アステアとクリスカとポメちょ
ふんふんふ~ん♪
鼻歌を歌いながらオオカミさんの後ろをついて行くアタシ
「ね~?オオカミさ~ん?どこに向かってるの~(´・ω・`)?」
と、オオカミぱいせんに聞いてみる
もちろん「ぱいせん」とは「先輩」の意味であって、決して「おっぱい星人」って意味ではない
「ああ、もう少し行くと川があるんだよ。そこで体に着いた血を流そうと思ってな。流石に今のままだと、デカい奴らにすぐ見つかっちまいそうだからな(;^ω^)」
ほんの少しだけアタシに目を向けてぱいせんはそう言った
デカい奴らって何だろう(。• . •。)?
くまクマ熊ベ○ーとかだろうか?
アレは確か着ぐるみを着た女の子だった気がするのだが……
「それに、川で血を流せば魚が寄ってくるから、とりあえず飯にしよう♪(^^)」
(;゜∀゜)イヤイヤイヤイヤ...血に寄ってくる魚ってヤバい魚じゃねーの!?
ピラニアとかピラニアとかピクミンとか……
ん?ピクミンってなんだ?( •́ω•̀)??
そんな話をしている間に川に到着♪
周囲に動くモノの気配は………ない
「ほら、犬。コッチに来てみな♪ココはウチラが作った血流し場なんだよ♪」
川のヘリに大き目な岩を積んで作られた、中をしっかり水が通り抜けるがデカい魚は入ったら出られないであろう壁で囲われた一角が存在している
コレはあれだ。よく人間の子供が川で作るあれだね(^^)
「そーそー♪ここに浸かれば血は流れるし、獲物は寄ってくるし、壁があるから捕りやすいしだから一石三鳥♪とりあえず入ろうぜ(^^)」
そう誘われて、お腹がグ~
ふっ、チョロいなアタシ( • ̀ω•́ )✧
「さて、じゃあ半獣化してくれ。その方が血も落としやすい。髪だけシッカリ洗えば大丈夫だろ?」
(゜д゜)(。_。)ンダンダ!!
犬の姿のままだと、毛の奥に染み込んだ血はなかなか落ちないもんね
「じゃ、遠慮なく♪」
アタシの体の周りに小さな光が集まってくる
白、黒、赤、青、緑、茶色
全ての光が混ざり合い、黒紫の光が体を包む
「お、おい………お前、この色って………まさか………!?」
「この姿になるのっていつぶりだろ~?(^^)♪」
うっすらと黒みがかった長めの紅茶色の髪
ふにゃっとした感じの眉
優しい感じが漂う少し垂れた瞳
その瞳の周りには長いまつ毛
肩幅は狭く華奢な体躯
それほど主張はしないが、確かに存在感のある胸
小ぶりな尻からスラッと伸びる脚
そして頭にはピョコンと犬の耳、腰からはもふもふのシッポが生えていた
「……∑(´゜ω゜`;)ハッ!!!!」
思わず見惚れてしまったオオカミさん
だが
「お前メスだったんかーい!!( -ω-)ノ☆(*_ _)バシィッ」
とりあえずツッコまれた
いや、頭を叩かれたと言う意味であって、いきなりいきり立ったモノを後ろからい………何でもないです
「痛い~(;´Д`)最初からアタシって言ってるじゃないかぁ~( ;˙꒳˙;)」
と、オオカミぱいせんに苦情をいれてみる
「た………確かに………いや、でも人間と一緒にいたから………その…………〝元オス〝なのかと思っててな………すまない(;^ω^)」
元オス…………?
「あ~!!チンチンとタマタマ切られてないよ!元から無いもん♪」
「女の子がチンチンとかタマタマとか言わないの!(╬⊙д⊙)………すまない、俺は男だ。流石に一緒には入れない。流れた血に誘われて、下流から来る獲物を狙う。先に入ってくれ」
そう言うとアタシの姿が見えない位置へとオオカミぱいせんは移動していった
……優しい人だな♪
オオカミだけど
石で囲まれた川につま先をつけてみると
「……温かい………?」
川底をよく見てみると、所々水が湧き出ているようだった
「天然のお風呂なのか!ババァの家ではお湯を沸かしてタライで入ってたやつだ!(^^)」
足からゆっくりとお湯に入り、体にこびり付いた血を少しずつ洗い流して行く
「………そこは温かいだろう?100年程前から、俺たちの村が使っている場所でな………。」
オオカミぱいせんが石で作った壁の向こうから話出した
「この積み上げられた石はな、そこにある壁を真似して作ったんだってよ……この川の上の方にあるデカいやつ」
ソレを聞き、川の上の方へと視線を向けると
そこには、巨人レベルに背の高い崖があった
「んー(。´・ω・)?崖があるだけだよ?壁ってどれ?」
「その崖が壁って言ってな。むかーし昔に人間が作ったらしい」
( ゜∀゜)・∵ブハッ!!
思わず吹き出してしまったではないか
「またまた~♪こんなデカいの作れるワケないじゃないの~ꉂ(´꒳ ˋ * )ヶラヶラ」
と、言うと
「………そ~思うよなぁ~………。でも、本当らしいぜ?人間が俺らの先祖だって話だ」
へ?先祖?何言ってんだこのぱいせん
「今のお前の姿が証拠なんだとよ。俺達は姿を変える事が出来るけど、爺さん婆さん達くらいから姿を変える事が出来るようになって………で、アレを真似してこの風呂を作ったってワケ」
( ˘・A・)ムー?
「でも、ババァはアタシの事を犬って呼んでたよ?」
「多分、お前は封印されてたんだよ。ババァの前で今の姿になった事あるか?」
あ~~……そ~いやないなぁ~………?と言った感じで首を傾げる
「さっきお前と一緒にいたババァは人間だ」
「あのババァの子供だったのアタシ!?Σ(・ω・ )えっ!?ババァって何歳なの!?ババァだけど16歳とか!?バケモノババァじゃねーか!(╬⊙д⊙)w」
「そうは言ってねーから!……多分お前……昔なんか悪い事したんじゃねーかな?で、姿を変える事が出来ないようにされてたんだよ」
「悪い………事…………?」
思い当たる事はない
物心ついた時にはババァと一緒に暮らしてて……
あ………
「1回だけ、ババァにポメちょって呼ばれたけど………」
いきなりオオカミぱいせんが壁を回り込んでアタシの前に飛び出してきた
「お前………ポメちょって………呼ばれたのか……???」
グルル……と、とてつもない殺気を放っている
「え?えと……うん、ババァが1回だけポメちょ~って呼びながら笑いながら撫でてくれて………な、なんでそんなに怒ってるの………?」
オオカミぱいせんが吠える
「ポメちょを見つけたぞーーーーーーーーーー!!!!噛み殺せーーーーーーーーーーーー!!!!!」
噛み殺せ!?
え!?(•́ω•̀;≡;•́ω•̀)えっ!?
何が何だか分からない
どこに隠れていたのか、いたる所からオオカミ達が姿を現してくる
「も~!皆のエッチ!覗かないでよね!(╬⊙д⊙)」
とかくだらないボケをしてる間にあっという間に周りを囲まれてしまった
すぐに逃げれば良かった(;´ д ` )トホホ…
「ちょ、ちょっと待ってよ!アタシ、何もしてないじゃん!理由を聞かせてよ!」
オオカミぱいせんに訊ねてみると
「貴様がこの国の女神、アステア様を殺したからに決まっているだろう!!貴様が400年前にアステア様を殺し………跡継ぎのクリスカ様を殺したからこの国は…………!!!」
アステア?誰だ????
でもクリスカって…………
「クリスカ生きてるじゃん!!!(๑╹ω╹๑ ╬)ぷㄘんっ」
「はぁ!?生きているワケが無いだろう!!この400年、クリスカ様のお姿を見た者はいない!!!!」
何言ってんだコイツ?( •́ω•̀)??
「見た奴いんじゃん」
「どこにだ!!」
アタシはこの場にいるオオカミ達を指指しながらグルッと回る
「………は?お前は何を言って………?」
アタシはため息を吐いてから
大きく吸って~
言った
「さっきのババァはクリスカだよ!!!!!!!ヽ(`Д´#)ノ」
…………って事は…………あの時にアタシが殺したのは……………アステアって言う「魔王候補」か………