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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王家の狂騒曲ですわー

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この感じ紅茶売れるでしょうね

「アレクシアさんは紅茶に詳しいのでしたわね、知りませんでしたわ」

「ええ、なんだかんだ言って大抵のものは飲み漁って……いえ味わっているので」


 それなら前のお茶会でも蛮族領域の茶葉でも出しておけばよかったかしら?

 まぁいいですわ、送っておけば。


「それじゃあ我が家から数缶ほど別のものも送っておきますわ。蛮族領域のお茶に興味があったらマッセマー商会へどうぞ」

「他のも持っているのですか?」

「大本はワタクシ達公爵家ですし、それにほら……公爵領最高責任者ですからね」

「たしかに、そうでしたな。それではここは未来の紅茶好きのためゲルラッハ伯爵家は涙をのんでルーデンドルフ侯爵家の紅茶を見送りましょう」


 どれだけ好きなんですの?まぁこだわりがある人は多いですしね。

 いっそ本でも書いたらどうかしら?紅茶の美味しい入れ方ゲルラッハ流茶道術みたいな感じで?

 なんてことを伝えると目の色変えてほう、ほう、なるほど……私が紅茶の歴史を変えるのかと乗り気になってメモを取り始めてしまった。

 困りましたわね。


「飲み方に正しいものがあるのですか?」


 ルーデンドルフ侯爵が真っ当な意見を出す。まぁこのみは人それぞれですからね。


「ないとは思いますがこの入れ方で飲むとだいたい美味しい、濃くいれるにはこれくらいの蒸らすとか早くてもこれ以上は蒸らす最低値時間があるとわかりやすいと思いますわ。ミルクインファーストもミルクインアフターもそれぞれ理由もこだわりもあるものです。どちらを取るかはご自由にという本なら角も立たないでしょう。いずれカップを温めなくても飲める時代が来るかも知れませんし。それを予見して書くのもいいかも知れませんわね」

「なるほど!画一的な飲み方は停滞しか起こさない、定番があってもそれから発展することが大事というわけですね。確かにジャムを入れて飲む国もありますしね、奥深いですな……エリーゼ公女は書かないのですか?」

「爵位は権威、権威あるものが書いたらそう言うものだと刷り込まれて新たな一歩が踏み込めなくなるかもしれない。書くとしたらまぁ……偽名でしょうね」

「名誉はいらないというわけですか?」

「名誉なんて実績の後から付いてきますわ、付いてこなかった方は先程死刑囚になりましたけど。紅茶の美味しい飲み方で胸を張れるのなら市井の喫茶店はどこもかしこも私達より胸を張ってると思いますわ」

「市井の喫茶店にもエリーゼ公女はいくのですか?」


 あっ、やっべ……。

 まぁいいでしょう。そもそもそれっぽい言い訳はちゃんとありますしね。


「ええ、もちろん。食糧事情も品質もたまに市井で直接確認していますわ。公爵領でもしてましたし王都でそれが悪化していたら……おわかりでしょう?」

「ちなみにどの喫茶店のどの紅茶がおすすめですか?」


 そっち!?一応結構なカミングアウトだと思うんですけど。結構いいこといいましたわよね?

 ルーデンドルフ侯爵もえっ?って顔でゲルラッハ伯爵を見てますわ。

 やっぱ貴族ってやばい連中しかいないですわね。


「マッセマー商会の、そう学園近くの喫茶店。名前はないんですけどね、そこのサンドウィッチと紅茶。店主おすすめがいいですわ。まず飲んでからミルクと砂糖はその後調整すればよろしいでしょう。実はコーヒーもオススメなんですけど」

「え?泥水が?」


 思想が強い!


「ケーキには合うものがありますわ、コーヒー自体の味は好みですけど……ショートケーキとコーヒーは大抵頼まれる組み合わせですわ」

「ほぅ、あの泥水が……エリーゼ公女が言うのです試してみましょう。ちなみに紅茶の種類がいくつかあるでしょうけどその店での一番美味しいのは店主おすすめですか?」

「いえ?北方茶葉ですね」

「北方茶葉?」

「蛮族茶葉ではみんな飲んでくれないでしょう?」

「ああ、なるほど……市井のほうが手に入っていたのか……迂闊!何たる間抜け、紅茶を仕入れるのに大手商会にだけ投げた私は本当に紅茶を愛しているのかっ……!」


 こんな感情が動く人でしたっけ?

 ねぇ?ルーデンドルフ侯爵?


「娘もたまにこうなるんですよね、紅茶ってなにか危ないものはいってるんですかね?」


 アレクシアさんが?意外ですわね。


「昔逮捕した危ない薬やってる人みたいですね」

「紅茶ってそんな危ないものですの?毎回お茶会で飲んでるんですけど……」

「その手の薬でも効きが悪い人がいると鑑識が……」

「よし、切り替えましょう。買い物は後で!蛮族領域の茶葉にミルクを入れたものを飲みましょう」


 今すぐ買い物するつもりでしたの?

 一応ルーデンドルフ侯爵からアルベルド司法大臣急死事件の話を聞くために移動してきたんですけど?


「ミルクインファースト?ミルクインアフター?どちらにしますか?」

「蛮族茶葉の西方のものは調整が必要なのでミルクインアフターで」

「では私もそれで」

「なるほど、主義ではなく茶葉で分けて考えるのか……私も凝り固まっていたな……。今あるものもファーストとアフターで味が変わるのではないか?ワインのようなものでも代わるのだし……」


 紅茶座談会じゃないんですけど?大丈夫ですか?

 ああ、保冷庫からミルクを出してますわね、耳に入ってませんわ。


「こだわってる最中ですし、本題に入りましょうか」

「そうですね……」

エリー「世の中紅茶に狂ってませんかね」

キャス「いいですかエリー、紅茶はですね」

エリー「あっ……」

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