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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
久々のお茶会の気がしますけどなんででしょうね

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そういえば自分のことは説明してないな

「では、シャディ?貴女の主人の元へ行きましょうか。上司?どっちでもいいけど。服装はこれでいいかしら?もっとまともな服装がいい?令嬢みたいな。それとも変装したほうがいい?」

「いえ、そのままで大丈夫ですよ」


 エリーが服装なんか気にするか。よほどの格好でなければ何の興味も持たないぞ。

 むしろ乞食の格好でもしたほうが受けが良いかもしれないが……。

 いっそそう言うか?いや、からかわれてると思うかな?

 変装の一環だと思ってもエリーと会った際にギャップ狙いでピア先輩なら淑女的な発言をするだろうからエリー的にはつまらない判定か。

 …………そのまま会ったほうが一番マシだな。


「馬車を出したほうがいい?」

「いえ、こちらから出します」


 周辺に待機してるからな、お茶会に遅刻するから置いておいたが……。

 とりあえずこれでいいだろう。


「馬車をバンサ伯爵邸にいれるわけにはいけないので普通に出ましょう」


 そもそも騎士団ならごまかしが効くんだが……。面倒だからな、騎士団もここの警護してるやつは元関係者かもしれないし……このへんはマーグに聞くしかないが。

 友人同士の買い物ということにしておけばいいだろう。


 などと考えていたもののあっさりと警護の騎士に見送られた。

 本当に警護以外はどうでも良さそうだな。いいのかそれで?まぁ屋敷を守れば良しで中の人間はどうでもいいと伝えられてるのかもしれないし、引き継ぎ連絡ががずっとそれなのかもしれない。騎士団が悪いかと言われるとどうだろうな?

 人員がいないから騎士団をこき使ってると思っているか、楽な仕事でサボりか激務の間の癒やしか微妙なところだろう。


「ここを通るの?ここって……」

「今は大丈夫ですよ、家のものが見張っているので、掃除も済んでるでしょう」

「家のもの……やっぱりそこそこ大きいのね」

「まぁそうですね……そこそこです」


 レズリー伯爵家ってそこまででかい家でもないしな。諜報担当ででかい家だとうっかり乱心して殺されるかもしれないからな。王が殺すかレズリー伯爵家が殺すかの違いでしかないけど。

 裏通りを直進して、道を塞ぐように止めてある馬車に乗る。

 御者である私の部下は私以外に一人乗ったことを裏通りから見えているが何も言わない。よく出来た部下だ。


「このままお茶会へ」

「かしこまりました、お嬢様」


 コイツ……普段言わないようなお嬢様なんてこと言ってからかってきやがったな。

 どこまで把握してるかは知らないがここで立てるほうがいいと判断したな。

 間違ってはいないところが腹ただしい。


「お嬢様だったんだ、どこの令嬢?」

「秘密ですよピア先輩」


 まぁこの馬車には家紋はないからな。かといって何かあれば御者がレズリー伯爵家のものである証明をするから家紋の有無なんてどうでもいい話なんだがな。


 ここから10分くらいか?さてそれまでの間どう伝えておくかだな。

 あれは……パンチが強いだろう。


「一応普通に接したほうが良いとだけお伝えしておきます」

「上役の方ですか?」


 流石に上司から言い方は変えたか。貴族令嬢か馬車を所持する商家か何かの令嬢だと思ったのだろう。

 そんな大層なもんではないとは思うんだが……。


「友人ですよ、普通にしてればいいのです。喧嘩を売らずに侮りもしなければそれでいい。敵対しなければそれで良し。それだけです」

「友人……ね」


 まぁ怪しむよなぁ……。自分の勘が不発してるんじゃないかって思ってるのかもしれない。

 私がこの勘を侮れないのが私とレズリー伯爵家の使いをみて働いた、という部分だ。

 これでお茶会でライエン侯爵家かバンサ伯爵家の話をしていた場合、私はまっ先に生き延びたライエン侯爵家の息女を調べる。

 そうしてライエン侯爵家息女が財産を持っていることなどを把握して、信用できる部下や家臣団が近衛騎士の粛清で消え去っていることを把握したら?

 エリーはどう出るだろうか?近衛騎士をけしかけてきた元ライエン侯爵家の息女と見るか、完全に貴族世界から排除され部下の暴走を諌められなかった無能な元貴族令嬢と見るか……。

 どちらに転ぶとしてもけじめを付けさせるな、命を取るかはわからないが……喧嘩を売ったとまでは思わないかもしれないが何らかの手段に出るとは思う。


 おそらくそこで勘が働いたのだろう。

 私がお茶会に行く前に行動に出るようにと勘が働いたんだろう。

 まぁ……おそらく使える勘であると思うしかないんだ。これならこちらに入れたほうがいい……。


 馬車のカーテンは閉めてあるがチラリと見える景色から公爵家に到着するであろうことがうかがえる。

 すでに空いている門をくぐり屋敷の前に止まった。


「到着いたしました」

「ありがとう。では行きましょうかピア先輩」

「ええ、ありがとう。こちらは?どなたのお屋敷なのですか?」

「直接会ったほうがよろしいでしょう、入りましょうか」


 侍女たちに玄関を開けてもらい、いつもの茶会をしてるであろう部屋に向かう。

 勝手知ったる友人の家、案内役もおらず、というよりお茶会中は近寄らないようにしているらしいが……とにかく屋敷内をスタスタと進む。


「遅れたっす!」


 扉を開けた時ピア先輩の顔は驚愕していた。

 もっともそれはエリーたちの存在ではなく私の言葉遣いの方だったようだが。

ピア「(なんで急にそんな口調に!?)」


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