結果的にそうだと言っても過程が間違ってるわけではないのでは?
もったいぶらないでいいんですわ、もう情報量の洪水をドバッと決壊させるかのごとく言われても整理がつきませんわよ。
ああ、いやもったいぶってくださいまし、こんなこと一から流れるように説明されたらそれこそ意味がわからなくなりそうで……。
グリゼルダ王妃がよほど尻軽だったのか、第1王子こと現国王がよっぽど人間性に問題があったか、あるか……。
じゃあ、しょうがないですわね……。その地位で托卵されるとかもうダメダメですし浮気されるのも人望ないってことじゃなくって?当時の王宮どれだけダメだったんですの?むしろ王家総出で推奨してたんじゃないいかってくらい……。警備とかどうなってるんですの?不審者ウェルカムなんですの?
いや、王家推奨でしたらジョージ第2王子が死ぬことはなかったでしょうね。なんですの?この……えー……しかも蓋を開けたら全部冤罪とか……。
やっぱり現国王の陰謀か何かではなくて?前国王を上回る謀略ができたかと言われると……できないでしょうね。
お祖父様ですら暗殺という排除方法を使うしかなかった、それくらい怒髪天を衝く相手であり排除方法はそれしかなかった。
ワタクシがケジメで殺した先代ヘス伯爵とはまたちがうでしょうからね。
いや、そもそもバカ王子は国王そっくりだから托卵ではないんでしたわね。そもそも事故死した第1王子もか。
逆に第1王子はなんですの?祖父似?まぁお父様もお祖父様に似てませんしそう言う事かもしれませんわね。
むしろお祖父様が突然変異ですわね、あんなぶっ飛んだ人は当家にはいませんわ!
そう考えたら致し方ないですわね、むしろ今の国王が托卵だったのでは?
だったら前国王が処理してるか……。
あれ?もしかして……この国……ワタクシが思っている以上に……。
……前向きに!前向きにですわ!いざという時は新聞にでも撒けばいいんですの!証拠のないゴシップなんてあってなんぼですわ!それがメディアというもの!ワタクシがメディア王ですわ!
そう、いざという時は武力があると考えて落ち着きましょう。
これアーデルハイドが生きてたとしていったいどう処理できたんですの……?
「その……第2王子のその……ご存知なのは?」
煮えきらない言葉ですけどワタクシも脳内処理が終わっておりませんの!できるか!こんな短時間で!
「私はアルベルド司法大臣から疑惑があるとだけ、もっともジョージ第2王子殿下死後は特に噂はないので流石に元第2王子殿下の派閥がでっち上げたのではないかと疑っていました」
「私はアルベルド司法大臣死後の調査で噂がああったことを後で知りました。当時は知らなかったのですが噂がたった直後に公爵が内務大臣になったのでてっきり……」
「てっきり?」
「公爵派が噂を流して王家を押し切ったのかと思いましたが、そうなると色々おかしいですからね、まぁ元第2王子派が脅しにかかって公爵家を懐柔しようとしたのだろうとその時は軽く考えてました」
「それは調査を命じられなかったのですね?」
「はい、父も私も第2王子懐妊時にそのような命令を受けてはいません。私が知ったのは3年後です」
「う-ん?ゲルラッハ伯爵は?アルベルド法務大臣も同じ見解でしたの?」
「前国王陛下が気にしてなかったようでして……。ただ噂があるからと陛下から教えていただいただけのようで、私も根も葉もないのだろうと、実際成長すれば親子そっくり……ああ、いえ……そういうことです」
「一応聞いておきますけど……若い頃の国王はあれ以下でしたの?あれよりマシでしたの?」
「流石に娼館の金額を踏み倒しませんし、逆に請求もしません」
「そこしか基準がないんですの……?」
この国とっくの昔に詰んでたんですの?もう10年早く生まれないとだめだったかしら?
あれ?ひょっとしてワタクシが思ってる以上にヤバイってやつですの?
「あ、もちろん買い物にお金は払ってましたよ。いや、さすがに」
「それ馬鹿な貴族でもやってると思うんですけれど……。やっていない貴族がいたんですの?」
「流石に……ないですね。数年前の王都商会が失墜する前までは貴族より商会の方が勢いがありましたし、いまはマッセマー一強ですが異様な値上げをするとか、敵派閥に兵糧攻めとかはしてませんし、各領地に支店を出店して既存の御用商人を駆逐してますが……。あれは自業自得でしょうしね」
「それを考えたらバカ王子は何処まで愚かなんですの?」
「元警察庁の人間としてはそのような金銭踏み倒しをする貴族の事例はありません。そもそもそんなことをしてるところが敵派閥に漏れたら攻撃されるだけですし、平民といえどもやられっぱなしで泣き寝入りはしませんよ。敵派閥の貴族に泣きつくでしょう。派閥のバランスがここ10年は厳しいので付け込まれるわけにはいかないのですから。この1年で公爵派閥一強ですが……よもやマッセマー商会相手にはしないでしょう?」
「まぁ、しませんわね」
なんでわざわざ味方を敵に回さなくていけませんの?マッセマー商会もシャーリーの商会もこちらの味方だというのに。
「まぁ、少なくとも第2王子懐妊時も不義密通の話はあったが結果的に……」
あれ?
おかしいですわよね?
そもそもそれは結果論ではなくって?
子供が結局国王の子だったから違うとはいえ別に不義密通があったことは否定できないんじゃないんですの?
この手のことが得意な2人
キャス「ええ、ええ、たしかにそうですね」
令嬢「公爵令嬢の方はお元気ですか?」
キャス「いつもどおりです」
シャディ「レイズ!」
パド家令「レイズ!」
シャディ「キングと9のツーペア!」
パド家令「あーっ!私の金貨が!」
ピア「じゃ、次いくよ」




