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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
久々のお茶会の気がしますけどなんででしょうね

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まぁ、別にどう死んでてもいいですわね

「どうしましたの?もしかしてあれはクラウの家の?」

「違うっすけど……多彩っすね?」

「そりゃ大道芸人ですもの、当たり前でしょう?」

「そうやそうや、特化型は実際小さい町じゃ厳しいからな、種類増やさんと……ジャグリング一本でやるのは大変やぞ!」

「そう……いうもんっすか……?」

「ワタクシだって多彩ですわよ?」

「それはエリーが貴族だからじゃないっすか?」

「例えばキャスがワタクシくらい劇で演技や見世物できるんですの?」

「できませんね、セリフを覚えるのは容易いですが感情で演技とかそのへんはあまり得意ではありません。私に演技はできないのです。才能が欠落してると言ってもいい」

「まぁ、そうだな。私も見世物はちょっと……剣で丸太切るのはダメか?」

「あーしでもできることやっても仕方なくね?」

「だよなぁ……」

「私……弓上手いよ……?」

「ベスは見世物は出来そうですわね、そもそもベスの弓の腕は真似できないからワタクシでも無理ですわね」

「…………そうっすか」

「その道で食べていくんだしそりゃ、できるんじゃないですの?ましてや大道芸人としては伝説的な人物ですしね。20年もやってますわ、ワタクシがアーデルハイドとブランケット侯爵領で見に行ったときはスタンダップコメディでしたけど……すごかったですわね。何をやってくれるか教えてくれないからドキドキしますわ」

「スタンダップコメディ?それは何やってたんや?」

「王領の政治批判で笑いを取ってましたわ」

「おお、さすがやな、伝説の芸人や」

「やっば、見たくなってきた」

「面白そう……」

「なんで生きてるんですか……?」

「…………市井も強烈だな(小声)」

「これ、リッパー子息と関係があるんですの?」

「多分ないんじゃないっすかね?リッパー子息はちゃんと死んでるみたいですし、というかちゃんと死んでたみたいっすよ?」

「あらそうですの?」

「リッパー男爵家の後継者が死んだとか言ってあとから出てきたら不安すぎるっす、というか信用できないしされたら信頼もできないっす」

「切実ですわね」


 じゃあ本当に死んでるのか。うーん残念ですわね。聞き出せたら結構……。無理か。


「ジキル・リッパー男爵子息は毒殺された、まぁこれだけは確かですわね」

「よく殺せたっすね、隙があったのか……」

「ちなみクラウは毒とかはわかるのか?」

「わかるっすけど……。あくまで使う側で死体を見て多分分かるとかっすよ?見たり舐めたりしてこれはこの毒は流石に無理っす、というか……そんな危ないことしたくないっす」

「毒を慣らせたりとかしたりしないのか!?」

「いや……そりゃあ多少あるっすけど……致死毒は慣らすことはできないから無理っす。そもそも体慣れる毒のほうが少ないし、そんなの使うより致死毒使ったほうが早いっすから……無駄っす」

「そうか……」

「重宝しそうなんだけどな(小声)」

「現実はそんなもの……ヒ素は蓄積するし、鉛もダメ……。現実はそんなに甘くない……」

「ロマンがないんやなぁ……」

「現実ってつまらないものですから……」

「わざわざ命を危険にさらすまでもないでしょう」

「あーしは毒液の訓練みたいなのやってるよ?敵が使うから、まぁダメなものはダメだから防毒訓練のほうがメインだけどね~」

「その状況になった時点で私は負けてるっすから、防毒はともかく毒液塗るみたいなのはないっすね」

「防毒って何をするんですの?」

「厚着で水を弾く装備、想定される毒の中和剤っすね。吸い込むとだめな場合は弾いてるのも危ないので早脱ぎも必須っす」

「ワタクシも早脱ぎは得意ですわ、バッと脱ぐのが得意ですの」

「劇では必須っすからね」

「私は苦手だ……」

「まぁ、軍服脱ぎづらいからね~」

「なんでマーグは得意なんだ?」

「練習の賜物?クラウと同じ感じだし」

「するべきか……?」

「しなくていいだろ(小声)」

「なにか目指すものが間違ってませんか?」


 なんか不安になってきましたわね。でもアンが早脱ぎできるなら騎士でもやらせておけばいいですわね。


「うーん、どうやって毒殺したかは置いておけばいいですわね。別にどう殺してもいいでしょうし」

「リッパー男爵家の人間を暗殺した人間っすよ?」

「でもそこまでするならなにか事を起こしてるでしょう?公爵家がやったかまでは知りませんけど、国王毒殺後あっさり医師団に報復してるリッパー男爵が息子を殺した相手に報復してないものかしら?ワタクシは語られてはいませんし、当時はお祖父様ですし……やったら自慢話くらいはすると思いますわよ?」

「うーん……そうっすね、先代公爵ならそれくらいするっすね……」

「ということは無関係、なんなら王宮部署解体のきっかけになったお父様の暗殺未遂はワタクシがいなかったら死んでましたし、もし報復するならこんなやりやすい相手はいませんわよ?屋敷にこもってるときは襲撃に備えるだけで安全だと思ってたこちらも間抜けでしたけどね」

「解体されて然るべき理由ですよね……」

「別にピアは悪くありませんわよ、あなたの同僚がいけなかったのですわ。ワタクシたちを殺そうとして失敗するから。成功してれば大手を振って歩けたのですけどね」


 失敗してからリカバリーできないほうが悪いんですのよ。

アウグスト・レズリー伯爵「これ、ひと舐めで死ぬ。これ、一口で死ぬ。これ、腹痛になる」

クラウ「覚えられないよ……」

アウグスト・レズリー伯爵「これだから素人は……。あれ逆だったかも……ちょっと匂いを嗅いでみる……ウヴォェ……こっちが一口で死ぬ、ウボォォ……」

クラウ「せめてラベル貼ったほうがいいよお父様」

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