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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
久々のお茶会の気がしますけどなんででしょうね

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何もわかりませんわ、どうするのが正解ですの?

 まぁ、とりあえず自己紹介も終わったことですし……。

 えっ?いまから何をするんですの?深い話をこのピアさんの前でしますの?

 いや、それは流石に……。


「改めまして……シャディ、いやえーと……」

「クラウっす、そういえば正式には名前を名乗ってなかったっすね。クラウディア・レズリー、レズリー伯爵家の令嬢をやってるっす」


 私が考え事をしてる間に名乗ってなかったのね、まぁそれもそうか。真っ先にクラウが名乗り始めたらそれはそれで驚きますしね。


「えっ、伯爵令嬢……?」

「そうっす!」

「なんであんな安い給金で王城でメイドを……?」

「仕事っす!」

「いや……どうしてあんな劣悪な職場で伯爵令嬢が仕事をしてたかって聞いてるんだけど……」

「それが仕事だからあんな仕事やってたっす!」

「はー……王家ってやっぱろくでもないのね」


 それはそうですけど……。

 多分意味合いが違いますわ、あくまでレズリー家として諜報の仕事でやってただけですし。

 まぁ、あの給金で働かせるのはひどいですわね。仕事内容は知らないですけど。


「どうりで仕事終わらせたがるわけね」

「それは別っす」

「え、じゃあトラ……」

「それは秘密っす。ね?」


 トラ?王家は猛獣でも飼ってますの?流石に聞いたことないですけど。


「とにかく、お願いは聞いたっすよ?あとは……直接どうぞっす」

「ええ、急に?もっとこうとりなしとか……」

「つれてきただけでだいたい私の仕事は終わってるっす!面倒なやりとりはエリーは嫌いだからさっきのまま話してればいいっす!」

「え、いや流石に公爵令嬢相手に……」

「かまいませんわ、お好きなように話してくださっても。ワタクシたちはまだ互いのことを知らない、果たしてどう接していいかもわからないところから始まるのです。お好きなように。貴方の立場を話してくださる?過去でも今でも未来でもかまいませんわ」


 まぁよくて元貴族、もしくは不義の子で微妙な教育をさせられて王城に送られた。

 もしくはその延長線上で実家が断絶しそうだから隠し子か不義の子かわからないけど呼び戻されて、家を継ぐから別の家か王城で教育を受けてるとか、まぁお話ではよくあるんですけど……。

 現実でもよくあるんですわよねぇ……。これだから貴族は……。

 ワタクシに知らない兄弟姉妹出てきたらどうしましょう?お母様がお父様をしばき倒すのはわかりますけど。その場合、公爵家の継承にでてきたら……まぁ殺すとして……。

 非現実的かどうかと言われたら可能性自体はあるんですわよね。キャスにしろ、ベスにしろ、ジーナにしろ……可能性はありますわね。

 多分ありえないのは諜報を司る家的にクラウのレズリー伯爵家、あとは妻にベタ惚れしてるマーグのバルカレス男爵家、あとは継承的にアンのアレクサンダー女伯爵家でしょうね。

 アンの家なんて夫の浮気相手が何人子どもを産もうともアレクサンダー女伯爵家を継承できるわけじゃないから無意味も無意味ですわね。

 離婚されてついでにどっかで戦死しするんじゃないかしら?軍人でしたっけ?あんまり覚えてないですけども。


「率直に言わせていただきます。公爵家は私を害しますか?」


 え?なんでですの?我が家に喧嘩売りましたの?ワタクシに覚えはないからお父様相手かしら?

 だって、あなた貴族ですわよね?


「害されるようなことをしましたの?あいにくとワタクシに覚えはありませんが。ひょっとしてワタクシのお父様相手かしら」

「いまは特になにもしておりません、しかし今後は害されるかもしれないので」


 まーったくわかりませんわ。反公爵派閥の人かしら?

 クラウ?……も微妙な反応ですわね、なんですの?皆様も会話に入ってきて盛り上がりましょう、ほら……今日はやけに皆さん無口ですわね。

 どうしたんですの?お茶会ですわよ?葬式でも秘密結社の会話をしてはいけない集いでもありませんわ?


「一体何をするのか気になりますわね?」

「私がする気はなくても担ぎ上げられる可能性があることは十分あるでしょう?」

「あらあら、たしかにそうですわね。家名というものは面倒なものです、あらゆる利点がある代わりにあらゆる災厄が降りかかる。あったほうがいいのか、それともなかったほうがいいのか……わからないものですわ。あるいは持っているからこその悩みで、持っていない人たちからある方が良いに決まってると返されるかもしれませんわね」

「ええ、失ってから気がつくものの一つだとは思いますわ」


 元貴族?かしら?まだわかりませんわねぇ。

 うーん……なんというか、まだるっこしいですわね。

 まぁ向こうの立場で考えたらいきなり大臣やら国の重鎮の娘たちが部屋で待ち構えてたんですし、言質を取られたくはないでしょう。言葉に気をつけたい気持ちもわかりますわね。同じ立場になったとしても、ワタクシも多分同じような対応をしますわね。

 元貴族だったとしたらなおさら、今日屋敷に来たことすら消されるかもしれないわけですしね。あー恐ろしい恐ろしい。

 まぁまぁ、そうなると仕方ありませんね。向こうに合わせていきましょう。

 貴族的で迂遠なかったるい会話をしながらね。

クラウ「(あやうくトランプ賭博で遊んでるだけってことを暴露されるところだった)」

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