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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王家の狂騒曲ですわー

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忠誠と忠義の価値は汚泥に塗れたものほど取り出した時価値があるってわけですわ

「ルーデンドルフ侯爵家はどちらの派閥だったのですか?」

「……公爵派です、あえて言うならエリーゼ大公派です」

「ああ、違いますわよ。当時はジョージ第2王子派でしたの?」

「はい、それは間違いなく」

「そして今代ではフリードリヒ第1王子を支持してましたわよね?まぁ、別におかしなことではないですけども……。公爵家との対立はワタクシがアレ(公爵令嬢の乱心)をする前からでしたし、お父様との間に諍いがあった話もありませんし、もしかして本当はジョージ王弟殿下の子供がフリードリヒ第1王子だと思っていたのではないですか?」


 そうでなければわざわざ敵対する必要もないですしね、敵対しても直接的な攻撃はあまりなかったようですし。お祖父様が全面戦争してないあたりはそうなのでしょう。


「…………間違いなく、違うのですが……聡明さはそっくりでしたので……。まるで若き頃のあの方を見ているようで、私も夢の続きを見たかったのかも知れません。王国の繁栄が約束されたあの日を、王太子が決まらず、このまま行けば国王陛下の路線を継ぐのはウィリアムのような愚兄ではなく聡明なジョージ殿下だと……。だからこそジョージ殿下に陰謀を仕掛けた公爵家を許せなかった、結局冤罪がわかって我ら親子は引っ込みがつかなかった、娘も……いいえ、それでも娘は私の警察長官と王子教育係辞任のときにすべてを話したのでエリーゼ大公との和解に舵を切るように提案しました。我々が寝返ったのはそれもあってです、保身の中でも一段劣るでしょうな。逆恨みの後で逆恨みした相手に慈悲を乞うのですから……。あれを馬鹿にできないですね……」


 あれが指すのは国王か、はたまた今のバカな第2王子か。

 ルーデンドルフ侯爵家、というか警察も王家も公爵家の陰謀だと思ってたんですわねぇ……。

 じゃあとっとと公爵家に金払えばよかたんじゃないですの?

 何がそこまで、『そう』させたのかしら?


 まぁ、夢を見ることはいいことですわ。

 それは生きる活力ですから、見るのではなく現実にするのが一番いいのですけどね。難しいものですわね。

 諦めきれなかった貴方をワタクシは、私は評価しますわ。たとえ当時敵対してたとしても。それは私は笑いませんわ。

 心を含めて目に見えないものに最も価値があるのですわ、王家が捨てたのなら私が拾って磨いてもよろしいじゃありませんの。

 まぁ今は味方ですしね。

 ワタクシも夢の途中、特等席は無理でも相席乗車くらい認めてましてよ。


「詮無きことですわ、ワタクシは気にしません。政治は水モノ、見放された理由が能力なら致し方なし、政治的に立ち向かえないのが理由ならそれもよし、媚を売る保身より能力を売り込んだことを私は評価してますわ。だからあなたに答えましょう、応えましょう。もう一度夢を見せて差し上げます、叶えて差し上げますわ、夢を手元に持ってきて差し上げます、手を伸ばせば届く位置へ……。もっとも名前は変わるかも知れませんがね」

「古い看板に価値はありますまい、今となっては」

「看板の価値を下げるのは常に今看板を持っているものですからな、いやぁ!よくあることですな!」


 言いえて妙ですわね。自称アルベルド司法大臣の息子も看板を大層毀損していたようで迷惑千万ですわね。

 あそこまでいけば汚すどころか自分で叩き割って薪にして火を付けてるレベルですけども。


「では私の看板はせめて私が豪華絢爛にしましょうか。味方に応えるのも上に立つものの役目ですわ」

「今の看板にはできないことですな」

「できればこうはなっていないでしょうからな」


 よりによって新しい看板が落ちましたからね。そう考えると第1王子の事故死って最後に縋っていたものが見切りをつけるに相応しい出来事だったわけですわね。

 まぁ……アーデルハイドが亡くなって計画を変えたり、令嬢の取り仕切りを一部とは言え令嬢の皮を被って私が出張ってするようになったり、キャスの負担が増えたり、非常に忙しくなりましたしね。

 アーデルハイドが生きていれば今頃どうなってたかしら?アーデルハイドだけが生きていたらどうなって……バカ王子が婚約にするために大はしゃぎででしょうね。

 兄の婚約者を弟にスライドできるかは知りませんけど、歴史を紐解けばあった話ですし、法かなんかが問題でなければそうなったかもしれませんわね。

 まぁ、ほっといても内乱待ったなしだからやることは変わらなそうですわね。


 と、言うことは第1王子派閥だった人間は近衛騎士関係で処分されて減ったとはいえども骨があるやつは使えますわね。

 働きかけてみますか。やることが増えましたわね。


「話を戻しますけど公爵家が疑われた理由は決定的なものがありましたの?」

「いいえ、まったく。少なくとも私は把握しておりません。ゲルラッハ伯爵は?」

「グリゼルダ王妃は先代公爵の親友であったライエン侯爵の御息女でしたからね、どちらに転んでも公爵家の利益になりますから」

「と、言うことはジョージ第2王子は反公爵家でしたの?」

「はい、公爵家の権益を削ることを考えていました。せめて王位継承権の剥奪まで持っていきたかったようですが……。具体的な案までは……」

「まぁそうでしょうね、あったとしてもそんな話をペラペラ話してたらお祖父様があ何かをするでしょう、もしくは耳は入ったと思ったのか」

「ジョージ第2王子殿下の派閥は完全に消滅しました、賜死ですからね。現国王のもと徹底的に排斥され、反公爵派であったためどうにもならず主要ポストを失い領地に逼塞しています。もっともマッセマー商会を使っていまは公爵派になったようですが」


 え?あの方々ってもともとジョージ王弟派閥でしたの!?意外ですわね。

先代公爵「なにそれ知らん。怖っ……」

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