だから闘いたくないんだってば!
「さっきのババァがクリスカ様だとーーーー!?」
オオカミぱいせんを含め、この場にいるオオカミ全てが同時に叫んで困惑している
「そーだよ!アレはクリスカ!で、確かにアタシはクリスカの面倒をみてた女を殺した!でも、その女を殺して欲しいと言ったのはクリスカだからな!ヽ(`Д´#)ノ」
「クリスカ様がアステア様を殺してくれって言ったーーーーーーー!?Σ(゜д゜)」
コイツら、ひな壇でリアクションさせたらイイ感じになりそうだな♪
ひな壇って何だ?知らんけど
「アタシが言う事が信じられないなら、クリスカに直接聞けばイイだろ!(*`ω´*)プンプン」
「い、いや、聞けと言われても………今どこにいるかなんて…………;」
オオカミ達は更に困惑の色を濃くしている
……はぁ。コイツら、ちょっと考えれば分かるだろうに………
「……とりあえず、明日以降にババ……クリスカに会わせるから、今日はお前らのとこに泊まらせてくれ。アタシは夜目が利かないんだよ(;^ω^)」
いや、別によゆーぶっこいて視えるんだけどねwww
とりあえず、コイツらの話とババァの話の差異が知りたい
……それと、戦力差もね
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ってなワケでやって来ましたオオカミ村~!
そして思いっきり警戒されてるわけですわwww
そりゃ~さっき「ポメちょを見つけたぞーーーーーー!」って吠えてるの聞こえてるだろうし、当たり前だわな
お?なんか一回り大きくて傷跡が結構あるオッサンオオカミが来た
コレはあれか?「よそ者を村に入れるワケにはイカン!」的な流れでバトルするぱてぃーんか!?
などと考えていたら、オッサンオオカミがアタシの前に来て
半獣人化し、構えた
「……ポメちょ……と呼ばれていたそうだな」
あっれぇ~?
誰か先に戻って報告してた感じか(;^ω^)
アステアとクリスカの話してる時に走った奴はいなかったから、アタシが「ポメちょって呼ばれた」ってところ位しか伝わって無いんじゃね?
と、考えた所でオッサンオオカミは鋭い爪と牙を剥き出しにして襲い掛かってきた
「貴様がアステア様をーーーーー!!!!」
うん、やっぱそうだよね♪
でも話はしたいよなぁ………
しゃーない♪
突き出された爪をヒラリと避け手首を掴み
すかさず身体を反転させながら胸の下へ潜り込む
相手の勢いを殺さずに自分の背中で軽く上へと押して投げる
握った手首を離さずに地面へと叩き落としてやれば
いっぽーーーーん!!!( • ̀ω•́ )✧
ちょっと強くやり過ぎたみたいで、地面に叩きつけられたオッサンは下からの圧縮空気で飛ばされた座布団のように宙を舞った
ん?座布団って飛ぶんだっけ( •́ω•̀)??
ま、いっか♪
「族長ーーー!!!貴様!よくも族長を!!!!」
おそらくはこの村の騎士?と言ってイイ感じのオオカミ達が殺気を向けてくる
「ちょっと待ってくれ!!話を聞いてくれ!この人はクリスカ様の事をおしえ………」
オオカミぱいせんが叫んだが、騎士オオカミ……?ナイトウルフ?ナイトオオカミ?達は聞く耳を持っていないらしいですね。うん
「………しゃ~ない……(*´Д`)はぁ…… ぱいせん!ちょっと本気出すからね~!(*´꒳`*ค"フリフリ♡」
「はっ!?本気ってどーいう…………!?」
次の瞬間
ドンッ!!!!
という音はしない
だが、アタシの見える範囲にいるオオカミ達は重力に抗うように踏ん張り、四肢に力を込めている
ソレはアタシに敵意を向けてた奴らだけだけどね♪
それでもこの村全体にアタシの圧力は掛かっていると思う
「……!!き、貴様……!!何をした………!?」
この村で一番強いであろう族長が、何とか踏んばって顎を地面に着けないで耐えながら言った
「ん?何って、ちょっと抑えてた魔力を出しただけだよ?まだ1割も出して無いんだけど……(;^ω^)もうダメ?(;´Д`)」
アタシは単純に心配して訊ねたのだが、族長の逆鱗に触れても~たらしく
「フザケるな!!」
圧倒的なプレッシャーに抗い、体躯に力を込めてアタシに飛ぶオオカミの族長
ミシミシと骨の軋む音がした
「ちょ……!?無理して走ったり飛んだりしたら骨折れちゃう!落ち着いてってば!!ヾ(。>﹏<。)ノ゛」
アタシは誰かを傷付けるのは好きじゃない
というか嫌いだ
イヤだ
出来る事なら殺したりしたくない
でも、大切な人たちを護る為ならと想い、仕方なく殺した事もあった事を思い出す
………でも、今目の前にいる人たちを殺したいのか?
殺したくない
殺す必要もない
いっそ、このままアタシが彼の爪に穿たれて死んでもイイのでは無いだろうか………?
そういや、アタシは「魔王候補」だったんだよなぁ……
で、クリスカに頼まれて…………
あの「アステア」を殺したんだっけ………
アステアがココの守護をしてたなら
守護が無くなったこの土地に住むオオカミ達に恨まれるのは当然か…………
普通なら、「魔王候補」同士の闘いが終わったら
「勝った魔王候補」がシッカリ統治するワケだし……
…………んんんんんん?
「勝った魔王候補」が統治するんだよな………?
そんな事を考えた時に
「死ね!ポメちょ!!」
族長が骨を折りながら放った一撃だが
「イヤ、ヾノ・ω・`)ムリムリ ちょっと寝てろ!」
先ほどまで掛かっていた圧力が数倍になり、範囲に関しては10キロを超えただろう
つまり
半径10キロ圏内で、マトモに動ける動物はほぼいない
動けるとしたら
上級の悪魔、上級の天使、上級の精霊、上級の獣人
「神」か「魔王」
そして
「魔王候補」くらいだ
オオカミの族長はへたり込み、全く動く事は出来ない
「で、まだやるの?( ̄σ・ ̄)ホジホジ」
敢えてオオカミの族長を見下し、挑発しながら訊ねてやる
どーせ反発するんだろうしwww
「くっ…………そ…………!!……負けを認める………!だが、コレは私が負けただけであって、この村が………一族が負けたワケでは無いのだと覚えて置け!!いつか貴様を上回る戦士がキサマのこ…………」
くだらない能書きを垂れるコイツらには解らせておこう
「逆らって犯罪者として死ぬ」のか「死にたく無いから相談する」のか「共に生きる道を探す」のかを
「五月蝿い」
………ただアタシはずっと抑えていた魔力を解放し
魔力的な重圧の制限を切っただけだ
特に殺気を込めたワケでもない
だが
目の前に広がるのは、無数の気絶したオオカミ達だった
家屋や井戸、それに力の無い者は無事だ
小さい子供達が倒れた者たち………主に自分の父親へと駆け寄り、必死にゆすり起こしている
子供達の後ろには、アタシに殺気を向ける母親………いや、妻達がいる
ほらな?アタシはいつもこーなんだよ♪
助けようとして失敗して
失敗して助けようとして
助けたと思ったら疎まれて…………
本当は回復魔法を使ってやれれば一番イイという事は分かってる
………今、ケガしてる人たちの周りには家族だったり恋人だったり、その人を大切に思ってる人が寄り添ってる
「……アタシが手を出しちゃダメだよな………」
重傷者はいない事を確認した
もうこの村の人達だけで治せるだろう
………お風呂に入って行こうかな……
「おい」
「は、はい!ビクゥッΣ(゜ω゜ノ)ノ」
すぐそばにいた伝令役であろう小さい者へ伝言を頼む
「……流石に疲れたのでな。河原の風呂で汚れを落として、すぐに戻る。と、偉い人に伝えて貰えるだろうか?(´・ω・`)?」
と、女の子に伝えてみた
「解りました!偉い人に伝えて来ます!」
そう言うという、女の子は村の奥へと走って行った