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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
久々のお茶会の気がしますけどなんででしょうね

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バカ王子よりまともってことですわね

 さて、脳みそピンク軽薄尻軽恋愛脳騎士系軍人娘は置いといて……。

 これ本当に置いといていいんですか?ワタクシ不安しかありませんが?


「まぁ、これがグリゼルダ妃だったとして……」

「これ?」

「アンは気にしてはいけませんわ」

「ええ、今大事な話の最中ですので」

「いや、その……行かないぞ?」

「……そうだな(小声)」

「はいはい、わかったわ。今大事な話してるから後でな~」

「少し……落ち着いて……」

「…………わかった」


 アンはこれでいいとして、これでいいのかしら?軍人としては評価が高いから本職では大丈夫そうですけど。意外と部下の男には全くなびかないタイプなんでしょうね。求めるものが違うか自分より強くないとかで。それ負けたらころっと行くってことじゃ……。

 まぁ、流石に仕事の方は問題ないでしょう、忖度で軍人として評価しない。

 そんあ甘いとこじゃないですからね、それにアレクサンダー女伯爵は娘がそんなミスをしたら自分で首刎ねるタイプですわ。

 アレクサンダー女伯爵がそんなだから白馬に乗った王子様求めてるのかもしれませんけど……。


「まぁ、とにかくバカ王子を懐妊したことで調査が始まったと、そういうことですわねぇ。すぐにジキル・リッパーが槍玉に上がり国王がグリゼルダ妃の監視役だからと否定したと。どう思いますの?」


 クラウの知ってる情報にかかるといいんですけどね。名前も知ってたし。どうですの?なんかないのですの?


「リッパー男爵家の子息がそんな狂気的なことするっすかね?教育の段階で切り捨てられると思うっすけど……」

「王家に仇なす家柄でもないしな」

「時代に見切りつけたかもよ(小声)」

「でも追放されてるやろ?恨み真髄かもしれんし」

「王妃監視役与えられてる時点でジャックさんはともかく次代では復帰させる予定だったのでは?」

「どうかね、次代の頃には今の国王なんだぞ?(小声)」

「それもそうだな……」

「まぁ、一旦干すって大事だしね~。忘れたことに戻せば逆恨みもされないしさ」

「ジキルのほうが女癖が悪かったりするのか?」

「リッパー家の個人のことはわからないっす、下手に手を出したくないっす」

「それは……そう……」

「では噂もないのですの?」

「ないあたりは……わるくなかったか……」

「もしくは関係持った女を全員殺してるかってことっすね」

「やばすぎるやろ……。クソ貴族やん……」

「ろくでもないですね」

「もしやってたら断絶させるべきですわね、物騒だったらありゃしないですわ」

「そうですね、女性の敵です」

「いや、流石にやってないと思うっす……。騎士が調べてないなら多分……」

「逮捕されたりしてないと情報的に当時の俺は厳しい(小声)」

「あーしは聞いたことない、未解決事件っしょ?さすがに同一ならもっと騒がれてるし、全くわからないってことはないっしょ。バカ王子が娼館で喚いてるのも、そこら中の店で踏み倒ししてるのも目立つからだけど。警察側と協議はしてるしね。個人じゃない可能性もあるし~。第一さ、普通の事件なら身辺調査をするし、怪しい男がいたらすぐ捜査に上がるっしょ?仮に貴族と付き合ってるにしろ何にしろ、誰の口にも出ない孤独な女がだった場合、それが行方不明とか……敵国のスパイ関係かもしれないし深く調査するっしょ?」


 ド正論ですわね。そりゃそうですわね……。ロバツともピリピリしてるのにお膝元でそんな事件があったらロバツに行って女スパイになって戻ってきたら困りますわよ。


「それは……するっすね……」

「じゃあ、市井の女に手を出して飽きたら殺してるわけではないのですのよね?」

「流石にリッパー家の力を持ってしても帝都の口は防ぎきれないと思うっす。その手のことは噂話としては残るっすけど……。金持ってそうな男と付き合ったら消えるとか、男の影ができた消えるとか、大抵は借金を背負わされるとかっすけど……。貴族は隠しても結構バレるもんっすからね。エリーじゃあるまいし。エリーは聞いたことないっすか?都市伝説みたいな類の話は?」

「まさか……」

「あるのですか?」

「ウチも知らんで?なんや?」

「市井は……エリーの担当……」

「え、どうして公爵令嬢が市井の噂を……?」

「大丈夫だ、気にしなくていい。我々の仲間になったのならその内わかる……」

「そのうち……?」

「ワタクシが聞いたことある中では……王国の孤児院に大量の寄付金をおいていくという噂が……」

「関係ないやろ、それどうせ大道芸人のオートリカスやろ」

「でも公爵領ではそんな事例はありませんでしたわよ、王都とかではよく聞きますけど」

「言うわけ無いやろ……。もしくは困窮してなかったんやないか?知らんけど」

「さすがワタクシの統治ですわね」

「なんだそれは?」

「噂では聞いたことありますけど……」

「私は噂でもありませんね」

「稼いだ金を孤児院においてく奇特な大道芸人がおるんや、そりゃもうすごいで!竹馬でタップダンスしながら手を離してジャグリングして一回転するんや。あれ見てないのはもう……」

「え、そんなことしてたんですの?ワタクシの劇団で公演したときはパントマイムと寸劇とかでしたわ。あとはマジックを……」


 そんなこともしてましたの!ぜひみたいですわ?ワタクシにできるかしら?竹馬は演技で乗ったことありますけど……手放しでジャグリングでタップダンス……。流石に……。

 いや、そんな脚本が上がってくるかもしれないですわね。

 練習をするべきかしら?


「気にはなりますが……」

「正直……見たい……」

「…………?」


 なんかクラウが考え込んでますわね?知り合いがいるのかしら?

オートリカス「この前公演した王領ではゴミを売ってるんですよ!なんて高いゴミだ!よく見ると雑巾!雑巾がこんなに高いのかと思ったら……王領の人間の食料でした!牛のどっからしいですよ!いやー驚き!肉は食べないのかって言ったら、今は領主の館で豚を育ててるのでそっちがモリモリ食べてますって言われちゃって……。その豚どうするんですかって商人の娘に聞いたんですよ。そしたらその豚は王様のお気に入りだって!いや豚が食うものはあるのに平民が食うものはないのか!とよくよく話を聞いたら……その豚は領主だったんですね!どれどれ、どれだけろくでもないやつだと思っていたらですね、商人の娘が領主が毎朝通りを通るというので待ったんですよ!そしたら!なんと!豚でした。いやー待ってまで見るものではなかったですね。あ、その豚?太り過ぎで死んじゃいましたよ!土葬にせず火葬にしたんじゃないですかね、なんたって領都の民が全員食べても余りそうだったから……」

アーデルハイド「これは権力で守るべきでしょ、面白すぎる。ここまで王家に立ち向かう人材はむしろ有用でしょ」

エリー「ええ、私もそう思います(間の使い方、客の反応を伺て畳み掛ける様子……勉強になる)」

アーデルハイド「いいわよね、エリー」

エリー「ええ、いいですよ、大変面白い(腕を対して動かさずとも情景を表現できるのはなぜ?事前の情報の刷り込み?いや違う、引き込まれているからだ)」

アーデルハイド「じゃ、連盟で公認出すけどいいわね」

エリー「え、ああ、うん。いいわよ(聞いてなかったけど大したことでもないか)」

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