じゃ、行くか!
………さっむ!冷た!!!!
あまりの寒さに目を覚した
どこ!?ここどこ!?(・ω・三・ω・)
辺りには雪が降り積もり、葉の無い木々の枝は白く染まっている
………ん~~(。´・ω・)?
なんでアタシはこんなとこにいるんだろ……(。´・ω・)?
……前にもこんな事あった気が…………
わかんね!www
とりあえずこの雪を凌げるとこを探さな………い…………と…………?
「壁に囲まれてるやないかーい!!!Σヽ(゜∀゜;)」
アタシがいる周りにはかなりの高さの壁が四方を塞ぎ、隙間等は見当たらない
扉もない
上には多少の隙間は見えるものの、どれくらいの高さがあるのか分からない
そして、その隙間から雪が入り込んで来ているようだ
「……さすがにあそこ迄は跳べないよなぁ……(;´Д`)」
他に何か無いかと周りを見回す
「……あれ?あそこだけ雪がない………?」
4つある角、その一つだけ雪が積もっていない
きっと、ちょうど雪が振ってこない位置なのだろうと考え、そこに移動すると
「…下があったかい……?」
理由は分からないが、この一角だけは下が温かった
冷えた体を温めるために、そこに横になり膝を抱えるように横になる
「あったかいなぁ………しっかり温まって、雪が止むのを待とう……」
そんな事を考えながら、襲ってくる眠気には勝てずに眠りに落ちた
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「捕れた捕れた~♪」
両肩と首の後ろを使って、両端に獲物をぶら下げたまま歩いている少年
獲物は首と両足の血管と筋を斬られているが、まだ生きている
そこから流れ出る血が、少年が歩ってきた道を示している
「へへへ♪この血の臭いに寄ってきたヤツも狩ってやる♪(^^)www」
少年はその小さな体でどうやって支えているのか分からないが、野生のトリと魚を数十匹ぶら下げた棒を担いで歩いて行った
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「おにーちゃーん!この辺りの冬実、これ以上は採れないよー!」
黒髪、セミロング。金色の瞳を持つ少女が言った
「そうだな。これくらい採れば暫く持つだろう。帰ろうか(^^)」
「うん!帰ろ♪帰ろ♪今日は美味しいスープ出来るよね?(꒪ˊ꒳ˋ꒪)♡ニパー」
少女は、冬実をいっぱいに入れたカゴを背負い、茶髪で短髪の兄と手を繋ぐ
「そうだな。出来れば獣も獲りたかったけど、この雪じゃなぁ~……」
残念そうな声を上げながら、妹の顔を見ながら笑顔を見せる
フワフワの毛が生えた三角の耳と、フワフワのシッポの生えた兄妹は歩いて行った
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ドン!
揺らぐ炎を携えながら鎮座していた机の上のランプが揺れる
「食料が足りないだと!?コレだけの増税をしておいてか!?フザケるな!!今でさえ餓死する民がいるのにさらに増税だと!?」
増税………それは実った作物をもっと寄越せという事だ
「これ以上など無理に決まっている………必死に田畑を耕しても………それを行っている者達の口に入らないのでは意味が無いでは無いか…………!!!」
彼は憤る
一部の上流階級の者
あの「壁」の中にいる者たちに対しての怒りが止まらない
「………こんな世界など………!!」
ぎぃ……っとドアがきしみながら少しだけ開く
「………パパ?」
その少隙間から見えたのは、眠い目を擦りながら父親を心配している幼い少女の姿だった
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青く澄み渡った冬らしい真っ青な空
少し風が強い
真っ白な雪景色
その雪の表面にのったサラサラの雪を風が空へと運び、キラキラと輝いている
「じゃ、行くか!」
コレは二人の少年、三人の少女
そして
紅茶色の髪を持ち、紅い瞳
華奢な体躯ととても優しい魔力を持った
元魔王候補の話として語り継がれるようになるのは
まだまだ先の話だが
当然の事だった