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カウンターアタック

 風切り音と共に何かが切断される音が聞こえた。あぁ……切られたんだ。しかし、何も感じない、それどころか頭が軽くなった気がした。恐る恐る目を開けると彼女は呻き声を上げてよろめき、私の頭を押さえていた右手が宙に舞っていた。


 何が起きた? 誰か助けに来たのか? そう思っていると何かが落ちてきた。それは斧だった。この斧で彼女の右腕を断ったようだ。しかし、飛んだ方向がおかしい。彼女の後ろからではなく、私の後ろから投げないと無理な方向だ。しかし、後ろは壁だから難しい、ありえない。一体誰だ?


 そんな疑問を抱きつつ、よろめいている彼女の腹部を右足で蹴り飛ばし、落ちていた斧を拾った。刃には彼女の右手の皮膚や部品や血のようなものが付着していていた。


「トマホークを解除しました、使用方法は武器の使用が必要になったと認識するか両肩のスイッチを押します。尚、最初はトマホークが強く飛び出すことがございますのでご注意してください、このトマホークを使いこなしながら様々な機能それを全て探してください」


 声が頭に響く、なるほど、これは仕様なわけね。私はもう一つトマホークが欲しいと認識した。すると、右肩から何かが出てきた。トマホークの柄だった。今度は飛び出さなくて良かった。左手で柄を掴み、体から抜くと刃が無かった。しかし、すぐに金属チップが集まり、刃を作った。


 どういうことだ? まぁいいか。今はこいつを倒すことが先だ、後で調べよう。


 気を取り直して私はうずくまっている彼女に近づき、首に向かって斧を振り下ろした。しかし、彼女はしっかり反応していた。咄嗟に強く転がり、私の足元にぶつけてきた。私は耐え切れず尻餅をついたがすぐに立ち上がった。すると、彼女は私の足に向けて斧を振るう。見えていたため左足で床を蹴り。後ろに避ける。


 流石に簡単にはいかないか、だが相手は腕を切られている。此方の方が有利には変わらない。それを彼女も分かっているか私から距離を取った、諦めて逃げてくれたら良いんだが、しかし、そんな甘い考えは打ち砕かれてしまう。なんと彼女は右手を切断された箇所に持ってきたと思えば、互いの細胞や金属チップが融合し始めた。右手を再生したのだった。


 お互いに向かっていき、距離を詰めた所でトマホークの刃をぶつけ合う。何度も右に左に上から下からと刃を振るうが彼女も負けない。


 ならば、徒手空拳ならどうだと左足を軸にし、右足でミドルキックを繰り出そうとしたが彼女は間合いを詰めてきたと思ったら、私の額へ頭突きをする。鈍い音と共に額から受けた強い衝撃が足まで届くようであった。


 私はバランスを崩し、受け身も取れず勢い良く後ろに吹き飛ばされるように倒れてしまった。しかし、すぐに立ち上がった。


 闇雲に攻撃してもダメだ、何か体勢を崩してトマホークを叩きこんでやらないとダメだ。しかし、どうやって? この身と二丁のトマホークを駆使するしかないが考えが思い浮かばない。余裕タップリの表情が近づいてくる。くそ、ならば色々試すか!


 私は彼女に向かって走りながら身を屈めた。すると、彼女はトマホークを投げた。私はスライディングをし、避けながら彼女の足を絡めて倒した。よし、これで勝った! 私は立ち上がり、止めをさそうとした。


 だが何故投げたんだ? 一丁しかないのに投げたらもう武器がないじゃないか? いや、もう一丁あると思い、彼女から離れて様子を見るため、右へステップし、少し距離を取った。すると、後ろから風切り音が聞こえる。ふと後ろを見ると先程のトマホークが戻ってきたのだった。彼女は寝たまま右手を上げるとトマホークが右手の平に納まった。そして、立ち上がり、髪の毛を整えた。


 そういうことか、あのままだとあのトマホークにやられていたのか警戒して正解だった。そして私はトマホークの他の機能があると声が言っていたのを思い出していた。ならば、この機能を試してやろうじゃないか。


 そう思いながら向かっていくと今度の彼女はトマホークを構えたまま私の出方を窺っていた。ならば、大上段から脳天へ叩き込んでやる!


 私は右手のトマホークを高く掲げて飛んだ。思った以上に跳躍力があり、四メートルは飛んでいた。すると、彼女は左肩からトマホークを出し、投げた。しかし、今度は避けない。左手のトマホークで彼女のトマホークを切り払うと彼女のトマホークは真っ二つになった。


 着地するかしないかのタイミングでトマホークを振り下ろすと彼女は持っていたトマホークで防ごうとした。しかし、私はトマホークを投げながら振り下ろすふりだけをした。彼女は虚を突かれていた、その瞬間を見逃さなかった。


 私はすかさず、左手の刃で彼女の首を切った。骨格に使われていたと思われる金属が割かれ、首があった個所から肉片や赤い液体等で白いマントと色白の裸体が赤く染まっていく。染まり切ったぐらいで体は崩れ落ちた。いくらガイノイドだからって頭をやられたら立てないだろう、というか立って欲しくない。風切り音が聞こえたため、右手を広げるとそこにトマホークが納まった。一か八かだったけど何とかなった。


「悪く思わないでね」


 聞こえるわけではないがふと呟いてしまった。彼女の方を見ると真っ二つになったトマホークが再生していた。もしやと思い、私もトマホークを割ってみると再生した。なるほど、他の機能というのは自動でブーメランになる機能と再生機能があるわけね。


「これでこの訓練は終了です、ご武運を……」


「良かった、終わった〜」


 その場でへたり込み、達成感より疲労感が強くて動けない。トマホークが再生されているから取りにいかないといけないが歩くことどころか立つことすら難しくなってきた。いや、立つどころか意識すら保てなくなってきた。


 すると、誰かが私の所へ近づいてきた。白衣とその下には黄色のシャツ、赤いズボンという格好をした細身の女性であった。


「なんだか騒がしいと思ったら……THX―11380409CA」


 私のことを知っているのか……私はなんとか彼女に話しかけようとしたが口が開かない。とてもじゃないが行動が出来ない。敵か味方か分からないまま意識がなくなるのはまずい、なんとか意識を保たないといけない! しかし、足に力が入らず倒れてしまった。


「千尋……起きたら話すわ……」


 そういって彼女は私の体を抱きかかえた。名前まで知っているのか……一体何者なんだ? 私は目を閉じてしまうと意識が遠のいてしまった。




 気づいた時には私はベッドの上に居た。電灯の灯が私の顔を照らしている感じがした。右を向いて寝ており、首の後ろ、延髄らへんに何かがある気がした。左手で触ってみると何かコードのようなものがあり、どうやらそれが私に挿さっているようであった。


 私は本当にガイノイドらしい、出来たら本当に人間であって欲しかった。何故人間であって欲しかったのかは分からないが何か自分の根幹が崩されそうな感じがした。


 目が覚めると記憶がなく、どうしようかと思うばかりで自分というものがない気がした。下手に自我があり、自分で考える余地……いや、思考が出来る、または許される分辛い。


 だが一つだけ分かることがある、これは第六感だが、かつて私は生きていて、ある意味生まれ変わったのだ。目的は分からないが私のことを訓練で強くしようとしている。とにかく私は自分が誰か知りたい! そう思うと左手でコードを抜いていた。


 起き上がり、コードの先を見ると心電図のようなモニターがあり、それには心拍数だとかエネルギー残量みたいなものが写っていた。更に辺りを見渡すとどうやらベッドとこのモニターだけしかない部屋だった。


 すると、ベッドの下から砕く音と同時に腕が伸びてきた。これもガイノイドか別の何かか? と思い、腕に警戒しながら臨戦態勢をとった。


 しかし、腕が降りて行く。次は何が来るか分からないため警戒はしていると何かが天井に当たり、轟音と閃光と共に爆発した。


 爆風や破片を受け、耳鳴りと鼻につく臭いと視界がボヤけるだけで大したことはなかった。


 すると、床に出来た穴から飛び出した。袖は黄色だが赤い服と白いスカートを穿いた女で見た目だけ見るとパワーがありそうなかなりごつい体格であった。

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