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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
久々のお茶会の気がしますけどなんででしょうね

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レズリー伯爵家仕事多すぎませんこと?

「え、引き継いだんか?」

「いや、引き継いだわけではないっす」

「つまりどう言うことなんだ?」

「先代国王にお父様が命じられてレズリー伯爵家の業務に暗殺業務を増やされたっす、ただ……」

「あ、その口調でお父様っていうんだ……」

「ピア先輩、なんか問題あるっすか?」

「いや、別に……」

「まぁ前よりはマシだと思うが」

「前ってどれ?」

「……話すの辞めるっすよ」


 意外と気にしてたのかしら?言われてみれば変といえば変な気がしますわね、親父っていいそうなのに。まぁ別にいいか、昔のほうが違和感あることばっかりだったし……。


「気を取り直して……。もとからレズリー伯爵家は暗殺業務も仕事のウチだったっす。それは諜報の結果、『王国にあだなす人間を討つ』という点で独自裁量権を持っていたっす」

「ああ、それ自体はわかりますし、クラウを見てればそちらの方面で鍛え上げられたことはわかりますわ」

「いや、なんでエリーがわかったんすか?」

「ワタクシを殺しに来た人間と共通するところがあったからですけど」

「エリーもエリーで壮絶だな……」

「普段の感じで損してるからな、エリー(小声)」

「それ取り繕えるなら今頃アーデルハイドと女の戦いでもやってたやろ」

「そこまでして欲しいものじゃないからしないと思う」

「ベスがこうもきっぱり言うか……」

「そんなに暗殺者に襲われているんですか?」


 ピアっていい子ですわね、この場所の清涼剤かしら?

 キャス、本来なら貴方がフォローする場所ですわよ、冷めた眼で見てる……。

 ま、まぁいいですわ。


「それなりに、大抵はば……執事たちが処理してますけどね」


 蛮族をかいくぐってきた連中だけワタクシが手ずから処分して差し上げていますわ。だいたい雑魚ですけど……。

 あの程度で抜かれるなんて執事たちも教育が足りてないですわねぇ……きっちり鍛えて差し上げましたけど。


「ああ、うんそうだな……。キサルピナ騎士長もか?」

「キサルピナ?それはもちろん、暗殺みたいな姑息な手は嫌いですからね」

「うん、さすが騎士の……ん?」

「どうかしましたの?」

「…………ああ、そうか、わかった」


 なんか引っかかって勝手に納得してましたけど、どういうことかしら?小物の処分程度ならキサルピナだって文句言わずにやりますわよ?あとは暗殺者送った相手の報復とかかしら、大貴族相手の暗殺はワタクシが命じても行かないんじゃないかしら?

 ワタクシもそんな命令連発することはないし、大物相手は自ら殺しに行ってこそ貴族というものでしょう?政治的に殺すか、物理的に殺すか、後者だけは自らの手を汚さないと誰も付いてきませんわ、軍人であるアンならわかるでしょう?

 ときにアンは軍人として生きるのは窮屈のように思えますけど、本当に騎士として生きていたら騎士の生き方に悩んで破綻するか破滅していたかと思いますわ。

 騎士というものは思ってるより高潔でも立派でもなんでもないんですからね。

 ただ、キサルピナの生き方と強さが騎士に上手いところ刺さった、それだけのこと。キサルピナには本当はマーグみたいな自由な騎士を目指してほしいところなんですけどね。

 そうでしょう、あほらしそうに聞いてるマーグ?


「エリーは暗殺させてないのかってさー」

「やり返す際に文句をいうほど愚かな子ではなくってよ?」

「うむ、先に手を出したほうが悪いからな。暗殺のやり返しは自業自得でしかない、後ろめたくもあるまい」


 そういうものかしら?ただちょっかいかけた相手を処分しただけですけどね。

 ゴミはゴミ箱に、基本でしょう?ワタクシは侍女やメイドにそれをさせずなるべく自分で捨ててるだけのこと。たったそれだけのことですわ?

 まぁ、勝手に捨ててくれたら楽ではありますけどね。


「騙されるなよアン、エリーは暗殺はしないとはいってないぞ」

「……?何を言ってるんだジーナ、エリーなら暗殺の100人くらい平気でやるだろう?」


 え、ワタクシの評価低すぎません?それもう暗殺じゃなくて普通の粛清ですわよ?一緒にしないでくださいまし、それは政治的な勝利の証みたいなものですわ。

 粛清の数だけ勲章を貰えるのなら3つくらいもらえてるはずですわ。アーデルハイドはワタクシより多分多いでしょうけどね。

 そういえばワタクシがやったことにしてましたわね、まぁ手伝ったのはワタクシですから別に同じようなものといえばそうですわね。じゃあクラウにも責任を背負わせるとして……。


「それくらいやるのはクラウでワタクシではありませんわ、ワタクシはちゃんときっちり殺します」

「え、私もそんな殺さないっすよ!せいぜい小物くらいっす」

「2人共やりはするんじゃないか……」

「そっちは……そうだけど……」

「私は絶対殺さなければいけない人間はこの手で殺すと決めているので」

「蛮族そのものじゃん」

「貴族なんて蛮族にきれいなおべべ着せただけの存在ですわ」

「それは否定できないな、私もこうして没落してるわけだし」

「ほーら、貴族なんてお高く止まってるけど一皮剥いたら下劣な品性の野獣みたいなもんですわ!」

「それ蛮族側か平民側が貴族に言うセリフだと思う」

「本質的に蛮族なんだろ」


 蛮族の教えのおかげですわ!

エリー「こんにちわ!暗殺しに来ましたわ!」

キサルピナ「見届人です」

蛮族達「ほら、戦う気概がないならママが出るまでもなく殺してやるぞ、剣を取れ」

エリー「ダメですわ、この男はワタクシが殺すと決めているのだから、たって剣をとりなさい、ないなら貸して差しあげますわ」


エリー「どうやら新聞によると病死のようですわね」

キサルピナ「怯えてショック死は暗殺なんでしょうか?」

エリー「…………わかりませんわね」

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