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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王家の狂騒曲ですわー

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つまり最高の人材ってことですわね

「え、流石にあれを?ワタクシ無理だと思うのですけど……第1王子とアーデルハイドがセットでようやく言うこと聞く相手だったでしょうし……」

「私もできたと思います」


 え、ゲルラッハ伯爵も!?

 その能力の高さでなんで逃走を選びましたの?正面から迎え撃ってボコボコにすればいいじゃないですの!

 どんな判断ですか!?


「それでどうして逃走を選びましたの?」

「もちろん、シャルロット・ライエン侯爵が亡くなられたからです。ライエン侯爵家とのパイプ役だった彼はジョージ第2王子殿下の賜死でライエン侯爵の補佐になることが決まっていました、ある程度の地位も約束されいざというところでライエン侯爵が暗殺されたのです、この状況では次は自分だと思ったのでしょう。能力も高く、貴族の中では能力の高さで恐れられ腫れ物扱い、ジョージ殿下の重用で不満も能力でねじ伏せていました。ここで後ろ盾が消えたらどうなるかといえば……」

「排除されますわね、ですが命まで取るレベルですの?当時の国王陛下がいても……」

「公爵家の陰謀を疑っていた陛下はライエン侯爵暗殺はさすがに公爵家と無関係だろうと判断して調査を命じました。そこでいくつかの証拠が出てきたのです。もっともユークリウッド伯爵は全てをきっぱりと否定し国王陛下も最もだと受け入れてました。ですがその後も矛盾のある証拠がいくつも出てきて……その際に理路整然と否定していましたが……。家族や第2王子領解体で失職した人間を連れて逃走したのです。あとは第1王子が図星で逃げたと喧伝して彼らの財産を差し押さえたのですが……。国王陛下から差し押さえの権利が移りいくつかの家に下賜されました」

「では当時の第1王子は得はしなかったと?」

「すくなくともジョージ第2王子殿下が亡くなったことでは得したでしょうが、この件では対して得はしていないかと……。ただ第1王子は自分にきついダメ出しをするユークリウッド伯爵を嫌っていたので私怨の可能性もあるといえば……」


 ダメじゃないですの、その能力を持ってして第1王子をどうにか出来なかったのならどこまで優秀かは謎になりましたわね。


「ただ、ユークリウッド伯爵ならもしかしたらという一抹の不安がよぎるので信用されなかったのではないかと言われると否定はしません」


 ダメじゃないですの!個人的な信用がないんじゃ仕方ないじゃないですの!

 それで立ち向かっても悲惨なことになりますわね。まぁそりゃ逃げますわね、うん。致し方なしですわね。


 え、そんな人間をワタクシが配下にしてるかも知れませんの?

 でも特に問題も起こさないし悪い噂もないですしね……。ただの讒言でもあったのではないかしら?

 能力が高いと疎まれますからね、ワタクシも頭がおかしいとか、気が触れてるとか、ろくなことをしないとか、ママ!敵の畑に塩をまかないでとか色々言われてますからね。

 なんか最後のは違いましたわね。まぁいいでしょう。


「そんなおっかない人間宰相にして本当に大丈夫だったのかしら?」

「シャルロット・ライエン侯爵やジョージ第2王子殿下の言うことは聞きましたので……」

「あら?しっかり手綱を握れてるじゃないですの」

「ただ本人が自分よりバカの命令は聞きたくないと」

「そうでしょうね、それで?」

「え、いや……それですが」

「どれですの?」


 ん?おかしいですわよね?自分よりバカの命令なんて聞いたら仕事が回らないし判断があってるかわからないから当たり前ですわよね?

 ああ、上司だったのかしら?でもよっぽど意味不明な命令でもしてないとそうは言わないでしょうし……。何をしたのかしら?


「その……上司の命令違反です」

「命令違反?例えば?」

「勝手により良い効率の書類に代えたり、本来の工事を変えて別の工事をして成果を上げたり、いろいろです」

「なにか問題でもありますの?ああ、事後報告もあげないのはいけませんわね」

「いえ、あげました」

「では予算オーバーでもしましたの?それはいけませんわね、ちゃんとそういうときは自腹を切らないと」

「いえユークリウッド伯爵はその場合はちゃんと自腹を切ってやり切りました」

「なおさらなにか問題が?工事担当者の予定が詰まってるのに無理やり押し留めたとか?」

「その手の話は聞いたことありませんね」

「はて……?上司は無能なんですよね」

「彼基準では」


 ああ、平均より上でも自分がアホだと思ったら従わないタイプですのね、じゃあ仕方ないですわ。部下のほうが優秀ならそれは仕方ないですわね、諦めててくださいまし。せめて差配位はまともなら従うと思いますけどね。


「さて、それが?」

「組織での計画にダメ出しをしてくるのはそりゃあ嫌われますよ」

「それはどこも同じですね」


 ワタクシよくされますけど、むしろいいことかも知れませんわね。

 ダメなところを教えてくれるのなら助かりますしね、何だ結局は能力えっへの嫉妬じゃありませんの、大したことなかったですわね。


「……いまのエリーゼ公女のような方でした」

「ああ……」

「あら?好評価ということですわね」

「ええ、まぁ……」

「そうですね、好評価ですよ」


 なるほどワタクシくらい優秀でそのうえ有名だったんですわね?ワヤクシも敵が多いしきっと同じようなものだったんでしょうね、大変でしたでしょう、シュライヒャー。

シュライヒャー「風評被害を受けている気がする」

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