過去
「1度死ねればイイのに………」
そんな事を呟いたのは誰だろうか
うん、アタシだ。
どんな勇者気取りの「俺TUEEE!!\( º∀º )/ヒィヤッハァァァァァァァア!!!」
が来てもヨユーぶっこいて仕留められる
つーか、できる事なら兵士達の犠牲を出さないようにアタシが前線に出たい
なんでアタシが前に出ちゃダメなんだよ~
「クルス様、ダメですからね!ダメですからね!絶対にダメですからね!(╬⊙_⊙)」
メッチャキレてるのはメイド長だ
「えー?なんで~?( ´゜σд゜`)ホジホジ」
ホコリが鼻に入っている為に鼻の粘膜から出た排泄物を小指で摂る
「そーゆー事しないの!-=≡_(:3」 )= )゜з゜))))・゜・・゜・」
メイド長からのドロップキックがキレイにキマり、アタシは吹っ飛ぶ
((* _ω_)ゴロ(_ω_* )ゴロ
が、ダメージは無い
けど
「一応魔王候補なんだぞ!ヾ(*`Д´*)ノ"ドロップキックすな!」
「知ってるからやってんの!(*´艸`*)エヘヘッ♡」
このメイド長、幼馴染みです
お母様と同級生の子供で、よく遊びに来ています
「クルス!次はシッカリ首にキメるからね!(+,,ÒᄉÓ,,)=3」
うん、やめてくださいwww
ずっとこんな毎日が続くと思っていた
−−−−−−−−−−−−−−
「姫様を護れ!絶対に奴らを通すな!」
意味が解らない
なんでこんな事になっているのか
街が燃え、民達は逃げ惑っている
私は叫ぶ
「早く!城の中に!城の中に!」
だが、その声は爆音でかき消される
「お願い!城の中に入って!!」
おそらく爆炎術式だろう
地上からの轟音と、空中で炸裂し、降り注ぐオレンジ色の雨
何度も何度も叫んだ
でも、その声は届かず………
いや…………届いたのかもしれない
だが、城の中に入って来たのはほんの僅かな人数だった
ーーーーーーーーーーー
許さない……………
許さない………………
クルスの前には何の罪も無い民達が傷つき
母が子を
子が父を
涙を流しながら名前を呼んでいる
許さない…………!!
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「魔王候補クルスの名において命ずる!!」
この声は、この「世界」全てに聴こえている
「これ以降、あの世界に手出しをする事を禁ずる!!分かったな!!」
城のバルコニーから叫んだクルスだが、広場にいる兵士達がざわめいている
おそらく、この声が聴こえている「世界」にいる者全てがざわついているだろう
「安心しろ………私があの《穴》を塞ぐ!!」
その声で、《穴》が見える場所にいる者達……いや、生き物全てが《穴》を見つめる
かつて《太陽》と言わた漆黒の《穴》を
「イイか!あの《穴》に近寄る事を禁ずる!何があっても近付いてはならん!分かったな!」
クルスから見える範囲では、全ての民が頷いた
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(´Д`)ハァ…
「……ちかれた……(〃_ _)σ∥」
演説を終えたクルスは自室に戻り、扉を閉めてすぐに膝をついた
「あんなのどーすりゃいーんだよぉ~(*ノД`*)・゜・。」
クルスの涙腺は崩壊し、止めどなく涙が流れる
「黒い太陽ってなんだよぉ~(ノД`、)聞いたこともないよぉ~(ノД`、)」
ベッドに突っ伏し、涙をシーツで拭いている魔王候補クルス
そこに、扉が開く音が響く
「………クルス……?」
私は足音で分かっていた
入って来たのは幼馴染みのメイド長だ
顔を上げ、メイド長の顔を見ながら
「………ごめん。出てって………?」
それだけメイド長に伝える
だがメイド長は
「や~だよ♪w( ・A・)ノシ))˙-˙)ペチペチ」
事もあろうにアタシのほっぺたを叩く
「!?なにすんだよ!」
と、アタシがキレると
「そーそー♪しっかり怒れよ、魔王候補様(^^)♥ショボくれてるクルスなんて嫌いだぞ♪(^^)♥」
「べ、別にショボくれてなんか………!?………?」
メイド長の言い回しが気になってしまった
「……ショボくれてなかったら…………好きなの………?」
勝手に口から溢れた言葉だった
するとメイド長は
「…さぁ?どうでしょうね?(^^)」
笑顔で曖昧に応えたのだった