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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王家の狂騒曲ですわー

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賭けは賭け

「賭け……ですか……」

「こうなることを読んでいたのですか?」


 え?どう言うことですの?どれのこと?ちょっと曖昧すぎてどうしたらいいかわからないんですけど?もう少し詳しく言っていただけませんかね?

 これだから貴族的匂わせって嫌なんですわ。はっきりと殺す!死ね!何!って言ってくれたほうが楽なんですけども……。


「さて……?どれかわかりませんわ?」


 本気でわかりませんわ?

 そんな真面目な顔で生唾飲んで見つめないで欲しいですわね……。


「どれかというと……」

「司法省も……」

「それはどう考えても偶然だと思いますけど……」


 ワタクシを何だと思っているのかしら……。

 いくらなんでもバカがどう動くかなんてわかるわけないじゃありませんの、相手はバカですわよ?

 放置はしましたけど超法規的措置なんて読めるわけないじゃありませんの。

 司法大臣自裁も計算外ですしね。

 ジーナが司法大臣になるのも計算外ですわ。嬉しい計算外ですけどね。


 そう考えるとうまくいってることって案外少ないですわねぇ……。

 王家を武力でどう制圧するか、制圧するだけならとっくに出来ましたけど……どうやるか、どうすれば大手を振るって平民たちに王家制圧を歓迎してもらえるか。

 ここがずっとネックでしたからね。大昔から考えていたんですのよ?


 公爵家に堂々と喧嘩を売った王家にブチ切れたワタクシが蛮族の族長として王国を蹂躙するのがプランでしたけど……。

 流石にいきなり王家を潰しては人心が安定しませんからね。

 いかにワタクシ達の行いが正しいか、理解されるかに力を注いできたんですから。


 そのための北方組合。使えなかったですけど……。

 そのための貴族支援。むしろ飼い犬に手を噛まれて処分しましたけど。

 そのための各社新聞社設立とすべての株式の過半数保有。

 そのための記者。

 そのための……。


 いえ、詮無きことですわね。


「王家は賭けに負けたのですね?」

「少なくともアーデルハイドが亡くなった時点で最後の勝利のチャンスを失いました。葬儀にすら代理も顔を出さない時点で……その後のブランケット侯爵家の対応で最後のチップを失いました」

「フリードリヒ第1王子ではなく?」

「アーデルハイドというか弱い少女ひとりを守れない男に国家と臣民の命を守れますの?」

「か弱い?」

「しかし能力はありましたし……」

「か弱い……?い、いえ、女性はか弱いものですわ。もちろん、そうですわよね?コホン、第1王子の能力はワタクシも認めますわ。ですが、アーデルハイドが亡くなった後にもしも第1王子が生き残っても……ワタクシが、ワタクシ達が許しませんわ。おそらく去年のうちに内戦に移行していたでしょうね」


 理由はいくらでもある。そう、いくらでも……。だからもし、もしも、おめおめ生きて帰ったら詰って殴って……最後の王太子にでもしてあげたでしょうね。

 だから守ろうとして死んだことは評価してますわ、最後の最後に人格面で株を上げましたわね。

 ちょっと色ボケがひどすぎてキッツ!って思ってましたけど。


「では……王家を滅ぼすのも選択肢だと?」

「そうでしたわ、その時点ではですけどね」

「それは明らかに謀反ですし……違法……いえ、倒しきれば法は関係ないですね……それにその時点ではですか」


 普通こんな告白されたらもっと慌てませんこと?

 まぁ肝は座ってますね、合格ですわ。まぁこの程度で警察のトップだった方と最高裁判所長官が裏耐えてたら困るんですけどね。

 それに《《その時点では》》っていいましたからね。あとでチクられても痛くも痒くもありませんわ。


 まぁ普通に謀反宣言してチクられても痛くも痒くもありませんけど。

 もう公爵家と王家の対立は平民ですら知ってる常識。

 今更取り繕いもしないでしょう、する気は王家も公爵家もありませんけどね。


「では……今は?」

「あれを王太子にしたい人間が貴族に大量にいるのなら()()()()()に変わりますけどね」

「では違法性はありませんね、最高裁判所長官殿」

「ありませんな、次長検事殿」


 言外にいねぇよそんなやつって言ってますわね、そうでしょうね。

 王家派閥でも揺れてる始末。だからこそ私をエリーゼ公女と読んで外堀を埋めてるのでしょうね。

 他にもいるぞと、直系よりいいぞと。

 まぁ継承考えたら公爵家ですわね、現国王の兄弟は早世しているわけですし。

 そういえば……これいつでしたっけ?


「王弟殿下っていつ頃おなくなりになりましたっけ?」

「ジョージ殿下ですか?第1王子がお生まれになる前年ですね。857年です。当時は第2王子として宮中差配をしてましたが……当時の国王陛下から賜死を命ぜられました」

「あら?そうでしたの?亡くなったことだけは聞きましたけど……前国王陛下がですか……」

「ただの醜聞ですよ、王家の信頼を損なうからと言う話です」

「たしか妻子がいなかったのでそのまま第2王子領を解体して……それから家臣団が解体されましたね。賜死ほどの大事なれば彼らだって罰せられるでしょうにお咎めなしでしたね」


 その割に話題になってませんわね、17年前ですか……。

 たしかに第1王子だった国王陛下がその地位になったら触れづらい話題ではありますわね。

 醜聞ということは謀反ではなさそうですけど……。

 醜聞ということにしたのかも知れませんけどね。

ピア「お前は最後のチャンスを失ったぞ」

パド家令「大人しくお金を出しなさい」

シャディ「ファイブカード」

ピア・パド家令「「えええ!」」

シャディ「(負けすぎてイカサマしちゃったっす……)」

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