さて、始めようか!
「では、穴を塞いでくる。後を頼む」
ココは王城、会議をする為の部屋
「お待ちください!姫様自らが出向く必要などないでしょう!?我ら王宮騎士団にお任せください!」
勢い良く立ち上がった銀色の立派な鎧を来た中年男性
王宮騎士団の団長だ
「……では聞くが。アタシに勝てるのか?(ΦωΦ)ジロリ」
「そ………それは……………:(っ`ω´c):クッ」
団長はギリッと奥歯を鳴らしながら口篭った
「アタシがやるのが、1番被害が少ないんだよ♪……全力を出す。周辺への結界を怠るな!………お前達が守ってくれると、信じているぞ♪(˶• ֊ •˶)」
その場にいる団長や宰相、大臣等に笑顔を向ける
「はっ!」
会議の間に響く了承の声と涙を流しながらも声を我慢しているであろう抑えられた声
……もう♪大袈裟だなぁ~♪
全力で《穴》を壊して来るだけだから(^^)
ーーーーーーーーーーー
「さて、いっちょやってみっかぁ!( • ̀ω•́ )✧」
そう呟いたアタシは両手を空に向かって上げる
「………みんな!オラに元気をわけ…」
「やめーい!Ξ≡≡_(:3」 )=)з゜)、;'.・」
('ω')三( ε: )三(.ω.)三( :3 )三('ω')ゴロゴログシャ
転がって行った先で大人ですら見るに耐えない凄惨な光景が広がっていたというのは後日談だ
「一人で行く気なの!?バカなの!?アホなの!?( ´^`° )グスン」
メイド長は泣きながら罵倒してくる
「いてて………皆の力を集めたっぽくした方が盛り上がるでしょ!!٩(๑`ε´๑)۶ムキーッ」
「そーゆー事じゃないわぁ!!(o`・д・)≡〇)`Д゜)グハッ」
身長の低いメイド長の左ストレートは、と腰の回転と膝のバネ
そしてシッカリと踏み込まれた右足への体重移動により下から上へと打ち抜かれる為にアッパー気味に右顎へとめり込んだ
衝撃でクルムの体は空中と飛び上がり、背中から床へと叩きつけられる
「はぉ………はぁ………。せめて、あたしくらい連れて行きなさいよ!!( ;ω; )”全力を出す”って…………死ぬ気でしょ!?アンタが……アンタがいなくなったら………アタシは生きてる意味が無いの!!だから、最期まで一緒にいさせてよ!」
アタシは口元を拭いながら立ち上がり
彼女へととても優しい笑顔を向け
メイド長へ右手を差し出しこう言った
「メイド長の私への”好意”を”嫌悪”へと書き換える。今までありがとう………目が覚めたら、”大嫌いな魔王候補”はもういないから♪ゆっくりとオヤスミ(^^)」
「な、何バカな事いっ…………!」
次の瞬間、メイド長の足元には魔法陣が展開され、とても優しい光が彼女を包みこむ
身体が抱きかかえられるようにフワリと浮かび上がり、周囲の光が彼女の中へとそっと入り込んで行く
「………いや………!!やめて………!!アナタとの楽しい記憶を…………クルムとの思い出を…………変えないで…………(*p´д`q)゜。!!!!」
彼女の瞳から止めどなく涙が溢れ、記憶を改ざんされまいと必死で抵抗するようにクルムへと右手を伸ばす
だが、彼女の手は伸ばされているあの人の右手に届く事は無かった
意識を失ったメイド長を抱きかかえ、彼女の部下であるメイド達を呼び私室へと運び、ベッドへ寝かせるように指示を出す
「よろしく頼むよ。それと………この事は彼女へ話す事を禁じ………いや、命令ではないよ………ボクの最期のお願いだ(^^)聞いてくれると嬉しいな♪」
メイド達は、目に涙を浮かべながらも、シッカリと頷き
「……ご武運を……」
そう言うと、部屋を出て行った
「さて、やれるだけやるか!」
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漆黒に染まった「元太陽」
しかし、太陽自体は存在している
この星と太陽の間に、漆黒が存在しているだけだ
………常に
そのばかデカい薄い漆黒が太陽の光を遮っているだけだ
そして分かっているのは「物理攻撃は効かない事」「近付きすぎると引きずり込まれる事」「魔力を使った攻撃を優先的に取り込む事」この3つだけだ
いや、5つか
「物理攻撃を仕掛けると、魔法を使って迎撃してくる事」
そして
「魔法を使うと少しだけ小さくなる事」
だからアタシは街から離れたこの場所に立っている
いくら魔法を撃ち込まれても人的被害が出ない海のど真ん中に!
「まずは半径10キロの海水を退かす!」
結界魔法陣を展開し、逆円錐形の壁を海底まで伸ばしてから円柱状に結界をゆっくりと拡げて行く
コレで魚達等の海水資源への被害は最小限に出来る
3日以上かけてゆっくりと消える結界だ、津波の心配も無い
物理攻撃用の石なんて、海底にいくらでもある
「さて、始めようか!」