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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王家の狂騒曲ですわー

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ワタクシが滑ったみたいなのだけは止めてくださる?

「ま、まぁエリーゼ公女殿下の素敵なジョークも聞けたことですし……」


 だから違いますわ!でも必死になればなるほど……それっぽくなりますわね。

 ここは泰然自若となんのことでしょうと受け流しましょう。


「…………」

「………………ハ、ハハハ、いや今気が付きました確かに面白いですね、ハハハ……」


 居た堪れないですわ!


「コホン、それで……ライエン侯爵家の御息女、取り潰しだから家名も消えてますかね。彼女は何処に?そこまでいって消されましたか?」

「いえ、パド家令が後見人として面倒見てるはずです。ライエン侯爵家、正確には当時の当主であるマルゴー侯爵とは幼馴染だったので」

「あら?王家側近にも情がありますのね」

「私情で動く人間が多いので情はあるでしょう」

「一本取られましたね、フフフ……」


 余計に先程のリッパー御立派が浮きますわね。

 うーん、思った以上に面倒くさい事になりましたわね。ジョージ第2王子ほったところで今更どうにかなりますかね?生きてるのはルーデンドルフ侯爵のお父様くらいですけど、状況証拠だと言ってる限り深いことは知らない可能性は高いですわ。

 でも、一応。


「第2王子賜死のきっかけとなった会議での内容はその後も聞いておりませんの?」

「残念ながら、父は報告を上げただけです。実際会議はすぐ終わりましたし、その後集まった可能性はありますが……私が失職した際、王家に激怒したときすらも教えていただけなかったところを見ると知らないかと」

「少なくともアルベルド司法大臣からは何も……」


 漏らせない、大臣級のみ?もしくはもっと近い関係だけ?

 おそらく当時のランツィンガー宰相には伝わってるでしょうけど……。そうなるとやはりシャルロット・ライエン侯爵が知っていた可能性が高いですけど。

 それで消された?いや、その後を考えると王家以外?

 少なくとも先代国王は……賢い敵のはずですわ。愚物ならお祖父様がもっと早くケリを付けたはずですわ!

 うーん……今更こんな問題に首を突っ込んでもワタクシでは無理ですわね!

 この辺はキャスに任せましょう!


「シャハト元財務大臣は今も行方不明なのですか?」

「噂も聞きません」

「一応今でも捜索はされてますが……」


 野垂れ死んだか、他国へ逃げたかなんかでしょう。

 まぁどうでもいいですわね、ライエン侯爵家とつながりがあるとはいえ、わざわざシャハト元財務大臣に話はいかないでしょう。

 話がいってるのなら死んだのはマルゴー・ライエン侯爵ではなくシャハト元財務大臣でしょうしね。


 そうなると後は絶対に口を割らない国王、ダメですわね。

 じゃ結局はリッパー医師調査ですわね。


「それにしてもライエン侯爵家の御息女は今何処で何を?」

「王宮部署解体前は登城時にたまに見ました、いまはわかりません」

「あら?王宮で働いていましたの?」

「ええ、パド家令の推薦で。まぁその手の人材はパド家令が引っ張ってきてましたし今更ですね。ワイト王宮家令就任後はどう言う形になったのか」


 王宮部署解体やりすぎましたかしら?でも真っ黒でしたしね。あそこで黙っていたから先程の裁判で刺さったのだと思えばまぁいいでしょう。

 そういえば……。


「王宮部署解体でワイト王宮家令って罰せられていましたっけ?」

「……部署解体にせざるをえなかったのは彼を守るためです。第1王子からも信頼厚いので」


 ああ、そうでしたの。お父様はその手のことはちゃんと報告しないと。ワタクシが関係ないことは別にいいって言ってたんでしたっけ?えーと……10歳になる前だったはずですから……7歳?言わないか。

 まぁやることやったから興味持たなかったワタクシも悪いですわね、でもあれってアーデルハイドがなんか色々言ってて面倒くさかったから投げたような……。

 まぁいいですわ、どのみち第1王子と一緒に事故で死んでるんですし。

 そもそも最近まで名前も知りませんでしたしね。

 領民でもない小物の名前を覚えるのは苦手なんですの、パス!


「まぁとにかく、いまも働いているかは不明ですか」

「はい、そもそも王宮解体で登城も減りましたので、省庁執務室が各大臣の執務場所に変わりましたから……」

「王城機能の低下ですわねぇ」

「会議や事前の招集がない限りは王城へ行くことも減りましたから……。詰めてるのは宰相閣下くらいです。公爵も各大臣が拘束されていた時期は内務大臣兼任で取りまとめとして全部の職を指示してましたからね。多才な方です」


 お父様が過労で死ななくてよかったですわ。

 ないのは殺意と戦闘力くらいですからね、なんでなかったんでしょう?

 ワタクシに暗殺者から守られた時は気まずそうでしたわね。

 まぁ、人間得意な分野を伸ばしてできないとこは任せればいいんですのよ?ワタクシも出来ないことばかりだから親友にぶん投げてますしね。


「グリゼルダ王妃が亡くなったのはバカ王子出産後でしたわよね?その年のうちに?」

「いいえ、翌年ですね」

「産後の肥立ちが悪いにしては……。4月生まれでしたわよね?」

「……はい」

「バカ王子も不義密通の子とかいいませんわよね?」

「いえ、若い頃の国王陛下にそっくりで……」

「むしろフリードリヒ第1王子は誰に似たんですの……?」

「先代国王陛下ですかね……」

「グリゼルダ王妃ではありませんのね……。いや、どうなのですか?」

「不義密通疑惑がかかってる時点で賢いかは疑わしいですが……。たしかにそれとこれは別でしょうしね。ただ……」

「ただ?」

「髪の色が金髪でなければジョージ第2王子殿下の子供だと誰もが信じたでしょうね」


 ダメですわねこれ……。初代が天才で2代目が凡才で3代目が天才みたいなパターンかしら?

 まぁ初代が作って2代目が安定させ3代目が……。と言うには歴史が長いですしね。


「一応聞いておきますけど、バカ王子の妊娠の際は不義密通疑惑はなかったんですわよね?」

「────あるといったら?」

「もうお腹いっぱいですわね」


 ぶん投げてもいいかしら?

エリー「情報量が洪水のように押し寄せて完結しない、だからお父様にやらせておけばよかったのですわ!」

ゲハルトパパ「やだよ……」

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