表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
久々のお茶会の気がしますけどなんででしょうね

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

161/559

ワタクシはエリーゼ・ライヒベルク!なんですの?この空気

「となるとテーブルは……しかし、どこのものかはわかりませんがこの木材はバーゼルのものでは?装飾もよいですね、この装飾はあまり見た覚えがありませんが……」

「ええ、当家お抱えの職人ですが元々は北方の人間です」

「ああ、だからバーゼルの!バーゼル山脈から切り出したのですか、それはさぞかし高いでしょう。蛮族もいますし」

「ええ、ですので北方の家具職人としては一級の人間です」

「どのような方なんでしょう」


 蛮族ですわ。

 って言ったら驚くかしら?話が盛りがってますわね、アンもそろそろ戻った?まだツボに入ってますわね、戦場だったら死ぬんじゃないかしら?


「小さな村の職人でしたがお嬢様がたまたま作られた品々を見てお抱えになって……」

「あら、この品質で作れる人がフリーだったのですか!それはまた……」

「ええ、詳しい話はお嬢様からお聞きください」


 あっ、気を抜いてたらワタクシに戻ってきましたわ。でもタイミングはいいですわね、さすがモリー。

 そもそもワタクシのターンだったことないですけども……。


「ごきげんよう、ワタクシはこの屋敷の主……」


 いや、屋敷の主はお父様ですわね。

 まぁ別にいいですわ、些細な違いでしょう。どうせ将来的にはワタクシのものに……いや、王城に住むでしょうしそれはないか……。

 まぁ誤差ですわ誤差、問題なし!

 それに家の美術品はワタクシの差配ですし大丈夫でしょう!いわば館の主と言っても過言ではありませんわ!

 そもそもお母様も外国ですしね、ワタクシが女主人をやることに何の問題もありませんわ、はい問題なし!


「この屋敷の主であるエリーゼ、といえばお分かりかしら?」

「いえ……」


 恥ずかしいですわね……。ワタクシ知名度ないんですの?令嬢だから?でもこの方も多分令嬢ですわよね?

 ただの平民がこうもブランドに詳しいわけがないですし、茶葉はともかく……木材も当ててたり結構知識はありますわ。

 なんだかんだ言って立ち振舞いも貴族的ですしね、微妙に齟齬があるような気はしますが……女中のようでも有り貴族のようでもある。侍女かしら?

 でも……うーん……なんか引っかるんですのよね。

 微妙に何かをなかけ違えてるような……。


「ワタクシはエリーゼ・ライヒベルク、泣く子も黙る公爵令嬢ですわー!」


 決まりましたわね……。さぁ、驚きなさい!


「…………」

「…………」


 あれ?扇子バッとやったほうが良かったかしら?

 なんですの……この沈黙?えぇ……なに?みたいな表情止めていただけますこと?

 昔のお母様みたいな目でワタクシを見るのは止めなさい!


「…………」

「…………」


 いや、負けませんわ。この沈黙が何だと言うんですの。

 この程度で勝ったと思わないことですわ。

 クラウ!なんとか……目を逸らしている……?

 いや、なぜ……キャス!カップを見つめてますわ。マー……誰もワタクシを見ていない……。

 これが孤独というものですの……?

 え、ワタクシ最初の計画だとこれ目指してたんですの?キッツ……。

 頂点に立ってこれ?友人である皆様とトップを目指してよかったと心から思いますわね。

 で、皆様?この状況に救いの手を差し伸べたりは……。

 いたしませんこと?


 いたしませんこと!?


 このままではなんか呼ばれてきたけど急に偉そうな屋敷の主が名前を名乗っただけで終わるじゃないですの!

 なんとかならなくてもなんとかしてくださいまし!

 キサルピナ!ママの危機ですわ!今すぐ王都に来て、なんとこう……なんとかできませんの!

 誰でもいいから助けてくださいまし!


「お嬢様」


 モリー!さすがは我が公爵家のメイド長!

 この空気を打破してくださいまし!


「クラウディア様に席をお勧めになったほうが……」

「え、ええ……そうですわね、クラウ、おかけになってあとそちらの……」

「はい、こちらは私が今お世話になっている場所の先輩である……」

「ご挨拶が遅れました、ピアと申します」


 あ、これ知りませんわね。ワタクシ本当に知らない人ですわ。

 ピアなんて……うーん?やっぱ知らないですわね。家名もないし……。ここで伏せる意味なんてないでしょう?本当に一般人?平民?

 よくよく思ったら下位の方って直接名乗ってはいけないんでしたわね、仲介者の紹介がないと自己紹介も出来ないとかあーめんどくさ。

 蛮族がいかにコミュニケーションでは楽であったかを思い知りますわね。

 ここに来た時点でわかってたようなものでしょうに、そんな面倒なこと考えずにこんにちは!ピアです!よろしくお願いします!とか言えばよかったんですわ。

 ああ、ダメか……。キャスがブチ切れますわね。


 ん?でもそれを知ってクラウの紹介を待ってたということは……やはり貴族ですわよね?

 どこかに仕えているだけのものだったら紹介なんて待たずにどこぞの使いとか、そこで働いてるピアですでいいはずですわよね?

 連絡は迅速にが貴族のモットーですし、まぁ迅速にする割に悠長に先触れ出してダラダラと馬車で行きますけど。

 本当に迅速のときは馬でもかけて急いで伝えればいいのに、ああ……してますわね。

 そう考えると案外迅速に連絡するほどの出来事ってないんじゃないかしら?

 いや、そんな話はどうでもいいですわね。

 少なくともこのピアという方は……。


 あ、なんか考えてる内に皆の自己紹介が終わってましたわ。

クラウ「(身分的に紹介がいるのか?いらないのか?でも客だしどっちだ?)」

エリー「(チラッ)」

クラウ「(あとでキャスがうるさいから責任を負いたくない)」

キャス「(貴族なのかただの客人か、それとももっと別物か……。クラウが紹介しないということは貴族ではない?)」

マーグ「(知らねーし)」

アン「(沈黙が面白い、もうなんでも面白い…)」

ベス「(……どっちの立場かわからない、パス)」

ジーナ「(屋敷の主人とクラウが決めること、俺は知らない)」

シャーリー「(何やってんのや、こいつら)」

エリー「(助けて……)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ