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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王家の狂騒曲ですわー

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これ以上は頭がパンクしますわ!

 少なくとも不義密通疑惑は晴れてはいない、だが少なくとも第1王子は王の子供であった。そして第2王子も。

 だから事件そのものに蓋をしたかった、これで茶髪だったら大変でしたでしょうね。

 まぁそうだったらお祖父様がいきいきしたと思いますけどね。


 ジョージ第2王子は冤罪。

 冤罪ということになっている。表に出せないからですね、仮にでてしまえば未遂ではなかったと逃げたかったんでしょうね。

 第1王子婚約者という立場からそんなことは言えないでしょうし……。

 これを責めるのは酷というものですわね。


「そう言えば……間違いなく冤罪と言ってましたけど、それはどちらの意味で?フリードリヒ第1王子がジョージ第2王子、時代が違う王子を並べるとややこしいですわね……。ジョージ王弟の息子ではなかったことが冤罪ですの?それとも……」

「それとも……?」

「グリゼルダ王妃を、当時は第1王子婚約者を暴行したことですの?聞き方を変えるなら、そう!いうなれば両者の合意であったのかと聞きたいんですの。それにほら冤罪でなければとも言ってたじゃありませんか」

「いや、それは……もし聡明なジョージ第2王子殿下の子供であれば……事故死なさらずヴィルヘルム第2王子が王太子の儀になって死んでいたかも知れないと……」


 すごい不敬ですわね!ゲルラッハ伯爵!

 まぁ、私が言えた義理ではありませんけどね。


「それで?間違いなく冤罪と言ったルーデンドルフ侯爵は答えていただけませんの?」

「……」


 やはり、なにか知ってますね?ルーデンドルフ侯爵。

 さぁさ、お吐きになってくだいまし!


「それに、言ってたではありませんの。ルーデンドルフ侯爵、私は知りすぎているのでと」

「……聞き流してはいただけませんか」

「もちろん」


 どうしました?ルーデンドルフ侯爵?目を閉じて唸ってしまいましたけど?


「少なくとも……」

「少なくとも?」

「ジョージ第2王子殿下は……周辺の目撃だけで誰もグリゼルダ様の私室に入ったものを目撃してはいません。そしてグリゼルダ王妃が女官を部屋から出す際に……その女官の先導をしていたこともあるのです」


 あら?それでは中には誰がいたのかしら?まぁそういう気分のときもあるでしょうし、たまにそのように出したときにアリバイ作りでやってただけかも知れませんけどね。


「それだけでは弱いのでは?」

「私は第2王子懐妊時のグリゼルダ王妃の不義密通は確かにあったと考えています、逆算したうえで第1王子の不義密通もあったと考えています。私はジョージ第2王子殿下以外にその相手がいたとも考えています。ただ……それが当時の国王陛下が察したことと、第1王子殿下の疑心暗鬼に触れてしまったのではないかと……」


 いきなりぶっこんできましたわね、つまりジョージ第2王子は不義密通の相手ではないと?さっきいいなさい!

 と思ったけどこの2人はワタクシにこの醜聞の深いところを利用されたくないから有耶無耶にしてましたわね。まぁ報告はしたからと言ったことでしょうけど。

 微妙に腹が立つと言えばそうですわね、うん……。


「では、ルーデンドルフ侯爵はその相手が誰だと考えておりますの?」

「そこまではわかりません……」

「それは筆頭医師リッパー男爵の御子息の荒唐無稽な噂と関係がありますの?ワタクシがリッパー御子息が殺される理由を尋ねた際にとぼけてお応えいただけなかったのですけど。ゲルラッハ伯爵は答えていただきましたけどね。あらためてお答えいただけますか?ルーデンドルフ侯爵」


 おそらく荒唐無稽な噂はグリゼルダ王妃との不義密通あたりでしょう。鬼は出るか蛇が出るか。

 いやこれ以上出されても本当にめんどくさいんですけど……。

 これはもう緊急でお友達とお茶会ですわよ、招集ですわ招集!遅い時間ですけどかき集めますわ、もっと同い年の友人と仲良くお茶会したいんですの!

 きな臭いアルベルド司法大臣の急死からなんで王家のシモ話になんてならなくてはいけないんですのー!

 遺跡の発掘調査でもこんなに重要なものはでてきませんわよ!自分で埋めて発掘してるんじゃなくって!?よくもまぁ、こんな闇しかない話を掘れば掘るほどでてきますわね。


「…………国王陛下は……」

「どちらの?」

「当時の国王陛下は……ジキル・リッパー男爵子息を……」


 ふーん、それが亡くなったリッパー男爵子息の名前ですのね。


「秘密裏に……」


 ほーう、処分したのかしら?

 やりそうなことですわね、まぁ仕方ないですわね。第1王子婚約者に手を出してたなんて表に出さず殺す一択ですわね。

 まぁ当時は都合よく毒殺してくれる医者もいないし当時の王宮部署から人材をかき集めてきたんでしょうね、なかなかやるではありませんの。

 さ、詳しい事情を聞かせていただきますわよ?ルーデンドルフ侯爵。


「グリゼルダ王妃の監視役に任命していました……」


 えーっ!?ちょっと話が違いますわよ!

 事情が変わったからもう少し続けてくださる!?


「御子息の死後にそのことを聞きましたが……当時は信頼に足るのだろうと、リッパー医師と国王陛下が悪友であったことを先ほど思い出しましたので繋がりましたね。リッパー医師の雇用はパイプ役である御子息が亡くなったからでしょうね」

「先ほどということは当時は?」

「まったく思い出せませんでした。第2王子懐妊に関してリッパー子息が怪しいと私が当たりをつけて父が国王陛下に報告した際に笑いながら……グリゼルダのやつは第1王子懐妊事件で騒ぎになって以降信頼していない。信用できるものを監視役にしたと、リッパー子息は違うだろうと。その死後に、関係者たちにのみそれはジキルだと、グリゼルダ調査と護衛であったと。ですので彼が両王子の父親や不義密通相手だと疑った派閥から消されたのではないかと……」

「ですから、御子息が殺される理由はあったのですか?の問いにさて?とだけ返したのですか?」

「ええ……。これを利用して冤罪で王家を貶めるのはジョージ第2王子殿下に悪いですからね」


 ああ、そういうことですの。王家の権威とかそういうものではなく単純に好んでいたんですのね、ジョージ第2王子殿下を。


「親しかったのですか?」

「多少は……」

「そうですか」


 では、まぁ……考えておきますわ……。ええ、本当に無実だったら利用しませんわ。別に敵対行為をされたわけでもないですしね。

ルーデンドルフ「(なんとかすっとぼけ続けてごまかせないだろうか)」

ゲルラッハ「(この醜聞で王国の権威を落とさないようにぼかしておきたい)」

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