージ第2王子が誕生する。オーランデルクがロバツに降伏して公爵家がロバツ王国を撃破して追い詰める、しかし馬鹿な貴族が軍事に失敗して中途半端に終わる。王家と帝国皇女の縁談が愚かなる愚者の関連か何かで破談、第1王子妃にグリゼルダ・ライエン侯爵令嬢が決定して、バンサ伯爵家がその母であるシャルロット・ライエン侯爵の政争の結果断絶、オドニー・バンサ伯爵以降は空位、ピアが継ぐまでは放置状態。ジョージ第2王子が不義密通疑惑で賜死、第2王子領解体中にシャルロット・ライエン侯爵がおそらく暗殺、シュライヒャー伯爵が濡れ衣を着せられるかなにかで危険を感じて逃走。そして公爵家が王家の蛮族支援を理由に納税拒否。フリードリヒ第1王子が生誕後にジョージ第2王子の冤罪が発覚。宰相が公爵家、及び派閥、関連している利権関係の納税拒否による財政悪化の心労で急死。ついでにキンゼー家も全滅。現公爵と帝国皇女の婚姻、先代国王は現公爵を内務大臣に任命して融和を図る、ついでに公爵家との融和に反対しそうなジョージ第2王子派閥を粛清。バカ……ヴィルヘルム第2王子生誕。不義密通の容疑者になっていたがグリゼルダ妃を王命で見張っていたジキル・リッパー男爵令息が暗殺される、グリゼルダ妃の死、ジャック・リッパーが王宮医師として王宮に復帰したが先代国王が公爵家に暗殺される。王太子の儀のあとモレル医師が雇用される。アルベルド司法大臣が急死、暗殺？おそらくモレル医師。宮廷画家のトリンクスが死亡、王太子は国王就任と同時に公爵家と敵対宣言をする。愚かなる愚者が死亡、ジョージ第2王子ご母堂のアガサ・キンゼー男爵令嬢が療養の甲斐がなく死亡。司法大臣と近衛騎士団長の交代、騎士団が平民街へ拠点移動。ヘス伯爵暗殺、筆頭医師がジャック・リッパー男爵が就任。ワイトが王宮家令、モレル先代伯爵が王宮医師団統括に就任した時期にシャハトが失脚、マルゴー・ライエン侯爵暗殺でシャハトが逃走。ライエン侯爵家が取り潰されリッパー男爵とパド家令がピアを助命し、おそらくリッパー男爵が政治的には失脚した。こんなところでしょうか？」
歴史の教科書読み上げてるみたいですわね。まぁただの時系列の列挙ですしね。
「流石ですわ、キャス。結局なにをすればいいのかしら？」
「いや、それはわからんやろ」
「ただの……まとめだから……」
「すり合わせだし別にいんじゃね」
「まぁ半分はおしゃべり会ですしね、どうでもいいといえばどうでもいい話ですわ」
「それ言っちゃうんっすか？」
「実際今後の方針は？」
「明日、王太子を決める会議がありますわ」
「ああ、それっすか」
「宰相はワタクシを推薦します」
「は？」
「……え？」
「ああ、じゃあ……」
「ここで取りますわ、だれもバカ王子を推薦しないのは決まりきっていたこと。お父様がなんか最近は負け通しでバカ王子を推薦してましたけどその必要はなくなった、そういうことですわ。ワタクシが王太女を……取りますわ」
エリー「興味が薄くて覚えられないから脚本になりませんか？たぶん事が済めば忘れる程度ですし……」
クラウ「（蛮族すぎる）」
キャス「…………まぁ、死ねばそれまでですからね」
シャーリー「死んだ人間をどうでもいいやつから忘れるもんやしなぁ」
アン「斬り殺した敵兵なんて朝起きたら忘れるしなぁ」
マーグ「斬り殺しても凄腕じゃなければそんあもんっしょ」
クラウ「言われてみれば確かに殺した相手なんて割とどうでもいいっすね」
ベス「（だめだこれ）」
ジーナ「（犯罪者も裁いたあと忘れるけど言ったらコイツラと同じ枠かぁ…）」
