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第4話:氷結龍と溶岩の魂

 遅くなりましだが、第4話です。




 愛花たち3人は、第3階層であるボスエリアを突破し、第4階層へと向かっている。

 第3階層の奥にある階段は他の階層とは異なり、かなり長い。そして、途中から氷のようなものが辺りに散らばるようになっていった。


(……明らかに進むたびに寒くなっているわね。氷の量も増えてきた)


 どうやら、次の階層は『氷』のエリアらしい。


「……あ、そろそろ下につきますよ!」

 愛花は、一足先に階段を降りきった。


 それに続いて、未来と龍太郎も、第4階層へと降り立った。



「……すごい……」

 思わず、言葉が漏れる。


 3人の目の前には、幻想的な景色が広がっていた。

 氷が地面を覆い、東西南北、上下左右すべてが半透明に輝いている。


 フロアは縦にも横にも広い。

 氷に包まれていても視界は意外にも良好だ。



 3人は、足を滑らせないように気を付けながら前へと進んでいく。


「──ぎゃぎゃぎゃyぎゃhじゃssdf!!!」

 そんな中、その地面に全く臆することなく全速力で襲ってくる魔物もいた。



──────

【種】ブリザード・リザード


【レベル】110


【種ランク(世界基準)】S(国単位の危機)


【種ランク(異世界の英雄基準)】普通


【属性】氷

──────



「……『アイス・ショット』!!」

 未来(みく)は、瞬時に魔法を放つ。


「ぎゃぎゃぎゃ!!!」

 だが、氷属性の魔法は氷属性の魔物にはあまり効果がない。


「……っ!」

(やっぱり、氷属性の魔法は効果が薄いわね。仕方がないけれど……)

三河(みかわ)君!!お願いできるかしら!」


「おう!!『炎剣』!!!」

 この階層は、氷属性の魔物が多く生息している。

 そのため、氷属性に有利な龍太郎がメインに戦うことになった。


「……ぎゃえああ゛!?」


 階層に絶叫が響く。

 龍太郎の炎剣がブリザード・リザードを両断した。



「……あ?」


「きききききひゃはやっ!!!」

 だが、絶叫に反応したのか全方向から新たな魔物が出現する。


「ちっ、とっとと粉砕してやんよ!!!!」






 ──第4階層攻略開始から3時間が経過した。

 現在、3人は階層ボスに対面している。


「────キュウアャアアアアアアアア!!!!!!!!」


 階層ボスが咆哮する。


 その咆哮は、壁が見えないはずの空間内を反射する。



────

【種】『ブリザード・フル・ドラゴン』


【レベル】300


【種ランク(世界基準)】SS(人類の危機)


【種ランク(異世界の英雄基準)】危険

────



(レベル300……)

 未来(みく)は、今まで出会った中で最強の敵を前に、若干の動揺を見せた。

 しかも、異世界の英雄基準の種ランクの欄に今までとは違い『危険』と表示されていた。

 これはつまり、異世界の英雄でも油断すれば死ぬことがあるということなのだろう。 



「──おらぁ!!!さっさと行くぜおらぁぁあぁ!!!!!」

三河(みかわ)くん!?」


 突然、龍太郎がボスの方へと駆け出した。



「こんくらいの敵、夜川平(あいつ)なら()()()()()()()()!!!」



 龍太郎の『炎剣』が、ブリザード・フル・ドラゴンと衝突した。


 衝突した場所から火が上がる。


「おらぁぁぁあああああああ!!!!」

「キュアァァ!!!」


「……っ!!!!」


 激戦。

 ブリザード・フル・ドラゴンは龍太郎の『炎剣』を受けてなお、それをものともせずに龍太郎を氷属性のブレスで殺そうとし続ける。


「『身体強化:炎』!!!」


──

【名称】身体強化:炎


【効果】3分間、自身のステータスを上昇させる。自身のレベル数によって上昇率は変わる。(自身のレベル50ごとにステータスが2倍になる。)

──


 そして、3分後。


「おらぁぁあぁぁぁあ!!!!!」

「キュアアアアアアア……」


 今までにない静かな絶叫が響く。 

 『身体強化:炎』により4倍のステータスを得た龍太郎が、ついにブリザード・フル・ドラゴンを撃破した。

 死んだダンジョン内の魔物は、魔力となってダンジョンへと吸収されるため、死体は残らず雪のように細かく散っていく。


「……お。なんか落としたぜ」

 龍太郎は、何かを拾うと、未来(みく)の方へと向かってきた。


「ほれ、これお前が持っとけ。多分お前用」

「え?……これは」


──

【装備品】永久氷結の杖


【効果】氷属性の魔法の威力を3倍にする。


【備考】非常に扱いが難しい一品だが、使いこなせれば魔法の威力を大幅に増大させることができる。


【制限】氷属性適応者のみ使用可能

──


「氷属性はお前だけだし、ちょうどいいだろ」

「……でも、良いの?今回の戦闘では私はほとんど活躍できなかったのに……」

 未来は少し気まずそうな表情を浮かべるが、龍太郎は気にしない。


「あー、良いよ別に。どうせ次の階層とかはまた違う属性が有利になるだろうからな」

「そう……なら、これを使いこなせるように頑張るわ。今度こそ足を引っ張らないように」


「おう。じゃあ、とっとと進んじまおうぜ」





         ***





「あーつい!!助けてー!!」

 死にそうな顔の愛花が叫んだ場所は、()()()()である。



 約十分前。

 第4階層の階段を降りていくと、だんだんと気温が高くなっていくのを感じ始めた。


「……明らかに暑いです……これはもう定番の『アレ』が来るんじゃないですか?」

「そうだなー」

「あ、着きますよ。えいっ」


 愛花が階段を出ると、そこには目を塞ぐほどの赤い景色が広がっていた。

 辺り一面に広がるのは、溶岩だ。


「……これ、私たちが異世界の英雄でステータス補正なかったら暑くて死んでたんじゃないですか……?」


「……『状況判断』…………あ、このフロア100℃超えてるわね……」

 『状況判断』のスキルにより、普通の人間はこの暑さで死んでしまうことが分かる。


「さすがにこれは私たちでも危ないわね。温度調節するから待ってて。『コントロール・アイス』!!」


 龍太郎と似た魔法を、未来も取得していた。



──

【スキル名】コントロール・アイス(lv.1)


【効果】氷属性の魔力により、自身の周囲の環境を変化させる。

──



「あ、熱くなくなりました!!」

「良かった」


「おい、前から敵が来てるぞ!!早くしろ!!」

 そんな中、龍太郎が注意を促した。

「ぎゅぶをぇあぇあぁ!!!!!」

 前方から、奇声を上げながら魔物が近づいてくる。

 その体表は溶岩に覆われており、どこからが肉体なのかははっきりとは分からない。



──

【種】『溶岩龍』


【レベル】250


【種ランク(世界基準)】SS(人類の危機)


【種ランク(異世界の英雄基準)】危険

──



(……階層ボスじゃなくてももう250……このダンジョンが何階層になるのかは分からないけれど、かなり危ない戦いになりそうね。……ただ、とは言ってもレベルによって変わってくることは既にわかってる。私たちのレベルはかなり上がっているから、油断しなければ大丈夫のはず)


 現在、3人のレベルは第4階層などの攻略により、愛花:221、龍太郎:248、未来:252であり、未来は『溶岩龍』のレベルを上回っている。


「問題ないわ、焦らず攻める。三河(みかわ)くんは私の援護をお願い!!愛花(あいか)は回復よろしく!!」




        ***




「『クリスタル・ショット』!!!」

「ガァ!?」

「ナイス!!」


 攻略開始から2時間程度で、3人は既にこの階層の魔物を何の苦も無く倒せるようになっていた。


「お、扉見えたぞ!!」

 龍太郎が前方を指さした。

 その先には、溶岩に負けないくらい赤黒く輝いている扉があった。


「みんな、問題はないわね?行きましょう!」

「「おー!!」」


 3人は、迷わずその扉へと向かっていく。

 すると、扉がひとりでに開いていく。

 どうやら、3人をこの先に進む者として認めたようである。


「……っ」


 扉が開いていく。

 その瞬間、辺りは光に包まれた。



 そして、数秒が経っただろうか。

 気づけば、目の前には『球』があった。


(え……?)


 目の前には巨大な球が一つ。

 その球は、灼熱の炎を纏っていた。

 それはとても幻想的で、誰もが思わず見とれてしまう。


 しかし次の瞬間、3人はあっけにとられることになる。



『──強き人間よ』

 その球が突然、言葉を発したのである。


「しゃべった!?」

 困惑している3人(主に愛花)を気にせず、その『球』は話し続ける。


『──私が、この迷宮で魂になって、早数百年か。その間、この迷宮を攻略しようとして、多くの命が散っていった』


「え、じゃあ、あなたもこのダンジョンを攻略しようとしてたんですか?」


『──ああ、そうだ。そして、私を含め、散っていった人間の多くは、今も、この迷宮に閉じ込められている。……肉体を失った魂となって』


(な……)


『君たちは、知らない。……いや、知るはずもないだろう。私の知る限り、少なくとも私より後の人間はこの迷宮を攻略して帰ることができなかったのだから。この迷宮の本質を。それを君たちには教えなければならない。この迷宮は────────』


「……え、ちょっと、どういうことですか、それ!?」


(……そんなことが、ありえるの……?)

 未来(みく)は戦慄する。

 今『球』が言ったことは、3人の奥底に突き刺さることになった。


 その内容を要約すると、こうなる。

──

①このダンジョンは、この世界の『神の領域』にいる『神』が運営している。

②その理由は、強者を見つけ出し、この世界を侵略する『敵』を倒す戦力を育て、力を授けるためである。

③この迷宮で死んだ者は、死んでなお、このダンジョンを作り出す魂として利用される。

④このダンジョンに強者が来るのは、『神』の力によって誘導されている結果でもある。

⑤『神』は、神族以外の生物のことを道具としか思っていない場合がほとんど。

⑥この世界を侵略する『敵』は、この世界の神すらも恐れる存在で、いつ侵略してくるかは分からない。

──



(……神種……この世界を支配する存在、だったかしら。一体何をしようとしているの……?敵って一体……)


『──そういうわけだ。君たちはきっと、この先に待つ神の試練をクリアできるはずだ』


「……」


『君たちにはそもそも、それしか道は残されていない。そして、今、君たちがやるべきことはただ一つ。──私を、殺せ』



──

【種】『溶岩の魂(デス・ソウル)


【レベル】500


【種ランク(世界基準)】SS+


【種ランク(異世界の英雄基準)】ランク、レベルの低い者は即死する。

──





 ―第4話 完―

 お読みいただきありがとうございます。

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