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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王家の狂騒曲ですわー

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やーっと終わるんですわね!

「はぁ……何に関して揉めていましたの?政争にもなるような」

「お気持はわかりますが……。第1王子婚約者と第2王子が血縁ですから揉める理由自体は何でも良かったかと、今後の主導権争いでしょう。ライエン侯爵家はシャルロッテ様が当主、バンサ伯爵家はオドニー様が当主。互いの意向がぶつかり合えば破綻するのは目に見えています。政争内容は私は存じませんが……」


 あーでたでた、お約束のやつでしょう?

 主導権争いで親族殺すなんてよくやることですわよね、まったくみっともない真似ばかりよくもまぁ……。

 殺すのは無能だけにしておきなさい。ウチのベルク大叔父みたいな。


「えーと?バンサ伯爵の血縁は先代……あれ?どれでしたっけ?」

「当代、と言っていいのかわかりませんが現状において最後のバンサ伯爵であるオドニー・バンサ伯爵の弟がいました。彼は継がなかったので拒否をしたのでしょう」

「どなたでしたの?」

「わかりません、血縁をあまり出さないタイプだったのでしょう。大体はあの家の縁者などというのですが……。司法の誰かが確認を取りに行ったと思われますが……。バンサ伯爵家が空位になって20年近いのでよくわからないですね、調べることもできますが……司法だけでは……」

「どちらかといえば典礼大臣の範囲ですね、紋章官も統括してますし。そこで情報公開を止めるように頼んだのでしょう。司法に漏れていないということはそういうことです、犯罪ではないですし正式には本来典礼大臣の職務ですからね」

「なるほど……。法とはいえそこは爵位継承ですので典礼省の方に行くのですね」

「宮内の職務が王家家令や王宮家令と同じで分離した結果ですね。典礼の名前の割に貴族に対する権限は強いのですよ、まぁ爵位授与はここ最近あったかどうか、断絶は多いのでなんともいえませんが……先代の典礼大臣は娘を推薦して他国に旅行に行きましたからね」


 だいぶ昔ですわね、この後にライエン侯爵のシャルロッテ様が亡くなるのですからそういうものですわね。

 ワタクシにとっては生まれる前の話ですしねぇ……。

 それにしても他国に旅行ですか……旅行って本当かしら?

 女系だから本当に開放されたかのごとく旅行に行ってる可能性はありますけども……。


 とにかくバンサ伯爵家の一番近い血縁はいるが不明でいいですわね。


「バンサ伯爵の近い血縁はそこだけだということですわね、それではキンゼー男爵家も断絶でジョージ第2王子も賜死で途絶えてますわね……そうなると」

「グリゼルダ王妃の血縁でいいのならバカな方の第2王子がいらっしゃいますが?」

「バンサ伯爵の財産をぶんどると?」

「興味がないとは思いますがね……。言われれば出しゃばって持って行くでしょうが」


 まぁ……そうでしょうね、そんな頭は回らないでしょうし。

 わざわざ吹き込むようなのもいないでしょう、ああいましたわね、アンの婚約者だった、まだ婚約状態でしたっけ……?えーと……バカのあれ、あの名前なんだったかしら?ダメですわね、覚える価値がない人間はよくすっぽ抜けていきますわ。

 我が子にしろ領民にしろ全員覚えてられるんですけどね……。

 でもバカだから無理ですわね、安心ですわ。

 これを婚約者にしてましたの……?アンって前世で悪魔か暴君でもやってましたの?一体何がどうなったらこうも残念な……。婚約でアレクサンダー女伯爵家が何を得たのか疑問ですわね……。


「それにライエン侯爵家の血縁もおりますからね」

「あら?息女の方は行方はわからないんですわよね?それにライエン侯爵家は……」

「バンサ伯爵家の継承に関してはライエン侯爵家の断絶も取り潰しも関係ありませんからね、仮に名乗り出たら継承する可能性は大いにあるでしょう。そもそもバンサ伯爵家が取り潰された際はライエン侯爵家は健在でしたし、政争で倒した側が財産と爵位継承を名乗り出ないでしょうしね……」

「そんなことしてくる有力貴族なんて手を組んででも潰すしかありませんからね……」

「下級貴族ほど逃げますから普通はしません、多分バンサ伯爵の継承に関してもシャルロッテ様が一蹴したのではないでしょうか?聞きに行かないということはありえませんし」

「まぁそうでしょうね」


 ということはバンサ先代……ややこしいですわね、最後のバンサ伯爵の叔父と最後のライエン侯爵の息女がバンサ伯爵の継承権があるということですわね。

 ライエン侯爵息女がパド家令とリッパー医師が後見してる感じですかね?パド家令だけ?


「とにかく、バンサ伯爵家周りでの処理に関してアルベルド司法大臣がそれを行ったこと、それがアルベルド司法大臣急死事件の火種である可能性があるということでいいんですのね?」

「はい、当時はライエン侯爵家も健在でしたし、側室のアガサ・キンゼー男爵令嬢もご顕在でしたから……」

「そういえば側室だとあくまで男爵令嬢に過ぎませんのね」

「息子が至尊の座に付けば王太后だったかもしれませんよ、そうならなければ正式な妻ではありませんしね……。側室といいながら実態は愛人という方が正しいでしょう」

「言葉遊びですわね」

「まぁ、そういうものですよ」

「…………そうですね」


 ゲルラッハ伯爵の反応を見るに法的にも微妙みたいですね。

 これどうやって情報を掘るんでしょうね?とりあえず全部キャンセルでお茶会ですわ。あー……どうしましょう?


「ではワタクシは皆様とお茶会の予定ができたので、これで失礼いたしますわ。有意義なお茶会でしたわ」

「そうおっしゃっていただけると幸いです」

「ええ、まことに」

「ワタクシから『北方』茶葉は二人にプレゼントしておきますわ、追加発注だけはマッセマー商会にお願いいたしますわね」

「おお!ありがとうございます!」

「私もですか!いやありがたいですな!」


 まぁワタクシが差配してるから懐は全く傷まないんですけどね。

 これで感謝を表せるなら安いものでしょう、着ない洋服を劇団に下賜するようなものですわね。

マッセマー商会「えーっ!ウチの儲けは!」

エリー「ワタクシの自前の分だからいいじゃありませんの」

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