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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王家の狂騒曲ですわー

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筆頭医師がいなかった?……それはワタクシではありませんわね

 そういえば筆頭医師のジャック・リッパー男爵は当時は何をしてたのでしょうね。

 なにか知ってるかも知れませんわ。


「では、リッパー医師はどうでしょう?当時はどの位置にいっらっしゃいましたか?」

「リッパー筆頭医師の?当時どうでしたかね……確か当時は筆頭医師が空席だったことは覚えてますが……」

「空席?おかしいですね、王宮筆頭医師といえば……」

「いや、その……当時の筆頭医師は前国王陛下崩御の際に……後追いを……」


 ああ、そう言うことですのね。

 お祖父様が国王暗殺で買収したのは筆頭医師だったと、そういうことですか?

 いや、めちゃくちゃまずいんじゃありませんの!?どうやって買収したんですの!?脅し?不幸なことにお祖父様は国外国内をフラフラしているからちょっと聞けませんわね。もしかしたら単に責任を取らされて処分されただけかも知れませんし……。

 手紙も不安ですしね。

 まぁいいですわ、そちらは置いておきましょう。


「王宮医師ではあったのですか?」

「はい、確か御子息の急死があって……。そもそも元から医師業にも手を出してたんですよ。そうだそうだ!思い出しましたよ!確か前国王陛下が王子時代の時の悪友の一人だったんですよ!確か前国王側近団に遠ざけられたみたいな話がありました」


 下手くそな指パッチンをしたルーデンドルフ侯爵はわかったぞみたいな顔をしながら饒舌になる。

 コツ教えましょうか?指パッチン?


「ほう、でも今はあまり知られてないということは?」

「悪友でしたからね、今の第2王子ほどではありませんがなかなか問題を起こしてましたよ……。だからでしょう。若手の頃の私は下っ端の警官として喧嘩で現場に呼ばれたら王太子になる前の前国王陛下とリッパー医師を含む数人がゴロツキと殴り合いをしていたりで……報告書の改ざんをさせられたものです。1度や2度ではなくね……。王太子の儀のあとは彼らと距離は置いていたようですが……。御子息の急死後に王命で急に医師団に採用されたはずですね。市井での医師としての評判は前モレル伯爵と違った良かったはずですが」

「急に?」

「御子息の急死に関わっていたんじゃないかって話はありましたが私の担当ではないのでわかりませんね」


 ということは暗殺ですかね?一体何があったんでしょうね?気になりますわ。それにしてもお祖父様が公爵をやってた頃は血なまぐさいですね。

 すぐ暴力で解決するんですから、ワタクシは似なくてよかったですわ。


「リッパー医師は前国王に採用されたということですか」

「ええ、採用直後に前国王陛下は急死なされましたが」


 ふーむ……毒殺を避けるために王宮医師として呼び寄せたんですかね?

 そうだとしたら役に立たなかったのですが……。筆頭になる辺りなにか功績はあったのでしょうね。

 不在の隙を突かれたとか。


「御子息が殺される理由はあったのですか?」

「──さて?」

「語ることが出来ないと?」

「荒唐無稽すぎる噂はありましたが……荒唐無稽過ぎますからね。そもそも噂の接点が……。さすがにエリーゼ公女に話すには娘が実は息子ですというようなものですので……」


 怪しい噂はあるがありえない部類、それを信じて殺された被害者と言ったところですか。

 あるいはあり得ない噂に真実味があるということでしょう。


「当時のリッパー医師の御子息は何を?」

「不明です。公的な役職についている話はありませんでした、少なくとも聞いたことはありません。どこぞへ行って帰ってきたら調子を崩して急死したらしいです、棺桶は開かれていたそうで……あっても毒殺でしょうね」

「顔色でわからない毒ですか。腐る程ありますね、最後に向かっていた場所は?」

「それも不明です」


 不明?男爵とはいえ仮にも貴族子息ですわよ?


「隠されているということですか?」

「いいえ、事件を担当してた人間からパトロール担当として目撃証言を聞かれた際に小耳に挟んだ程度ですが……。全くの不明だったのです」

「それはつまり?」

「きっちりと変装していたのでしょう、帰ってきた時は出ていった時の服装だったそうですので」


 ああ、変装だったのですか、目撃がないということは意外とおやりになりますのね。

 そこまでしないといけないことですか。貴族とは思えませんわね。


「リッパー医師の方はなにか噂があるのですか?」

「今はともかく、昔は王家の暗殺者と言われてましたね、ああいえ……疑惑でした」

「ふむ、暗殺者として雇われたということですか」

「そうかも知れませんね、事実として前国王陛下が亡くなった後の医師団の急死は彼が手にかけたと言われています」

「それ以前も?」

「いや、流石に記憶に自信がありませんね……」


 まぁ10年くらい前ですものね。関わってない部分では記憶もないでしょう。


「そういえば、なぜリッパー医師の方はアルベルド司法大臣に暗殺で疑われなかったのですか?」

「当時は数週間の旅行休暇中でした、でしたので部下の誰かが旅行先に聞きに行ったのですが、まぁ休暇中でしたので……旅館で優雅に過ごしていたそうです。そもそも目撃された旅館から王都の距離は数日ですので不可能でした。他の貴族も目撃して会話をしたうえで治療まで受けていたので彼の捜査はそれで終わりですね。一応湖で釣りをしていたり会話をしていたのも確かでして。実際当時は怪しい人間が出てこなかったので、毒物も検出されず……。後で先代モレル伯爵の治療で死んだ人間が同じ症状だったので……。本人が自滅したと今となっては事故死か過失致死ですかね、検出されない毒物と言うだけでたちが悪いとは思いましたが」

「そういえば先代モレル伯爵のその薬の資料は?」

「彼いわく頭の中にあって改良を続けていたそうでありませんね、もっとも本人は心の底から良薬と信じていたことが心から恐ろしいですが」


 悪意なく人を助けているがそれが殺すことに繋がる、ですか……。

 ある意味では失敗した場合のワタクシのようなものですわね。

ゲルラッハ伯爵「へー……よくても過失致死じゃないですかね?(茶葉計量)」

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