おかしくなってしまった
先生は魚類じゃない。
先生は魚類じゃない。
戦士は魚類じゃない。
戦士は勇敢だ。
先生は人の形に戻っていた。いや、教室に入って来た時から人の形だった。人の形というのはどんな形だ?それはイデア界に存在するのか?教室に入る前の先生は人の形だったのか?
そもそも、教室の外に世界は存在するのか?冷汗が止まらない。目の前の世界が脳に入らない。
「先生、角谷君の体調が悪そうなので保健室に連れていきます」
そう宣言した舞島さんは、俺を立たせて教室を出た。肩を支えられて、俺は舞島さんは歩く。
「角谷君、何を見たの?」
「ああ、、先生が魚になっていた」
「先生が魚だったてことでいいの?」
「いや、そんなこと現実じゃない」
「先生が魚である。この命題の真偽は?」
「そんなの偽だ」
「でも、角谷君は先生が教室に入ってきたときは魚に見えたんだよね」
「そうだよ」
「じゃあ、先生が魚に見えたとき『先生が魚である』という命題は真だったわけだ」
「そんなはずがない」
「ア・プリオリに真である命題などないんだよ。角谷君、命題は現実と照らし合わせて初めて真偽が分かる」
「だから、現実にそんなわけないんだ」
「命題と現実を照らし合わせるのは人間なんだよ。この命題の真偽は角谷君が命題と現実を照らし合わせるの」
舞島さんと俺は保健室の前まで来ていた。舞島さんが保健室の扉に手をかける。扉がガラガラとスライドされていく。扉の向こうの世界がいま形を作っていく。




