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あっという間に馬車に乗せられ
着いた先には大きなお屋敷が。
「私達はもう隠居して、ここで暮らしているの。」
「本邸は息子家族が住んでいてね、君が住むのはここになるかな。」
平民からしたら充分な大きさですし。
なぜか住む前提のように話されてる気も。
確かに、孤児院とも、前世の暮らしとも全然違う。
私が普通の平民として生まれたのならこれほどの待遇はないと思う。
「…貴方に、見せたいものがあるの。」
そう言って屋敷の中へ促され、とある部屋の中に案内された。
そこには、肖像画があった。
ピンクブロンドの髪に空のように青く澄んだ瞳の絶世の美女。
あぁ、私は知っている。この人を。
私は受け継いでいる。彼女の色ともう一つの色を。
青い髪に黄色の瞳の前公爵夫人。
青みがかった黒髪に黄色の瞳の前公爵。
私の髪は紫がかったピンクブロンド瞳は黄色に近い黄緑色。
「お母さん…なのですね。」
「えぇ、あの絵は息子のカリオンが描いたのよ。元々病弱でね。爵位を弟に譲ってここで療養して暮らしていたの。」
「息子はしょっちゅう街に出かけていてね。そこで出会ったんだ。君のお母さん、マリアンと。」
そして2人は恋に落ちたと。
「2人は本当に愛し合っていたし、結婚も考えていたのよ。けれどカリオンは先に逝ってしまって、私達はマリアンを探したのだけれど見つからなくて。」
「街で君を見たときは驚いたよ。まるで幼いマリアンの姿を借りてカリオンが帰ってきたのかと。」
この2人は本当にお母さんとお父さんのことを思ってくれていたんだろう。
最初からずっと優しい瞳で私のことを見つめていたから。
まさかヒロインが公爵家の血筋だったなんて。
そんな設定載ってなかった気がしたけどなぁ。
というか、これってもう逃げ場なくない?
だって実の祖父母ってことよね?
はぁ。うん。私の負け。
「あの…私にもっと、お父さんとお母さんのお話を聞かせてくれますか?」
「えぇ、もちろん!」
「では、どうぞこれからよろしくお願いします!」
こうして私は前公爵夫妻の孫娘となった。