2日目
国枝さんとただ屋上下の景色を眺めて適当なことを言い合い、笑い、日が傾いた。
「じゃあ、また国枝さん」
「ええ」
国枝さんは目下の景色から、目を離さずに答えた。彼女の横顔は美しく、神秘的に見えた。
ガチャリと屋上のドアを閉めた。光が急に失われた。目がぎょろぎょろと辺りを見わたす。
目が慣れ、階段を一段一段降りた。
春の雪が舞う。道路に降り積もる淡い桃色。ああ、このまま生きていて何になるのだろうか。生きていること自体、とくに意味がない。人間は実存は本質に先立つ存在ということなのであれば、本質を探さないといけないのかもしれない。本質もとい意味は自分で探すというよりも、作るというほうが正しいのだろう。
桃色になった道路を見て、レッドカーペットを思う。レッドカーペットを歩ける人間にはなれない。そもそもなろうとしていない。そんな俺が桃色の道路を歩くのは、不釣り合いなのかと思ったけど、少し考えてレッドカーペットモドキであると考えなおし偽物と考えたなこれが大変似合っているように考え直した。
今朝はなぜか早起きした。特に予定もないし、パンを食べコーヒーを飲み学校に行く。いつもより早い到着となった。教室には誰もいないだろうな。ガラガラと扉をスライドさせた。
「おはよう角谷君」
舞島がいた。




