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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
久々のお茶会の気がしますけどなんででしょうね

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179/561

ろくな王妃がいませんわね、この国の王妃は

次期王妃アーデルハイド(故人)「は?」

クラウ「(まぁ、そう……)」

「とにかく、側室の血筋の関係上でジャック・リッパー男爵を王宮部署においておきたくなかったっす。アストレア先代王妃からしたらジャック・リッパー男爵は絶対に姪のアガサ・キンゼー男爵令嬢に肩入れすると思うっす。そもそもジャック・リッパー男爵は先代国王の側近の一人、そして親友、王宮部署を牛耳る一族、そのうえ側室の叔父。シャルロット・ライエン侯爵は当時から次期宰相候補の一人で先代のライヒベルク公爵と親しい。こちらも側室のアガサ・キンゼー男爵令嬢に肩入れするでしょう、あるいはライヒベルク先代公爵が肩入れしてくるかもしれない。と思うのは当然のことっす。オーランデルクは王妃が嫁いでから支援を増やしてほしいとねだり続けていたっすから……それが蛮族対策を蔑ろにしてロバツ対策、しかもまともに運用してるか怪しいオーランデルクにまわしていることがライエン侯爵家とライヒベルク公爵家から不満が出てたっす。だからアストレア先代王妃は自国の利益を第一に考えて親オーランデルク派閥を構築するため、王宮部署監督官を家職にしていたリッパー家を王宮から追放したっす」

「嫁いできてそれですか、嫁ぎ先の利益も考えずに小国がそのような……」


 キャスがイラッとしてますわね。まぁ、そういう私利私欲の強い偉い方は嫌いでしょうしね。

 本来嫁いできた王妃は、母国と自国の利益や有力派閥の人間関係その調整をして然るべきなのに一方的にそのようなことをすればサミュエル王国の貴族からは総スカンですわ。敵の敵は味方であってもいずれ自分がそう切り捨てられるだろう、それが王妃で権力を持ちその息子は王太子になるかもしれない。

 それを見て第1王子が育てばどうなるか?と考えたら嫌だったでしょうね。実際は産後の肥立ちが悪くてすぐにお亡くなりでしたけどね。


 これ本当に病死なのが驚きですわね。当時の王国貴族は喜んだんだか、それとも驚いたんだか……多分悲しんだ人間は少ないでしょうね。

 確か婚姻年に出産してそのままだったかなんとか?

 引っ掻き回して新しい体制を築く前に亡くなったらぶっ壊しただけで終わりですしね。さぞ困ったでしょう。少なくとも先代国王筆頭に皆が頭を抱えていたでしょうね、重用していた人間が減らされ重用してなかった人間が台頭して、恩を売るべきアストレア妃は王妃になる前に亡くなる。

 かろうじて残った重用していた人間と引き上げられたが調整役のいない好き勝手する派閥。いきなり片手ごと消えるようなものですわね、挙げ句に義手まで消えたらどうすればいいのか?


 かといって追放したばかりのリッパー男爵家を戻せるかと言われたら、まぁ無理でしょうね。一度は追放に賛同しただろうとつつかれればすべて元通りにしなければいけない、これに合わせて先代国王も面倒な人間を追い出したんでしょうしね。

 おそらくアストレア王妃……いや、オーランデルク側は嫁ぐ前からリッパー男爵家を追放するために色々考えて、手を回していたのでしょう。小国らしいですわね、それロバツ相手にすればよかったのにどうして嫁ぎ先でそのような真似してるんでしょう?だからボロ負けしてロバツの属国に成り下がるんですわ。

 味方に手を出して敵には打つ手がないって本当に使えない国だこと。まぁ滅ぼす国などどうでもいいですわね。


「実際当時のロバツは強かったからな、オーランデルク戦線に兵をわかえるか共同攻撃をしてくれれば少しはマシになるし、致し方ないといえば致し方なしとしか言えんな」

「まぁ、騎士団も大変だったらしいよー?だからといってそんな暴挙じゃ宮廷貴族だって怖くてやってらんないよねー、ウケる」

「建前がなんでも家職持ち貴族の追放は問題でしょうね、でも問題なく回っていたということは……まぁ、なんちゃって家職化してたのではないんですの?じっさいワタクシ達が王宮部署を解体した際には……」

「リッパー男爵家の家職は王宮部署監督官だけではないっす」

「あらそう、嫌な予感がするわね」

「リッパー男爵家は王宮部署監督官を表として……王家の命令で暗殺を暗殺を実行する王家直属暗殺組織のトップだったっす」


 うっわ、めんどくさいですわね……。

 なるほど、彼が追放されてノウハウを失ったとそういうことですか。ワタクシ達を殺しに来た暗殺者はとてもではないですが……あらゆる面で足りなかったですわね。

 能力自体はまぁ、悪くないが色々と詰めが甘い。そう見受けられましたわね。

 そう考えると表はともかく裏は回って……嫌……おかしいですわね。


「王宮部署解体時はジャック・リッパー男爵は王宮医師団の筆頭医師でしたわよね?」

「そうっす!」

「王宮部署に指示は出来なかったんですの?」

「そもそも王宮追放を受けてから20年以上経ってるっす、筆頭医師になってから解体まで4年くらいだと……そもそも部署全体に指示を行き渡らせられるか、代替わりでどうなっているのか、強大な力を持たせないよう男爵の地位だったリッパー男爵家にそれを維持する王宮部署の地位の人間がどれほどいたのか、と考えると……」

「一緒に追放されていた?」

「と、思うっすけど……ジャック・リッパー個人に暗殺の噂があるということは……」

「そういうことですわね……」


 完全に手駒が尽きていたか、消されたか……。

エリー「そもそも王妃になる前に死んでるから誰も王妃じゃないのは笑えますわね」


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