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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
久々のお茶会の気がしますけどなんででしょうね

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伝家の宝刀を抜いて戦うっていうんですの?

「え……っと……。リッパー男爵家は王宮部署の監督官を家職にしていた……らしいよ?」

「あらあら、代々の仕事でしたのねぇ……。クラウはそれを失念してしまった、と?」

「そうっす!記憶になかったっす!」

「リッパー男爵家の家職が王宮部署監督官だったことも、実質的に追放されたことも記憶にないのね?」


 前者も記憶から抜け落ちてたのよね?リッパー男爵家の先代であるサッチ・リッパーが王宮部署の監督官だったことは覚えていたのに?そして実質的な追放に関してもわからない。

 いや~困りましたわね、人生わからないことばかり、政治ゲームもわからないことばかり。魑魅魍魎がいる伏魔殿のことはわからなくて当然ですわね~。


「記憶にないっす……」

「ああ、なんということでしょう!王家の諜報を司るレズリー家が!その娘が!こんな重大ごとを忘れてたなんて!」

「エリーも人の名前とか忘れるっすよね」

「名前ならいいほうだろ(小声)」

「しっ!ワタクシは興味ないことは忘れるからいいんですのよ、他の誰かが覚えておけば。でも諜報のレズリーの最高傑作を自称する貴女が忘れたとはとても思えないんですけど?」

「当時は8歳だったっす、それくらい忘れてるに決まってるっす!」


 そう言われると……ちょっと弱いですわね。ワタクシは蛮族との生活とアーデルハイドとの出会いによって私からワタクシになったのですから。

 クラウがクラウとして確立していなかった可能性を突かれるとこちらとしてもいわゆるパワーハラスメントみたいになりますわね。

 お前はできる!絶対できる!出来ないわけがないと口だけで文句を言っていざ出来たらワタクシのお陰でしたわね!というのはちょっと淑女的ではありませんわね。


 当時の能力的にまさかとは思いますけど、この手のことで守りに入られると攻め手にかけますわね……。

 なんであえてリッパー男爵家のことを伝えなかったのか。これは非常に疑問ですわ。

 ジャック・リッパー王宮医師が暗殺者である噂と関係してるとして……。

 いや、でも複数の調査をしましたけどワタクシとお父様の暗殺未遂にはほかに関与がなかったのは確かですわ、それは確実。

 仮にレズリー伯爵家が握りつぶしたとしても、クラウが握りつぶしたとしても、イデリー伯爵家が握りつぶしたとしても、キャスが握りつぶしたとしても、一切網にかからないということはありえない。

 もしもベスが握りつぶすか、もしくは報告しないような確実性皆無の噂であっても彼の名前すらあがらないことはありえない。


 つまり、間違いなくワタクシとお父様を暗殺しようとした王宮部署の主犯格の中にリッパー医師はいない。

 つまり無罪。王宮部署解体後に大臣室や省庁のお偉方の出先機関は潰して元の省庁の人員に戻った。容疑者は始末したけども……。

 王宮大臣執務室、王宮医師団、侍従待機所、王宮管理課、女官課、あとは王宮図書課。

 主導したのは侍従待機所のメンバーだった。間違いなく王家が絡んでいるが正式なものではなく匂わせで命じたもの、もとい勝手に自分で判断して勝手に実行してワタクシ達に殺された愚か者。だからこそ届かない。

 これをもって連中の牙をもぎ取ったと思ってたんですけどね……。


 王宮大臣執務室は先に述べた通り、一部容疑者の始末……そういえば始末したのってどこの所属の誰だったかしら?まぁ覚えてないしいいですわ。

 王宮医師団、全く関係なかったですわね。まぁモレル医師の『治療』頼りだったからってのもあったんでしょうけど……。まったくリッパー男爵のことは出てなかったはずですわね。

 侍従待機所、ほぼぶっ殺しましたわ。生きてるのはごく僅かな下級の従者のみ、従僕に至っては今では薄給で存在しないので従者を従僕として見せてるとかベスが言ってましたわね。侍従も結構殺しましたしね。数人いるかどうかでしたっけ?

 侍従>従者>従僕の中でトップと最下層が消えて真ん中もスカスカ、そりゃあなくなりますわよね、王宮家令がすべてやるから問題なしですわ、まぁワイト王宮家令は王太子の儀のあの事故で一緒に亡くなったと聞きましたけどね。

 王宮管理課、当時は覚えてませんわね……。ただ数人は殺したはずですわ。もっとメス入れておけばよかったですわね。徹底的にやるには関わりが薄すぎたのが良くなかったんでしょうけど、まぁ今では消えて無くなったし問題ありませんわ。

 女官課、同じく侍従待機所並みに殺したと思いますわ。利用されてただけなのは王宮追放、真っ先に公爵家に情報を売った侍女、メイドは褒美を与えてあげましたわね。

 まぁ同じ数くらい殺しても元々女官のほうが多いですからね、結構残ったはずですわ。

 侍女とメイドで功績あった方々はお金を持って実家に帰っていきましたけど、今のメイドの給金考えたら結構な金額だったのかもしれませんわね。

 王宮部署案内役ってこの部署だとほぼトップクラスですわね、上には数人しかいないんじゃなくって?

 王宮図書課、ベスの牙城ですわね。シロどころかワタクシ達の反撃の拠点になってたぐらいですし。

 ここは王宮図書館として完全に独立しましたわね。


「ベスは覚えてましたのよね?」

「うん……。色々聞いてたから……あくまで噂だけど……」

「じゃあクラウ?思い出したでしょう?リッパー家について語りなさい」

内務大臣「記憶にございません、宰相の管轄では?」

宰相「記憶にございません、内務大臣に聞いていただきたい」

外務大臣「記憶にございませんなぁ!書類は?ほかに聞いていた方はいましたか?そんな我が国が不利な条件を本当に私が提案したんですかねぇ!これはおかしいですよ!」


クラウ「(流石にあれは無理だな)」

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